ボジョレーの帝王 ジョルジュ・デュブッフ氏 インタヴュー Interview Georges Duboeuf

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私たちが「ボジョレー」と聞いて真っ先に思い浮かべてしまうもの、それは赤い小花模様が印象的なジョルジュ・デュブッフ社のボトルでしょう。ジョルジュ・デュブッフ社が今年日本に輸入するボジョレー・ヌーヴォーは110万本以上。今年は地下鉄内でも宣伝するというこのボジョレーはすっかり私たちの目に馴染んでいます。フランスでもボジョレーの象徴であり、ボジョレーの帝王とさえ呼ばれるジョルジュ・デュブッフ氏。ボジョレーにある会社の試飲室で、デュブッフ氏にインタビューをさせていただきました。

ジョルジュ・デュブッフ社に並ぶ試飲用ボトル

ジョルジュ・デュブッフ社にズラリと並ぶ試飲用ボトル

試作中のグラス一杯のボジョレーを手に、グラスを傾かせては色合い、滑らかさ、そして香りを愛おしむように確認していくデュブッフ氏。ひとたびそれを口に含めば次から次へと尽きることなく繊細な味わいを表現していく様はまるで詩人を思わせます。会社のラボにはこの秋収穫されたばかりの試飲用のワインがズラリ。それらを日々120種類以上試飲し、頭の中に明確に味を記憶し、アッサンブラージュに向けてのイメージを膨らませていくデュブッフ氏。世界中にそのワインの名を轟かせ、「帝王」というイメージからは想像もできないような、一人一人の育てたブドウやワインをどこまでも丁寧に観察し、愛おしむ、真摯な姿勢を感じさせる方でした。

Q. デュブッフ社は日本にどれくらいボジョレー・ヌーヴォーを輸出されていますか?

A.日本には銘柄の違い、キュヴェ・スペシャル、ビオ、キュヴェ・クラシック、キュヴェ・レストラン含め、10種類以上の異なるボジョレー・ヌーヴォーを輸出しています。輸出に関しては18年前からサントリー社と一緒に仕事をしています。初年度は4万本くらいから始まりましたが、その後サントリー社が日本でのボジョレーのイメージと質を守るために非常に貢献してくれたのです。今年は約112万本を日本に出荷予定です。

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Q. 2013年のボジョレー・ヌーヴォーの第一印象は?

A. ミレジメというのはその年の天候を反映したものです。2013年は春が寒く、雨も多かったため、ブドウの開花が思うようにいきませんでした。とはいえ幸運なことに7月、8月は非常に天候に恵まれ、9月初めの10日間も最高でした。ブドウの実が小さくて収穫量が少なかったとはいえ、素晴らしい成熟度合いで、色やタンニンの具合が非常にいい。よく見て下さい。このボジョレー・ヌーヴォーは、とても色が美しく、赤くて深いルビー色でしょう?非常に香りも高く、いちごのようなベリー類のアロマ、それから少しフランボワーズやカシスのアロマも感じます。こうしてグラスをゆっくりと傾けながらまわしてみるとワインの跡がグラスにスゥっと残るのがわかりますよね?これはつまりグリセロールが沢山含まれていて、非常に美味しいというサインなんです。

Q. ジョルジュ・デュブッフ社では多くのブドウ栽培家や醸造家と一緒に仕事をしているそうですね?

A. 現在では400の異なるワイン生産者とともに仕事をしていて、彼らのことは何年も前からよく知っています。その中には10ものキュヴェを持っている人もいますから、それら全てを当社のラボにいる醸造担当者とともに13回くらい試飲を重ねていくわけです。私たちの仕事は情熱と記憶が肝心です。それらのキュヴェを最終的にアッサンブラージュして、顧客の好みにできるだけ近いボジョレーをつくっていくわけです。

醸造所の前には収穫されたばかりのブドウが次々運び込まれる

醸造所の前には収穫されたばかりのブドウが次々運び込まれる

Q. 2013年はブドウの収穫が遅れ、10月前半でもまだ収穫が終わっていないところもあるといいます。今年は日本への輸出は大変ですか?

A. 今年は色々大変な年でした。ボジョレー・ヌーヴォーをつくるには、ブドウの収穫からワインの瓶詰めまで、少なくとも20日が必要なのです。それに加えて日本に送るためには11月4日発の飛行機に間に合わせなければなりません。これは以前からサントリー社が予約済で、輸送代を支払ってくれています。だから日程をずらすわけにはいきません。とはいうものの、ボジョレー・ヌーヴォーの方の醗酵はもうほとんど終わってるんですよ。

Q. 日本ではボジョレー・ヌーヴォーは非常にうまくいっていますが、一方でボジョレーのクリュはとても美味しいのにあまり知られていないように思うのですが?

A. 私たちもクリュの販売促進に努めていますが、確かにボジョレーのクリュの売り上げはこちらの期待に沿うほど高くありません。私は孫のアドリアンを日本担当として日本に行かせ、ボジョレーのクリュの販売促進をしています。また、ボキューズなどのレストランをてがけている、平松氏とも協力し合って、ボジョレーのクリュを知ってもらえるよう努めています。日本の今年のボジョレー・ヌーヴォーのソワレでは、最初の一杯のみをボジョレーヌー・ヴォーにして、あとはボジョレーのクリュを飲んでもらうつもりです。

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Miki Iida, Laurent Bromberger

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