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11月10日、東京、渋谷でブルゴーニュ、フランシュ・コンテ地方の魅力を伝えるプレスイベントが開催された。ブルゴーニュにとって日本は重要であり、コロナが始まる直前まで来日し、外国人向けの規制が解除されて真っ先にやって来たのはブルゴーニュ、フランシュ・コンテ地方の使節団。 ブルゴーニュといえばワインであり、ブルゴーニュのクリマとワイン産地は2015年にユネスコの世界遺産に登録された。ガストロノミーでも名高く、2022年にミシュランの星を獲得した店は38軒も。格式高い店からカジュアルなビストロまでさまざまなタイプの店が揃い、日本人シェフが星を獲得した店も3軒あるという。ブルゴーニュ地方の首都、ディジョンは中心市街地を完全に歩行者空間化し、トラムや貸自転車などを整備した先進的な街としても知られている。 中世の街を散歩しているかのような、心地よい静けさを味わえるディジョンの街に今年の5月、ガストロノミーの聖地、「ディジョン美食・ワイン国際博物館」、La cité internationale…

ボルドーのシャトー・ブティネに到着すると、古いシャトーのまわりにブドウ畑と草原が広がっている。2011年からこちらの畑を始めたナタリーさんは、ボルドーワインスクールでワインの講師を務め、ワイン産地の外国人向けガイドとして活躍してきた経歴をもつ。ワインに並々ならぬ思い入れがあり、ワインスクールで出会った夫のジェロームさんと共に生産者になることを決め、こちらの畑を取得。 12haという小さな畑で主に栽培されている品種は黒ブドウのメルローで、シャトー・ブティネが最も注力しているのはボルドー・クレレ。クレレは赤ワインとロゼの中間のような味わいで、ハッとするような濃く、透明感あるフランボワーズ色が特徴的だ。シャトー・ブティネのクレレは、ロゼよりボディがしっかりしており、赤より軽やかで、夏にも冷やして飲める。ロゼとクレレの違いはマセラシオン(ブドウを皮ごと漬け込むこと)の時間の長さ。ロゼは数時間だけマセラシオンし、ほんのり赤い色になるが、クレレは24〜62時間マセラシオンするため、よりしっかりしたボディのワインになる。 4人の母であるナタリーさんは、ブドウ栽培を始めた際に夫が農薬を撒き、そこを子供が走ることに嫌悪感を感じていた。ワイン学校で農薬は大切だと学んだものの、夫や家族に病気になってほしくないという気持ちが募り、2014年からビオをはじめ、2017年に認証を取得。もともと森や牧草地もあり、花やコウモリ、ハチもいたので、その生物多様性を守りたかったという。 2017年には霜の害にやられ、90%もの収穫が減ってしまった。生産者になって初めて経験した、一晩で全てをなくすという衝撃の出来事であり、生産者というのがどういう仕事か痛感したという。とはいえ情熱的なナタリーさんはそれにもめげず、自然をどうにかすることはできないから、私たちが対応していくしかないという。2022年も雹のせいで25 %の収穫をすでに失ったが、「情熱がある間は大丈夫。生産者というのは情熱的な仕事なのよ」とナタリーさんは笑顔で語る。…

10月5日、東京の西麻布にて、シャンパーニュ・マスタークラスが開催された。シャンパンという愛称で親しまれているシャンパーニュは、フランス北部のシャンパーニュ地方で伝統的な製法で造られた発泡性ワインのみを指す。使用可能な品種はピノ・ノワール、ピノ・ムニエ、シャルドネの3種類のみで、主にモンターニュ・ド・ランス、ヴァレ・ド・ラ・マルヌ、コート・デ・ブランの3つの地区で生産されている。 今回のマスタークラスは、その中でもヴァレ・ド・ラ・マルヌの多様性を知るというもの。マルヌ川沿いに広がるヴァレ・ド・ラ・マルヌは、黒ブドウのピノ・ムニエの栽培が盛んな地域。生産者も数多く来日し、解説と細やかで的確なテイスティングを行ったのは銀座レカン、シェフソムリエの近藤佑哉さん。シャンパーニュの3つの品種のなかで「シャルドネは凛とした酸、ピノ・ムニエはまろやかさ、ピノ・ノワールはストラクチャーが特徴的」と近藤さん。各メゾンのブレンド比率を見ると、生産者の方向性がわかるという。 ここでは12種類のシャンパーニュを試飲した中で、特に印象的だった3種類をご紹介したい。シャンパーニュ・フィリップ・デシェル Champagne Philippe…

ボルドーのアントル・ドゥー・メールに位置するヴィニョーブル・デュクールは1858年から続く歴史あるワイン生産者。家族経営で代々続き、ジョナタンさんは6代目にあたる生産者。ヴィニョーブル・デュクールと日本とのつながりは深く、日本には40年ほど前から輸出をし、ジョナタンさんはコロナ前は年に2回も来日していたという。 6世代続くとはいえ、規模が大きくなったのは祖父、アンリ・デュクール氏の代からだ。近くの畑やシャトーを購入し、叔父も叔母もワイン生産に参加した。そのおかげで今ではボルドーに450haに及ぶブドウ畑と14のシャトーを所有。ヴィニョーブル・デュクールはボルドーで最大規模の家族経営企業のひとつである。 ソービニヨン・ブランの畑を見せながら、ジョナタンさんは気候変動の影響について教えてくれた。今年のボルドーは約2ヶ月にわたって雨が降らない日が続き、土の表面はカラカラに乾いているため、土を触るととても硬い。今年のフランスは日照りが問題になっており、ボルドー付近では山火事が起こり、パリでも街路樹の葉が7月にすでに散り始めている。日照りが続いても、しっかりと根を張ったブドウの樹は、表面ではなく地下の水分を吸い取ることができるが、問題は樹齢5-6年くらいの若いブドウの樹だ。若いとまだ根が表面にあり、表面には水が少ないため上手に育つことができないという。 また、温暖化により冬の気温があまり下がらないため、ブドウの樹がしっかり休めなくなってしまった。しっかり冬眠できないため、普段よりも早く芽がでてしまい、そこに霜の被害が来ると危険性がかなり高い。 ヴィニョーブル・ドゥクーには大規模な瓶詰め工場もあり、瓶同士がぶつかり合う激しい音のなか、1時間に5400本ものワインが瓶詰めされている。広大な敷地を持つため、瓶詰めしたワインを数年寝かせておく余裕があり、赤ワインは3−4年寝かせてから出荷するという。…

5月31日、ブルゴーニュワイン委員会主催の「シャブリ・シンフォニー」が池袋の自由学園明日館にて開催された。このイベントは、かの有名な白ワイン、シャブリを音で表現するという試みだ。レカン・グループ飲料統括マネージャーの近藤佑哉さんによる解説とテイスティングの後、シャブリの音色に耳を澄ませた。 ブルゴーニュ地方の北に位置するシャブリでは、単一品種のシャルドネで白ワインを生産している。シャブリという名前は世界的に有名とはいえ、ブルゴーニュ地方の白ワインの中で、生産量は18%にすぎない。シャブリには「プティ・シャブリ」、「シャブリ」、「シャブリ・プルミエ・クリュ」、「シャブリ・グラン・クリュ」という4つのAOC(原産地呼称)が存在する。 今回の試みは、その4つAOCの違いをシンフォニーで表現するというもの。この難しい試みに挑戦したのは作曲家の松波匠太郎さん。近藤さんに直接指導してもらいつつ、その違いを肌で学んでいったという。音楽とワインという、一見関係なさそうな二つの世界だが、そこには聴五感を磨くという共通項がある。「聴覚と味覚という全く別の世界だが、感覚を研ぎ澄ましてきたという点で、近藤さんと私は同志のようなもの。話をしていくうちに、共鳴する点が非常に多かった」と松波さん。ソムリエは味わいを言葉で表現して伝え、音楽家はメッセージを音楽を通じて表現して伝えようとする。伝えるための手段は違えど、表現者という根っこは同じかもしれない。 今回のために造られたシャブリ・シンフォニーはそれぞれ1分半の4つの曲から構成され、「プティ・シャブリ」から始まっている。試飲に提供されたドメーヌ・ビヨー・シモンの「プティ・シャブリ2019」はレモンや柑橘系のフレッシュな香りで、思わずグッと飲み干したくなる心地よさ。音楽もとても軽快でハツラツとし、バイオリンの弦を指で弾くなど、軽やかで高い音を多く使用。「シャブリ」の方は、よりしっとりとした、大人の恋を思わせる甘く切ないメロディだ。「シャブリ・プルミエ・クリュ」はフランスの秋のような切なさ、大人の人生の喜怒哀楽を感じさせる。ぜひ下記の動画でその音色に触れてみてほしい。 そして最後が「グラン・クリュ」。こちらはまさにクライマックスという言葉がふさわしい、荘厳さが溢れる音楽だ。軽やかな若い娘を思わせる「プティ・シャブリ」とはうって変わって、人生のさまざまな経験を重ねた後で、成熟した大人になってからようやく華開くような、雄大なメロディ。夜がふけて、妖艶な魅力を放つベネチアのサン・マルコ広場のカフェで堂々と演奏されそうな曲である。「ストラクチャーや、奥行きを感じる味わいがある。いろんな要素が見事に合わさり、グラン・クリュのワインをそのまま音に変換したのが今の曲だと思う」と近藤さん。…

暑くなるにつれ、軽やかで心地よいワインが飲みたくなるもの。とはいえ手頃な価格でちゃんと美味しく、普段の食に合うワインを見つけるのは至難の技。安いスパークリングは味わいや泡がきつく、ボルドーの赤は夏には重く、ブルゴーニュは普段使いには高級で、フルーティするぎワインは食事の味を打ち消すことも。 そんな時に思い出してほしいのが、フランス、ロワール地方のワイン。7月7日、東京、白金台でフランス貿易投資庁主催のロワールワインセミナーが開催され、銀座のフランス料理店ロオジエのソムリエで、昨年の全日本優秀ソムリエコンクールで優勝した井黒卓さんがロワールワインの魅力を教えてくれました。 フランス東部、サンセールから大西洋に至るまで約1000キロにわたる広大なワイン産地のロワール地方。スパークリング、白、ロゼ、赤に至るまで個性豊かなワインを産出し、ロゼ・ダンジュや高級な白、サンセールなどで有名です。その中でもこれからの季節に重宝するのがスパークリングのクレマン・ド・ロワールと、カベルネ・フランの赤ワイン。どちらも上質でエレガントなフランスらしい味わいがあるのに、驚くほどリーズナブルという優れもの。 クレマン・ド・ロワールに使われているシュナン・ブランはロワール原産の白ぶどうで、シャープな酸味とリンゴ酸が特徴的。完熟すると、カリンやりんごの蜜のような味わいが生まれます。酸味がしっかりしているシュナン・ブランは、甘口ワインになっても酸味と甘みのバランスが優れています。霧の多いロワール地方は甘口ワインの産地としても有名で、皮の薄いシュナン・ブランに貴腐菌がつくことで上質な貴腐ワインが誕生します。 テイスティングに提供された「アッカーマン クレマンドロワール ビオ ブリュット…

ロワールはフランス第3位のワイン産地。全長1000キロ以上の広大なロワール河のまわりには、68ものアペラシオンが存在している。透明感ある白ワイン から黒みをおびた赤ワインまで、あらゆる種類のワインがある。絶対的な静寂から野性的な顔まで見せるロワール河同様、スティルワインから発泡性ワインま で、多彩な表情があるのもロワールならでは。ロワールワインを表すのはまさに多様性だといえる。 ロワールワインはフランス南部のコート・デュ・ローヌやラングドックのワインとは対照的に、アルコール度数は低め。この地方の特徴的な品種としてはムロ ン・ド・ブルゴーニュ、シュナン、ガメイなどが挙げられる。ロワールワインは「フランスの庭」と呼ばれる華やかな地域で王達の色恋沙汰に付き添い、詩人に…

パリ7区、アンバリッドやオルセー美術館の近くにワインのプロや愛好家達に知られる店がある。美しい店中には高名なシャトーの名が印刷されたワインの箱があちこちに。きちんと温度管理された棚と引き出しにはシャトー・ラフィット・ロースチルド、ペトリュス、ロマネ・コンティ、ドメーヌ・リジェ・ベルエールなど、フランスでも最高級のワインの年代物が並んでいる。中には百年以上の時を経ているワインもある。 …

恵比寿ガーデンプレイスに、日本一のフランスワインの品揃えを誇る店がある。常時1500種類以上が揃うフランスワイン専門店、ラ・ヴィネは最高級の空調設備を誇り、入った瞬間、シャンパーニュ地方のカーヴを訪れたかのような錯覚に襲われる。ラ・ヴィネは1994年、「タイユバン・ロブション」のカーヴとしてオープンし、タイユバンとの契約終了後も同社が運営。シャンパーニュやブルゴーニュ、ボルドーの銘醸ワインが並ぶグランド・カーヴも圧巻だが、この店のうりはフランス各地から集めたワイン。常時300種ほどが置かれるカーヴ・ド・ジュールには、ナンシー、バスク、サヴォワなど、文字通りフランス各地で買い付けてきたワインが所狭しと並んでいる。高級そうな外観とは裏腹に、カーヴ・ド・ジュールにあるのは基本的に3000円前後とお手頃だ。 「旅先で出会ったワインや思い出のワインの名を検索し、ここなら見つかると思っていらっしゃる方も多いです」と店長の阿保孝史さん。「マルセイユでブイヤベースと合わせて飲んだカシのワインが欲しい方、ピク・サン・ルーのワインはありますか、と指名してくる若者も。何故だろう?と思っていたら学生都市として知られるモンペリエに留学し、近くの産地に行ったことがあったとか。」他ではなかなか見つからない、思い入れある地方のワインに出会えるのもラ・ヴィネならでは。商品はソムリエ資格を持つスタッフが現地を訪ね歩いて買い付けするため、店内でもフランス話に花が咲く。「世界のアルコール飲料の中でも、味だけではなくプラスアルファの部分が大きいのがフランスワインだと思います。例えばロマネ・コンティは世界一高価なワインで、200万円することもありますが、その値段の味わいなのかと問われれば、それは違うと思います。それでも飲んでみたいと思わせるのは、背景にロマンがあるからです。歴史、文化やそれにまつわるストーリーなど、味だけでない要素を知ることでより楽しめるのがフランスワインの面白さ。プラスアルファに想いをはせる楽しみをお客様と共有できればと思っています。」 フランスワインの中でも、白ではサヴォワ地方のワイン、赤ではオーヴェルニュ地方のワインが特におすすめという。「オーベルニュは標高が高く寒いのですが、コート・ロティと同じくらい緯度が低いので、冷涼な地域らしい味わいがありつつ、骨格がしっかりしているのが特徴です。また、畑が過密ではないため、日照条件に恵まれた畑のみを選んでつくることができ、更にコクのある味わいができる、ポテンシャルの高い産地なんです。」 高級ワインがズラリと並ぶグランド・カーヴにはシャンパーニュのマグナムも。「シャンパーニュのマグナムは常時20種類程扱っています。最近はマグナムがよく売れるんです」と阿保さん。一体誰が、どんな時に飲むのだろう?「はじめは不思議に思いますよね。でも考えてみればマグナムは普通のボトル2本分ですから、5人くらい集まれば一本簡単に空いてしまうのです。大ボトルという視覚的効果もあって盛り上がり、1つの成功体験ができる。それで次回も何かの機会があったらマグナムにしよう!となるわけです。」 そんなマグナムボトルには大きさや盛り上がりだけでなく、実は味にも違いがあるという。「まずボトルが大きくなるとコルク栓による影響が小さくなり、良い状態で熟成しやすくなります。次に、マグナムはもともと長期保存用にされることが多く、普通のボトルより良い原酒が使われる傾向があります。それから何と言っても泡のきめの細かさ。同じ原種を使ったものでも、ハーフ、普通のボトル、マグナムでテイスティングすると泡のきめ細かさが全然違うのです。美味しいものを飲みたかったら大ボトル、と思ってしまうほど違います。フランスではマグナムだと量は倍でも値段は2倍以上のことが多く、それは品質がそれだけ良いと認識されているからなんです。」…

サン・ジョセフは丘陵の傾斜のきつさで有名だが、ドメーヌ・クルビスの畑は圧巻という他ない。車で山の奥側へと進んで行くと突然、世界遺産かと見紛うような光景が現れる。急斜面の丘陵に、2つの枝が合体したブドウの樹々が見渡す限り連なっている。この姿を眺めていると、ワインというのはまさに人間と自然が共に作り上げた文化だというのを思わずにはいられない。広大な自然の中に位置するが、野生のままの姿ではなく、人が手をかけてはじめて素晴らしいテロワールとワインが出来上がるのだ。 ドメーヌ・クルビスは16世紀からの畑を持つワイン生産者。昔は様々な果樹を栽培していたが、60年代から本格的にワインの道を進めていき、今ではサン・ジョセフとコルナスに35haの畑を所有する。「基本的にはビオに近い栽培方法をとっています。でも全ての畑に傾斜があり、急すぎるところはそこまで行き着かないことも」とローラン・クルビスさん。傾斜がゆるければ小型トラクターを使えるが、傾斜がきついと馬すら使えないという。実際に畑に足を踏み入れると、何かにつかまらないと滑り落ちそうなほど。「ここでの作業は収穫以外も全て人力。大変とはいえ、日当たり抜群で水はけが良いのが特徴の素晴らしい畑です。雨が降っても水分がうまく下に流れてくれるため、ブドウの樹が余分な水分を吸い上げないのです。土壌に水分が多くなると、ブドウの実が膨張して糖分の割合が下がってしまい、皮も破れやすくなり、カビもつきやすくなるんです。」収穫前のシラーを口に含むと糖分がギュギュッと凝縮しているのがわかる。「でもまだ皮が固いから、もう少し柔らかくなるまで収穫は待たないと。」 丘陵地で35haもの畑を維持するのは簡単ではないとはいえ、ローランさんがこの道に進むのはごく自然なことだった。「小さい時からこの環境に馴染んでましたし、祖父母がやってきた偉業をバトンタッチするような感覚です。自分のテロワールへの愛着もあるし、この自然の真ん中で素晴らしい景色を味わえる。ワイン生産者というのは人を豊かにする仕事だと思います。それに私は醸造の仕事の方が多いんですが、畑に行くのはちょっとした気分転換にもなるんです。」まさに山奥、といった表現がふさわしいローランさんの畑では鳥たちが鳴き、心地よい風が吹きぬける。収穫を待つ白ブドウのマルサンヌはキラキラと黄金色に輝いており、樹齢80歳を超えるものも。 マルサンヌ98%、ルーサンヌ2%の白ワイン、「Saint Joseph…