Author Miki Iida

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パリの街並みからビストロとカフェのテラスを取ったら何が残るというのだろう?ビストロやカフェはパリに彩りを与え、パリの生活の楽しみを生み出す重要な存在である。とはいえ、ビストロやカフェのテラスはグローバリゼーションによる世界の均質化の波にさらされている。今日では世界のどこへいっても大都市の中心部は似たり寄ったりで、同じ看板、同じファーストフード店やチェーン店で溢れかえっている。パリは大都市にしてはこうした潮流から免れている方ではある。とはいえ、唯一無二で、正真正銘の昔ながらのパリのビストロやカフェのテラスは、放っておいたら消えてしまう運命なのだ。ビストロやカフェはパリの美しい街並みに欠かせないだけでなく、パリのエスプリの一部をなす存在である。というのも、両者は自由な場、議論の場、また文化的な場としての役割を担ってきたからである。ビストロやカフェは庶民的な味を守り続けるだけでなく、社会の中で人のつながりを育む場所なのだ。 こうした消滅の危機に対して、ワイン生産者と結びつきの強いカフェ店主や、ビストロの擁護者たちがパリのビストロとカフェのテラスを、ユネスコの無形文化遺産、地域に根付いたライフスタイル(Art de vivre)として登録するための団体を創設した。ブルゴーニュのクリュや、シャンパーニュのワイン産地を守る動きと同じようなものである。「ビストロとパリのテラス」という団体の代表者、アラン・フォンテーヌ氏は、「ビストロは様々な階層の人々がカウンターを通して気軽に出会い、語り合えるパリのサードプレイスなのだ。こうした文化は地域に根付いたライフスタイル、フランス流の生活の楽しみ方という観点からも、次世代に伝えてゆくべきだ」と語る。…

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今年もFOODEX JAPANが幕張メッセで3月5日から8日まで開催された。日本中だけでなく、世界中から食品、飲料の生産者や販売業者が一同に会すこのイベントでは、数多くのセミナーも開催される。 フランス・テイスティングルームで開催された「フランス料理は(実は)簡単!」というアトリエは、簡単なフランス料理のデモンストレーションかと思いきや、出展企業10社の製品を説明付きで味わえるものだった。フランス料理というと難しそうで、前菜からデザートまでのおもてなしは料理に自信がない者には敷居が高い。しかし、料理研究家の脇雅世さんによれば、母親になっても働くことが主流のフランスでは、帰宅後に簡単に作れる料理が注目されているという。その助けとなるのが、自然解凍するだけで食卓に出せる冷凍食品である。 冷凍食品といっても、パーティに使えるカナッペから、オーブンで焼き上げるタイプのバゲット、カヌレや1口サイズのケーキに至るまで、非常に高品質で見た目も美しい。特に驚きなのがブリオッシュ・パスキエ社のマカロンで、こちらはラデュレのマカロンと言われてもそうかと思えるほどの美味しさだ。外はサクッと、中はふんわり口の中でとろけていくのに、ポロポロとこぼれ落ちることもない。「マカロンはマリー・アントワネットなどが食べていたこともあり、手に入りやすくなったとはいえ、今でも高級デザートとして認識されています。きちんとした格好でパーティに行った時、ボロボロこぼれて服を汚さないようにというのも考えて作られているんですよ」とピエール・パスキエさん。パスキエ社の冷凍マカロンは保存料も着色料も使用せず、甘さもフランスの一般的なマカロンより控えめだ。ボリュームがあるので1個食べるだけで随分幸せな気持ちになれる。美味しさだけでなく価格も衝撃的で、1箱12個入りで1400円程度で買えるというから、人を呼んでおもてなししたい時のデザートにピッタリだ。もちろんコーヒーとは相性抜群である。 趣向をこらしたフランスのデザートを味わった後、コーヒーが飲みたくなったら訪れるべきはイタリア館のエスプレッソコーナーである。「IIAC…

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このところパリで「ブイヨン」が再び注目されている。「ブイヨン」というのは19世紀末にパリに誕生した、庶民的で低価格なブラッスリーのこと。オペラ座付近、グラン・ブルバールの老舗「シャルティエ」は、パリに現存する唯一のブイヨンとしての姿を伝えてきた店だ。そして2019年2月、モンパルナス駅目の前に待望の2店目がオープンした。 こちらは「モンパルナス1900」というビストロを改装しており、新規オープンというよりも、時を経てシャルティエに戻ったという方が正しいだろう。シャルティエ兄弟は1900年代にパリにいくつもの店をもっており、もともとこの店はシャルティエだったのだ。そして116年の時を経て、同じグループに戻ってきたわけだ。 このブラッスリーが当時の趣をこれほどまでに残しているのは驚異的である。この店に入るとすぐ、ベル・エポックやアール・ヌーヴォーの時代に舞い降りたかの気になれる。アール・ヌーヴォー調の彫刻が施されている鏡、チューリップ型のランプ、美しい女性像の彫刻に、ファイアンス陶器で飾られた壁面、そして天井には一面のステンドグラス。この店は1984年に歴史的建造物として指定され、ビストロとして営業を続けながらも当時の趣を保ってきた。モディリアーニもこの店の椅子でアルコールを飲んでいたかと思うと感慨深いものである。 フォブール・モンマルトルの有名なブイヨン・シャルティエを愛する人たちにとって朗報なのが、モンパルナスのこの店でもシャルティエならではの雰囲気が堪能できるということだ。ここでも黒の制服に白いエプロン姿のギャルソン達が店の評判を上げている。注文や会計は紙製のテーブルクロスの端になぐり書きという独特のスタイルも変わらない。 新しいシャルティエのコストパフォーマンスの高さにはパリの美食通たちも驚いている。この店の値段は表記の見間違いかと思うほどで、冬には野菜のポタージュが1€。フランクフルトとポテトの盛り合わせが6.5€、絶品の鴨のコンフィは10.6€、仔牛のマレンゴ風煮込みは11.2€。シャルティエ名物、アルコールのしっかり効いたデザート、ババ・オ・ラムは4.6€。ワインもとてもリーズナブルで、ボトル1本10€〜。量はそんなにという方には、ブッシュ・デュ・ローヌIGPのカラフ入りがあり、4.9€で分け合える。…

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2月中旬、在日イタリア商工会議所主催のイタリアンDOPチーズのセミナーが開催された。食文化に対する強いこだわりをもつイタリアは、EU加盟国の中でも突出して原産地呼称の認定を受けた製品が多い国である。DOP、IGPなどを合わせると818もあり、2位のフランス(618製品)を大きく引き離している。DOPというのは、イタリアの原産地呼称制度(Denominazione di Origine Prottetta)のことで、DOPには昔ながらの方法が細かく規定されており、チーズ作りのノウハウは父から子へと継がれていく。 イタリアチーズというと高級なイメージだが、その理由は全ての工程が手作業で丁寧に作られているからだという。世界では工業的なチーズが多く作られている一方、イタリアのチーズ作りでは機械すらほとんど使わない。DOPでは牛の品種もしっかり規定されており、異なる品種のミルクを混ぜることも禁止されている。また、工業的なチーズと特に異なる点は、着色剤を一切使わないこと、ほとんどのDOPチーズが生乳でつくられており、熱殺菌が禁止されていることである。ドイツやアメリカでは生乳でのチーズ作りは禁止されているというから対照的だ。…

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毎年1月に開催される新年度のミシュラン・ガイドの発表はフランス料理会の一大イベントだ。パリではミシュラン自ら大体的なイベントを開催し、注目されるようにしかけているが、この数年で風向きが変わりつつある。現在批評されているのはシェフたちよりも、ガイドであるミシュランの方なのだ。こうした動きは広がりつつあり、ミシュランの信用と評判が疑問視されている。 1999年以来、18年間に渡って3つ星を獲得していたシェフ、セバスチャン・ブラ氏は北海道の洞爺湖にレストランをかまえるミッシェル・ブラ氏の息子である。彼は2017年9月に、ミシュランに今後は自分の店を格付けしないようにと頼み、ミシュランはそれを受け入れた。しかし2019年には2つ星として格付けされていたことを、ガイドで知ったシェフは驚きを隠せない。 3つ星を辞退することは犯罪同様という者や、気がおかしいという意見もある一方で、それは自由への道だととらえる者もいる。あまりに多くの厳しい評価基準が課されるミシュランの調査員による絶え間ないプレッシャーのもとで生きるのはもうやめたいという意思である。 2019年にはクラシックなフランス料理で知られるパリ1区のキャレ・デ・フイヤントのアラン・ドゥトルニエ氏が、公式な手紙でミシュランの欠点を詳細に表した。その結果ミシュランは2店舗ある彼の店の星を両方取り消した。アラン・ドゥトルニエ氏は、大手ホテル業界や金融業の方に目を向け、もともとの職人気質で家庭的だった側面を失ってしまったミシュランに、もはや独立性がないと述べている。また、近年は写真映えする見た目が、実際の味わい以上に評価されることに疑問を呈している。 彼によれば、シェフやレストランは一連の商業的関係によってこのガイドの支配下にあるという。ミシュランのサイトを通した予約システムへの支払いから、毎月99ユーロのプロ向けプランも存在する。それに加えて、ミシュラン・ガイドのロゴ入り調理器具の販売まであるという。自分の店の将来を考えたとき、誰しもがその提案を断れるわけではないだろう。彼はミシュランの国際戦略についても批判しており、ミシュランの拠り所であるはずのフランス料理を大事にすべきだと主張する。1989年には60万部が売れたこのガイドブックの販売数は、現在では約10分の1程度となっている。アラン・ドゥトルニエ氏は、料理人の団体の協力のもと、ミシュラン審査員の能力の明確な定義を要求している。フランスを代表してきたガストロノミー批評が、まさに今批判にさらされている。

シャンゼリゼ、凱旋門周辺

シャンゼリゼからたった50mという素晴らしいロケーションのメゾン・ド・ローブラックは、ランチは毎日、夜も週4日営業しているパリでも貴重なレストランで、何年も前からこの界隈で中心的存在です。この店は店主のクリスチャンさんの両親が1977年に購入し、彼は妻のエリザベスさんと、この店を肉料理専門店としてオープン。先祖代々の土地に敬意を表し、メゾン・ド・ローブラックと名付けました。 オーブラックはフランス中央山岳地帯にある、手付かずの美しい自然が残る地で、高度1000mに位置する平原。まだそこに農地を所有しているクリスチャンさんのように、多くのパリのビストロのオーナーがこの地域出身です。オーブラックはフランス最高品質の牛の品種名でもあり、クリスチャンさんはオーブラック牛の生産者でもあります。今年開催されたパリの農業サロンでは、彼の雄牛が受賞したほど、素晴らしい牛たちを育てています。この店で提供されるすべての肉は、彼の農場産で、それがまさに彼のレストランをパリの中でも例外的な存在にしている理由です。クリスチャンさんは自分の家畜の幸福と環境を重視して飼育しており、遺伝子組換え大豆も、抗生物質やホルモンも一切使いません。それだけでなく、牧畜が環境に与える影響も少なくしようと努力しており、健康的なオメガ3をベースにした飼料や亜麻を与えています。 骨つきリブロースや牛ヒレ肉、牛生肉のタルタル、ハラミなど、ラ・メゾン・ド・ローヌラックは肉を愛するすべての人が高く評価するレストラン。店内のガラスケースの裏では肉が熟成され、部位によっては七週間ほど寝かされます。ここでは伝統的なポトフのような料理も味わえます。ポトフはフランスの郷土料理でパリの冬で凍りつくような身体を芯から温めます。それからオーブラックといえばアリゴが有名。アリゴはジャガイモのピューレにトム・チーズを混ぜたもので、パリでもとても人気の一品。グリルしたソーセジとともに召し上がれ。 この素晴らしい自家製メニューを彩るのはやっぱりワイン。この店にはなんと700種ものワインリストが存在します。ポムロムのシャトー・ペトリュスのようなフランスを代表する偉大なワインや、コート・デュ・ローヌの卓越したクリュのワインは、上質な牛肉やシャルクトリの盛り合わせの幸せを一層格別なものにするでしょう。 ラ・メゾン・ド・ローブラック…

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フランスやパリでは一体何が起こっているというのだろう?黄色いベスト、「ジレ・ジョーヌ」のデモが始まって4週目の土曜となった12月8日、厳戒態勢がしかれたパリでは激しいデモが起こり、主にシャンゼリゼ通りを中心に、カフェ・フォションなどいくつかのカフェや高級ブティックが被害にあった。ひと月前からフランスでは「ジレ・ジョーヌ」と呼ばれる社会運動が広がりを見せている。これは労働者はじめ、月末の支払いに苦しんでいる人たちが始めた自発的な運動で、完全な車社会の地方から始まった。彼らは日々仕事や買い物に行くのに何キロも車を走らせる必要があり、すでに税金の高いガソリンが、1月に導入予定の炭素税によって値上がりするということで彼らの怒りに火がついた。11月17日からフェイスブック上で、黄色いベストを身につけて高速道路やショッピングモールを封鎖しようという呼びかけが始まった。そして12月1日、フランスの権力一極集中の象徴であるパリ、その中でも特に富の象徴であるシャンゼリゼ通りで激しいデモが行われた。 この運動の発端は炭素税に対する怒りだったとはいえ、それは引き金で氷山の一角であり、問題はより根深いと言われている。「ジレ・ジョーヌ」は、一部の過激派の運動でも、極右が煽って始めたごく一部の人たちの運動でもない。これは、フランスの格差社会や社会的不正義に対して、大変な暮らしの中、なんとかやりくりしている人々の不満や怒りが噴出し、徐々に人々の共感を呼んだことで広がりをみせた運動なのだ。参加している人たちは出自も考え方も支持政党も異なるが、これまで耳を貸してもらえなかった自分たちの声、社会から顧みられなかった自分たちの存在を認めてほしいという想いが共通している。マクロン大統領は年金生活者や失業者、シングルマザーや税金でかんじがらめの個人商店主など、ギリギリ精一杯の暮らしをしている人たちの声を無視してきた。日本向けの報道ではショッキングな映像と逮捕者数だけが衝撃的に映るかもしれないが、この動きはもともと80%のフランス人から支持されており、衝撃的なデモの後でさえ、フランスの世論からかなりの支持を得ているのだ。 とはいえ「ジレ・ジョーヌ」のムーブメントは危険性をはらんでいる。というのは、このムーブメントは選挙という民主的な方法を否定しているからだ。彼らはもはや政治家に失望しており、マクロン大統領や議員たちの辞任を求めている。彼らは自分自身の意見を述べるものの、この動きは代弁者も代表者もいないのが特徴だ。だから政府が対応しようとしたところで、誰と話せばいいのか、彼らの声を最も代弁しているのが誰かがわからない。12月1日の騒然たるデモの後、フランス政府は1月に予定していた炭素税の引き上げをやめ、ガス代や電気代の値上げもやめるという英断をくだした。それにも関わらずこのムーブメントがおさまらないのは、あくまでも炭素税はつもりにつもったこれまでの不満の起爆剤となっただけであり、これまで社会から顧みられずに過ごしてきた人々の怒りがおさまらないからである。フランスは一部の貴族のようなエリートのためではなく、人々のための共和国ではなかったのだろうか?この動きがフランス革命や1968年を彷彿させるのも、そうした市民と権力の対立という構図があるからである。 12月1日のパリでのデモが非常に過激化したのは、政府に対する怒りで心の中は煮えくり返っていても、平和的にデモをしていた人たちの中に、極左や極右の、特殊な武器やペインド用具を持ったグループが混じったからである。郊外の不良たちも夜に店を略奪するためにやってきた。こうして、パリで行われた3回目のデモは最も過激でショッキングなデモとなり、凱旋門がのっとられ、落書きされ、その下にある無名戦士の墓が冒涜されたのをみてフランス人たちは非常にショックを受けていた。凱旋門の前にある「ベル・アルメ」のようにカフェが放火されるというのを目にするのは、パリの歴史的建造物が大幅な被害にあった、パリの市民戦争、1871年のパリコミューン以来の衝撃である。 翌週何が起こるか懸念され、厳戒態勢がしかれた12月7日は、1日に比べると過激な事件は少なかった。それは警察が、デモの参加者たちがシャンゼリゼに入る前に彼らをチェックしていたからであり、砲弾や爆発物を持っていた者たちは全て逮捕された。この日はエッフェル塔、数多くの美術館、近隣の全てのカフェと店が閉まり、多くの店は事前にしっかりとバリケードをはっていた。クリスマス前の1ヶ月は通常の2−3倍の売り上げがある、1年でもっとも大事な時だけに、パリでのこのデモの影響は深刻である。道路やショッピングセンターが封鎖された地方でも、一様に売り上げが下がっている。…

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11月27日、広尾のフランス大使公邸にてシュッド・ウエストワインデーのセミナーが開催された。シュッド・ウエストというのはフランス南西地方のことで、トゥルーズ、アヴェイロン、ベルジュラック、ジュランソンなどを含む広大な地域を指している。シュッド・ウエストワインはコストパフォーマンスの高いフランスワインとして知られており、日本でも消費が伸びつつある。2017年には前年比約20%も輸入量がアップした。 「シュッド・ウエストはアメリカのワイン・エンツージアストという雑誌の2018年度ワイン産地大賞に選ばれたんです。」とシュッド・ウエストワイン委員会代表のポール・ファーブルさん。世界から注目されているこの産地は、カベルネ・ソービニヨン、メルロー、マルベックなど、国際的なぶどう品種の発祥の地でもあり、130もの土着品種があるという。5年前から日本でのプロモーションに尽力している日本ソムリエ協会副会長の石田博さんによれば、現在、世界のソムリエからもマルベックやカリニャンといった土着品種が注目されているという。「最近は高級フランス料理の店ではほとんどどこでもペアリングのメニューを出しています。前菜からメインを含め約5品ある中で、よく知られた品種だけではペアリングの構成が成り立たちません。そのために知られざる産地の土着品種に注目しているというのも1つの理由でしょう。」南西地方は昔からトリュフや鴨、フォアグラなど美食の地としても有名だ。「フランスの中でも郷土料理がこれほどまでに豊富な地域はありません。ビストロの定番メニューの6−7割はこの地方からインスパイアされたものなんです。」だとすればカスレや鴨のコンフィなど、ビストロらしい料理にこの地方のワインが合わないはずがない。 数あるシュッド・ウエストワインの中でも特におすすめしたい地域がカオールだ。カオールは黒ぶどう、マルベック発祥の地であり、美食の地としても有名だ。日本でカオールのワインというと黒ワインというのが有名で、濃すぎるイメージがあるかもしれないが、ジョルジュ・ヴィグルーのワインは非常にエレガント。マルベック90%、メルロー10%で作られた「Château de Haute-serre…

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11月22日、東京、汐留の東京ガススタジオ「厨BO!SHIODOME」にて全国イタリア料理コンクール2018が開催された。これは世界中で開催されている「イタリア料理週間」の一環で、今年で9回目となる取り組みだ。全国のイタリア料理のシェフ56名の中から、ファイナリストとして選ばれた8名が緊張した雰囲気に包まれて決勝戦を行った。 各自の持ち時間は1時間きっかりで、テーマに沿った1品と、パスタを使った1品を作り、通常の盛り付けと審査員用の紙皿の盛り付けまで完了させる。コンクールは前半4組、後半4組という順番で、スタートの合図とともに各自真剣な表情で素早く料理に向かっていった。猪の肉を勢い良くカットし、色とりどりの野菜をリズミカルに刻んでいくシェフ、彩り豊かなソースを時間をかけて作っていくシェフなど、各自の料理の仕方は様々だ。イタリア料理とはいえ、創造性も重視されるコンクールであり、穴子やウニ、サンマやうなぎなど、日本的な食材もふんだんに使用されていた。 今回のコンクールのテーマは「New Italian Lifestyle…

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11月12日、東京、白金の八芳苑にてイタリアワインの試飲会「ワインの国イタリア 醸造家たちの手仕事」が開催され、数多くの生産者が来日した。イタリアワインは土着品種や産地の多様性ゆえに、何から手をつけたらいいのかわかりにくく、自力で判断するのは難しいと思うかもしれない。とはいえフランスワインに比べ、驚くほどコストパフォーマンスの高いワインが多いので、知っておくとワイン選びの幅がぐんと広がるだろう。 日本でも有名なスローフード運動発祥の地、ピエモンテ州はイタリア北西部にあり、フランスと国境を接している。イタリアで有名な赤ワインと言えばキャンティ・クラシコや高級なバローロなどがあるが、ピエモンテはバローロ、バルバレスコを生産する赤ワインの名産地。バローロとバルバレスコは黒ぶどうのネッビオーロで生産される。ネッビオーロはタンニンが強いため、普通のワインのようにブドウを収穫した翌年に出荷することはできず、収穫から出荷まで4年ほど待つ必要があるという。ピエモンテ州ではバルベーラという土着の黒ブドウも生産されおり、原産地呼称DOCGに品種名がつく、バルベーラ・ダスティもかなりオススメだ。 今回数多くのワインを試飲した中で、その品質の素晴らしさ、そして価格のリーズナブルさに再び驚いたピエモンテ州の2つの生産者を紹介したい。1つ目の生産者は「Tenuta Tenaglia テヌータ・テナリア」。こちらは栽培面積30ヘクタールという小規模で家族経営のドメーヌで、バルベーラを使った2種類のワインが素晴らしい。「Barbera d’Asti…

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