Browsing: ボジョレー

こんなにも美味しいボジョレーがあったのか、と口に含んだ瞬間に驚きで顔がゆるんでしまう。フローラルな香りの後、口に含むとボジョレー特有のフルーティさにさわやかさ、その後は繊細で優しい余韻がずっと残る。なんとなく慣れ親しんだ「ボジョレー」のイメージを見事に覆してくれる、マノワール・デュ・カラの素晴らしいボジョレーのクリュ。こじんまりした試飲ルームには多くのメダルやトロフィーがところ狭しと並びます。それもそのはず、こちらのボジョレー、どれをとっても味わいが格段に違うのです。 マノワール・デュ・カラは1850年から続くドメイン。日本に輸出しているボジョレー・ヌーヴォー以外にも、ボジョレーの4つのクリュのワインを生産しています。このドメインの5代目となる生産者、ジャン=フレデリック・サンバルディエさんのこだわりは、クリュ用のブドウの房部分の約3割を取り除くこと。ボジョレーではボジョレー・ヌーヴォーでもクリュでも基本的にはガメイ種を用い、他の地方とは違って房ごと使用します。「ボジョレー・ヌーヴォーの場合はブドウを房ごと浸けておく期間が短いから、草っぽい味が出ることはありません。でもクリュの場合は草っぽい香りがする可能性があるから取り除くようにしてるんです。」 来年の4月まで寝かせるクリュとは違い、ボジョレー・ヌーヴォーは10月末には全て瓶詰めされて日本やアメリカに運ばれます。こちらのヌーヴォー、「ダム・ナチュール」は特別感のあるヌーヴォーで、瓶の開口部に赤いロウのようなものが塗られ、一本ずつ番号がふられています。ほとんど酸化防止剤も入れずにつくったという醗酵中のボジョレーを一口試飲。さわやかでボジョレーらしいフレッシュな味わい、後味はすこしハチミツのような甘みがあります。このボジョレー・ヌーヴォーは成城石井などで買えるそう。特別感のあるヌーヴォーを試したあとは、驚きのクリュを是非お試しあれ。 マノワール・デュ・カラの取り扱い店 Où acheter…

5月21日、ボジョレーから10名の生産者が来日し、ボジョレーのクリュを紹介する試飲会が開催された。会場となったのは東京湾の船上で、クルージングしながらボジョレーワインを心ゆくまで楽しむという粋なイベントだ。首都圏が朝から大雨で、皆が雲行きを心配していたものの、奇跡的に雨は降り止み、船は無事出港した。 ボジョレー、といえばどうしても「ボジョレー・ヌーボー」というイメージがつきまとう。毎年11月に大手スーパーや酒販店がこぞって宣伝するからで、実際日本はボジョレー・ヌーボー輸出先の世界トップとなっている。しかし、ボジョレーで生産されているのはヌーボーだけでは決してない。新酒は生産量の3分の1に過ぎず、実際にはクリュ・デュ・ボジョレーと呼ばれる高品質なAOCワインが生産されており、パリのビストロでは随分前からこれらのクリュが注目されている。 クリュ・デュ・ボジョレーには10のAOCがあり、ブルイリー、サンタムール、ムーラン・ナ・ヴァンという名を一度は目にしたことがあるだろう。赤ワインの品種は全て黒ブドウのガメイだが、産地によって土壌の質が異なるため、単一品種といえども生産者や産地によって味わいは様々だ。クリュ・デュ・ボジョレーは一般的に、ボジョレー・ヌーボーよりもエレガントで華やかさがあり、卓越したものはブルゴーニュかと見紛うほどである。「近年では世界的傾向として、重厚なワインを難しい顔をして飲むのではなく、日常的に楽しく飲むものが求められるようになってきました。軽やかで、日常の料理にも合わせやすく、かつ繊細さのあるワイン。つまり昨今のワイン業界はまさにボジョレー・スタイルのワインを求めているといえるでしょう」とボジョレーワイン委員会会長のドミニク・ピロンさん。非常に多くのワインが出展される中、ドメーヌ・ドミニク・ピロンのワイン、フルーリーは秀悦だった。軽やかで飲みやすく、フルーティでエレガント。主張しすぎないがしっかり心に残る味わいを持ち、もちろん余韻も素晴らしく、幸福感にひたっていられる。  美味しいワイン片手に船上で風に吹かれ、レインボーブリッジを眺めていられるというのはまさにフランス的な人生の楽しみ方だ。異国であえて船上パーティを開催し、2日間のためにフランスから来日したボジョレーワイン委員会の英断を讃えたい。ボジョレーのクリュはこのようにリラックスした雰囲気で、美味しい食とともに質の良いワインを味わいたいときに最適なアイテムなのだ。これからの季節、ちょっと一杯テラスで外の空気を感じて飲みたい時にもボジョレーのクリュは向いている。 船上ではボジョレー騎士団の就任式も開催され、今年は瀬川あずささんと、オザミワールドの代表取締役の丸山宏人さんが就任された。「ボジョレーを愛する気持ちは誰にも負けません」と語る丸山さんの店舗ではで20種類ほどボジョレーを扱っているという。11月のボジョレー・ヌーボーのシーズンには、パリ同様に1週間かけてヌーボーだけでなく、クリュの魅力を知ってもらうキャンペーンを展開し、ボジョレーが飲めるロンドンバスが都内を巡回するという。ボジョレーのクリュは価格も2千円代が多く、フランスワインの中では手頃で本当におすすめだ。たいていのワインショップを探すと1本は置いてあるから、ぜひ一度試してみてほしい。…

日本で「ボジョレー」といえば「ボジョレー・ヌーヴォー」と思いがちだが、実際にはボジョレー地区には特別な質を認められた10のAOC、「クリュ・ デュ・ボジョレー」が存在する。多くのクリュはボジョレー地区の小高い丘の谷間にある美しい村の名前がついている。ボジョレーのクリュには熱心なファンが おり、パリの素晴らしいビストロでも10年以上前から愛されている。 日本で有名なボジョレー・ヌーヴォーは1950年代になってから登場 した、ボジョレー地区全体で生産される新酒のこと。9月~10月に手摘みで収穫された黒ぶどう、ガメイを特別な方法(マセラシオン・カルボニック)で醗酵させ、11…

ボジョレーという名を聞くと、もう今年は飲んだから、と思ってしまうかもしれない。世界最大のボジョレー・ヌーヴォー輸入国の日本では、ボジョレーといえば新酒と思われがちだ。ところがボジョレー地方にはより上質なワインを造る10のクリュが存在し、そこではブルゴーニュに負けない程上質なワインが生産されている。 ボジョレーのクリュ、サン・タムールで造られたピエール・フェローの赤ワインはバラのような香りで、夢見心地になるほどエレガント。優しいけれども芯の強い女性を思わせる、深みのある味わいだ。ピエール・フェローはボジョレー地区とマコン地区に拠点を置く5世代続く家族経営の生産者。来日した生産者のイヴ・ドミニクさんにお話を伺った。 「ボジョレーには2つの異なるタイプのワインがあります。1つはボジョレー・ヌーヴォーですよね。こちらはお祭り気分で、気軽に楽しめるワイン。それからボジョレーのクリュがあり、こちらはより深みがあり、テロワールごとの味わいが異なるワイン。クリュはどうしても新酒の裏に隠れてしまいがちなので、もっと伝えていかなければと思っています。うちはボジョレーの多くのクリュに畑をもっていますが、サン・タムールならサン・タムール、ムーラン・ナ・ヴァンならムーラン・ナ・ヴァンでと、その土地ごとに醸造所がありプレスから醸造まで行います。ボジョレーのクリュはテロワールごとに特徴があり、その良さを最大限引き出せるように努力しているんです。」 » ムーラン・ナ・ヴァン Moulin-à-vent…

フランスのインテリア雑誌の幻想的なページがまさに目の前に現れたようなシャンブル・ドット。年代を感じさせる階段を上がっていくと、自分がお姫様になったのかと思ってしまうような美しい部屋が待っています。大きなアンティークの木製家具、繊細なガラス瓶に用意されているお水、天井にはシャンデリア・・・夢見心地になれる空間で過ごした後はチーズやハム、それに焼きたてのパンの朝食で幸福なひとときを。 [pro_ad_display_adzone id= »1569″] Château de…

今年のワインは素晴らしい、そう語るのは簡単だ。11月20日はボジョレー・ヌーボー解禁日。ボジョレーと言われて誰もがつい聞きたくなるのが「今年の出来は?」ということだ。 来日したボジョレー委員会会長のジル・パリさんは「今年のボジョレーは例外的に素晴らしく恵まれた年。自然の女神が味方してくれたようだ」という。「特に収穫時期は晴天続きで、その間雨はたったの1時間しか降らなかったんです。ブドウは十分成熟できて、糖度も上がったんですよ。」 解禁日の20日は飯田橋のアンスティテュ・フランセで記者会見と試飲会が開催された。解禁日にトップの人が来日するほど、ボジョレーにとって日本は重要な位置づけだ。日本は2001年からボジョレー・ヌーボーの輸出先第1位となっており、ヌーボー全体の約3分の1が日本で消費されている。ボジョレーといえばカラフルでモダンなラベル、コンビニやスーパーでの大規模な宣伝効果もあって、どことなく大量生産なイメージをお持ちの方もいるだろう。「けれども工業製品的イメージとは裏腹に、ボジョレーは手仕事で造られるワインです。ブドウ収穫は全て手摘みだし、特別な醸造法をマスターするには世代間で引き継がれる熟練した技術が必要です」とパリさん。ボジョレー・ヌーボー造りには、マセラシオン・カルボニックという特別な醸造法が用いられる。収穫したブドウを房ごとタンクに入れ、密閉した状態で4−5日醗酵させることでタンク内に炭酸ガスが充満する。ガスとともにしばらく漬け込むことで、美しいルビー色で、香り高くフルーティなワイン造りが可能となる。「マセラシオンをどこで終えるかの見極めが非常に重要です。3時間多すぎても3時間短すぎても味に影響がでてしまうんです。」宣伝方法こそ国際的でモダンなものの、実際には家庭内手工業のように小さな醸造所で生産する者も多くいる。「とにかく、長々と語るより、是非味わって見て下さい!」この質を知ればまた輸入量が増えるだろう、と自信満々の今年のボジョレー・ヌーボー、ではそのお味の程は? ボジョレー・ヌーボーといえば、ああこれか、とあの味わいを想像することもあるだろう。けれども今年は本当に違う。まず香りからして素晴らしい。グラスからはフルーティな香りがふわっと上がり、色も美しいルビー色のものが多くある。口に含むとえ?こんな上質なボジョレー・ヌーボーがあったの?と驚かされる。しなやかさ、豊かな果実味、それからコクがあるものも。まるで上質なボジョレーのクリュのように、今年のボジョレーは艶やかでエレガント。会場には数十種類のボジョレーが用意されていたが、どれも甲乙つけがたい。今年は当たり外れが少なく本当に上出来というのがよくわかる。「ボジョレーは日本への親善大使」と語るパリさん。今年はボジョレー・ヌーボーはいいかな、と思っていた方でもガメイという品種に対する発見があるはずだ。そしてヌーボーの次は是非ボジョレーのクリュも試してみてほしい。美しいボジョレーの丘陵地帯で生産されるガメイが素晴らしい表情を見せた時、ブルゴーニュのピノ・ノワールにひけをとらない味わいがあるものだ。和食や豚肉、サラミなどの肉製品にも合わせやすい2014年のボジョレーのワイン。これからの季節、ワイン購入に迷った際は是非一度試してみてほしい。 おすすめボジョレー・ヌーボー…

子供から大人までがワイン文化を楽しめるように作られた、歴史を感じさせるワインミュージアム「アモー・デュブッフ」のすぐそばに、ジョルジュ・デュブッフ社の近代的な醸造センターがあります。 ジョルジュ・デュブッフ社は自社所有の50ヘクタールのブドウ農地の他にも、約80のブドウ農家と契約しており、ここには収穫されたばかりのブドウが次々とやってきます。ブドウはすでに生産者側で2度選別されており、金額はブドウの量だけでなく質にも応じて支払われる仕組み。ブドウが運ばれる場所に近づくと何やら足が床にくっつきます。「これは今年のブドウの質がいいからですよ。ブドウがしっかりと成熟している証拠なんです」と3代目のアドリアン・デュブッフさん。ブドウから糖分が自然に床に落ちてしまう程成熟している、というわけです。 [pro_ad_display_adzone id= »1569″] …

大きな倉庫のように天井の高い醸造所にはコンクリートタンクがいくつも並び、一歩足を踏み入れると醗酵の香りに包まれます。今年の収穫はもう終えたというラフォンのボジョレーは、タンクの中でマセラシオンの真っ最中。 「僕の仕事は人に喜びを与えることなんです」とワインを愛しそうに見つめながら語るティリー・ラフォンさん。彼のワインはパリのビストロでかなり有名な存在ですが、それは並々ならぬ努力があってこそ。「僕はボジョレーに住んでいるけど、パリには2週間に1回行っています。週末に車にワインを積んでレストランをまわるんですよ。帰ってくるといつもへとへとになってます。ワイン生産の仕事とは全然違いますからね。でもちゃんとパリのことを理解して、時間をかける必要があるんです。」ボジョレーからパリまでは車で片道約3時間。こんな努力を地道に続ける生産者は非常に珍しいものです。その努力の甲斐あってこそ、自分のワインを多くの人に飲んでもらえる。遠くを見つめるような彼の眼差しの向こうには、いつだってレストランでワインを楽しむ人々の姿が映っているのでしょう。 [pro_ad_display_adzone id= »1569″]…

私たちが「ボジョレー」と聞いて真っ先に思い浮かべてしまうもの、それは赤い小花模様が印象的なジョルジュ・デュブッフ社のボトルでしょう。ジョルジュ・デュブッフ社が今年日本に輸入するボジョレー・ヌーヴォーは110万本以上。今年は地下鉄内でも宣伝するというこのボジョレーはすっかり私たちの目に馴染んでいます。フランスでもボジョレーの象徴であり、ボジョレーの帝王とさえ呼ばれるジョルジュ・デュブッフ氏。ボジョレーにある会社の試飲室で、デュブッフ氏にインタビューをさせていただきました。 試作中のグラス一杯のボジョレーを手に、グラスを傾かせては色合い、滑らかさ、そして香りを愛おしむように確認していくデュブッフ氏。ひとたびそれを口に含めば次から次へと尽きることなく繊細な味わいを表現していく様はまるで詩人を思わせます。会社のラボにはこの秋収穫されたばかりの試飲用のワインがズラリ。それらを日々120種類以上試飲し、頭の中に明確に味を記憶し、アッサンブラージュに向けてのイメージを膨らませていくデュブッフ氏。世界中にそのワインの名を轟かせ、「帝王」というイメージからは想像もできないような、一人一人の育てたブドウやワインをどこまでも丁寧に観察し、愛おしむ、真摯な姿勢を感じさせる方でした。 Q. デュブッフ社は日本にどれくらいボジョレー・ヌーヴォーを輸出されていますか? A.日本には銘柄の違い、キュヴェ・スペシャル、ビオ、キュヴェ・クラシック、キュヴェ・レストラン含め、10種類以上の異なるボジョレー・ヌーヴォーを輸出しています。輸出に関しては18年前からサントリー社と一緒に仕事をしています。初年度は4万本くらいから始まりましたが、その後サントリー社が日本でのボジョレーのイメージと質を守るために非常に貢献してくれたのです。今年は約112万本を日本に出荷予定です。…

日本で「ボジョレー」といえば「ボジョレー・ヌーヴォー」と思いがちだが、実際にはボジョレー地区には特別な質を認められた10のAOC、「クリュ・ デュ・ボジョレー」が存在する。多くのクリュはボジョレー地区の小高い丘の谷間にある美しい村の名前がついている。ボジョレーのクリュには熱心なファンが おり、パリの誇りあるビストロでも10年以上前から愛されている。 日本で有名なボジョレー・ヌーヴォーは1950年代になってから登場…