Author Miki Iida

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シャネル銀座ビルディング最上階にあるレストラン、「ベージュアラン・デュカス 東京」が9月26日(水)にリニューアルオープンする。大きな窓からはふんだんに光が差し込み、ゆったりした店内には開放感と落ち着きがある。「以前は90席近くありましたが、席が多いと厨房がどんなに頑張っても限界があると感じ、今回は50席にしたんです」とシャネル社長のリシャール・コラスさん。ベージュは14年前の2004年、シャネルビルと同時に誕生した。モード中心のブランドなのにあえてレストランを入れたのには訳がある。「いつもお世話になっているお客様やパートナーに恩返しする場が作りたかったんです。座っておいしいものを食べながらフランスの文化が感じられ、お互いの縁がより深くなる場を作るのがこのビルを建てる時の夢でした。」 日本在住46年というコラスさんは流暢な日本語で思い出を語ってくれる。「このビルを建てるとき、何かテナントを入れるのではなく、自分の考えで店をやりたいと思ってパリの3つ星を全部巡ったんです。あのときは一番楽しかったなぁ。それで一番考え方や価値観が合うと思ったのがデュカスさんなんです。この人は分野は違うけど同じ言葉を使っている、と思いましたね。」シャネルとアラン・デュカスのレストランに共通するもの、それは伝統を尊敬しながら現代性を求めることだという。ベージュはまさにそれを具現しており、前菜からデザートに至るまで、料理に通底するのは繊細で、かつ記憶に残る深い味わいだ。アラン・デュカスの料理哲学を受け継ぐ総料理長の小島景さんが、伝統を大事にしつつも、珍しい穀物やこだわりのソースを皿の上で組み合わせ、繊細でモダンな味わいを表現する。選び抜かれた食材の組み合わせが、目や舌に心地よい刺激を与えてくれる。 来日したアラン・デュカス氏にもお話を伺った。アラン・デュカス氏は、高級フランス料理だけでなく、パリのビストロの擁護者としても有名なのだ。「私はレストランもビストロも両方好きで、どちらも経営しています。レストランはビストロよりフォーマルで、より美食が追求される場所。ビストロの特徴は伝統的なフランス料理、温かみのあるもてなし、お客さん同士の和気あいあいとした雰囲気、カジュアルさだといえるでしょう。ビストロはフランス社会において重要な役割を果たしていると思います。ガストロノミーやフランス文化への入り口という点で、特に外国人にとってはレストランより入りやすい。ビストロはフランスのエスプリに直に触れられる場だと思います。」デュカスさんは近々ビストロについての本も出版するという。「パリの130のビストロやシェフを紹介する本を間もなく出版します。その名も”Bistro de…

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ヴァンセンヌの森の中にあるル・プラトー・ド・グラヴェルは、都会の喧騒や慌ただしさを忘れさせてくれる場所。第二帝政風、アール・デコ、アール・ヌーヴォー調のインテリアが見事に調和した店内はエレガントでフランスらしさが感じられる。 パリの東に位置するヴァンセンヌの森は、西側のブローニュの森に次いで大きな緑地。ヴァンセンヌのシャトーや180の種類を誇る動物園があり、パリジャンたちの憩いの場となっている。 プラトー・ド・グラヴェルでは、夏は木陰の大きなテラスの前に流れる水を見ながら、涼を感じることができる。ここには騒音や渋滞、大気汚染も存在しない。パリに居ながら自然に囲まれるという貴重な時間を堪能できるのだ。店の敷地は小川と樹々に囲まれている。パリジャンたちが愛してやまないのはこの店の静けさと魅力的な雰囲気なのだ。 …

ボルドーワイン

7月24日、フランス大使館公邸にて第2回「ボルドー&ボルドー・シューペリユールワイン ソムリエコンクール2018」が開催された。このコンクールは、AOCボルドー、ボルドー・シューペリユールワインの魅力を日本の消費者に伝える大使となるソムリエを選ぶもの。予選を好成績で通過した5名のファイナリスト、筥崎宮迎賓館の千々和芳朗氏、オーベックファン神戸の塚本晃氏、アカデミー・デュ・ヴァンの紫貴あき氏、L’ASの佐々木健太氏、アピシウスの中島一希氏が順々に、緊張した面持ちで決勝に向かっていった。 1つ目の課題は、ボルドー&ボルドー・シューペリユールワインに関するセミナーを一般向けにどのように開催するか、ボルドーの生産者組合に向けて提案するもの。前回は初めから英語またはフランス語でのプレゼンという難題だったが、今回は国際コンクールを目指すソムリエというよりも、日本の消費者にワインを広めてくれるソムリエを広く募りたいという主催者側の想いから、ほぼすべての課題が日本語だった。ファイナリストの中にはアカデミー・デュ・ヴァンの講師が2名もおり、さすがというプレゼン力。プレゼンの中で多かったのは20〜30代の女性をターゲットにし、家庭でも楽しめるボルドーワインの魅力気づいてもらうというものだった。 2つ目の課題はグラスに注がれた4つの赤ワインをテイスティングし、特徴を述べるもの。こちらも皆プロだけあって非常に手慣れており、ワインを少し口に含んだだけで品種から生産年、樽熟成や新樽の比率までスラスラと述べていく。自信たっぷりに答える姿はさすがソムリエという他ないが、各自の答えをよく照らし合わせると年度や品種度合いにもかなりズレがあるようで、そのワインを試飲するわけでもなく、正解を知らない聞き手としては、誰が一番真実を語っていたのかはいまだに謎に包まれたままだ。 3つ目の課題は、ボルドーのワインミュージアムについて説明しなさいというものだ。これは皆、2016年6月1日にオープン、というところまでスラッと答えられたものの、制限時間2分が大いにあまる結果となった。ボルドーのワインミュージアム、La…

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ロワイヤル・ジュシューはカルチェ・ラタンの中心にある美しいカフェ。サン・ルイ島やサン=ジェルマン・デ・プレ大通りからすぐの、活気あふれる界隈で40年間続いている家族経営のカフェだ。長年この店を切り盛りしているのは女主人のシルヴィーさん。彼女の両親はビストロで働くために、オーベルニュ地方のカンタルからパリへと上京。この店の雰囲気がとっても温かいのはシルヴィーさんの存在あってこそ。食材の多くは故郷のオーベルニュ産のものを使用。サン・ネクタールチーズやアヴェイロンのシャルクトリ、それに何と言ってもオーブラック牛が味わえる。 ロワイヤル・ジュシューの名物は、力強い味わいでグルメなフランス人に愛されているオーブラック牛ステーキ。おすすめは「オーブラック牛の盛り合わせ」で、オーブラック牛の3つの部位がステーキで楽しめる。盛り合わせには、ジャガイモのピューレとチーズを混ぜて作った、アリゴというアヴェイロン地方の郷土料理が添えられている。この店のもうひとつの名物は「雌牛の肝臓のポワレ」。仔牛の肝臓よりも身がひきしまっており、より深みのある味わいだ。 ロワイヤル・ジュシューは、店で提供される全ての料理が自家製の証、「メートル・レストラトゥール」の認証も受けている。カウンターの奥の厨房に立つシェフ、ルドヴィクさんは毎日日替わりのおすすめ料理を提供し、どれもとても素晴らしい味わいだ。ロワイヤル・ジュシューの料理はボリューム満点で値段もお得。ランチは12ユーロで、有機飼育のポークソテー、ジャガイモのチョリソーソース添えなどがある。エスカルゴや豚足もおすすめだ。 デザートには絶品のりんごのタルト・タタン、キャラメルソースを是非試してみてほしい。 ロワイヤル・ジュシーはグラスワインの品揃えが豊富で、異なる産地のこだわりある生産者のワインをいくつも堪能できる。全ての食事に調和する、繊細でミネラル感のあるブルゴーニュの白、アリゴテもおすすめだ。…

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カマンベールというチーズを聞いたことがない人は滅多にいないほど、日本でもその名は知られている。だが、実は「カマンベール・ド・ノルマンディ」だけが、ノルマンディ地方で育ったノルマンディ牛の生乳でつくられているのをご存知だろうか。フランスではカマンベール論争が始まっている。ワインやチーズのAOC(原産地呼称)を認定する機関のINAOは、国民的議論を呼び起こしている。カマンベールという言葉は、シャンパーニュのようにAOCとして法的に保護されていない一般名称だ。シャンパーニュの場合、フランスのシャンパーニュ地方でAOCの規定にのっとって造られたワインだけをシャンパーニュと呼ぶことが許されている。そのため、アメリカで同じブドウ品種で同じ製法で作ったとしても、「シャンパーニュ製法」と書くことはできても商品名を「シャンパーニュ」と名乗ることは許されない。しかし、カマンベールは一般名称であったため、アメリカ産やデンマーク産、十勝カマンベールも存在し、ノルマンディ産でも様々なものが混在し続けた。 フランスでは、チーズ業界世界一のラクタリス社や他のチーズ業者が、真にノルマンディ産ではないカマンベールを、ノルマンディで製造されたという名目で販売していた。これらの牛乳は殺菌処理されており、いつもノルマンディ産が使われているとは限らない。こうしたカマンベールの値段は本物の「カマンベール・ド・ノルマンディ」の4分の1であり、年間約6万トンもの量が生産されている。生乳でできている「カマンベール・ド・ノルマンディ」の生産量は5500トンと限られており、両者は数年前から法廷で争い続けている。 この状況に終止符を打つために、AOCの認定機関、INAOはカマンベールに対する新しい規定書を作成することにした。今後は殺菌された牛乳を使ったカマンベールもAOCとして認められることになるという。これは、生乳の使用によるリスクをさけたい大手チーズ業者には朗報だ。とはいえ、彼らはノルマンディで放牧されているノルマンディ牛の牛乳を使用することが義務づけられることになる。 生乳を使うカマンベールの生産者には「本物の(Véritable)」という、サン・テミリオンワインにおける「グラン・クリュ」のような表示がされる。一度こちらに認定されると、今後はノルマンディ産の生乳100%を使用することが要求される。多くの人々が、この表記によってカマンベールチーズ自体の価値があがることを願っている。 しかし、ミッシェル・ブラ氏をはじめとする偉大なフランス人シェフたちは、この新しいINAOの規定書と、カマンベールの牛乳の殺菌について反対する嘆願書に署名する行動を起こしている。彼らはノルマンディで放牧されているノルマンディ牛の価値が上がり、それが酪農家の支援につながることを忘れているのではないだろうか。

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6月6日、東京の八芳園にて、「ブルゴーニュのクリマ、テロワールの究極の表現」というテイスティングイベントが開催された。提供されるのが全てプルミエ・クリュのワインという贅沢なイベントで、8種類の異なるワインのテイスティングとともに、ブルゴーニュワイン委員会の方がそれを生み出すクリマについて説明してくれた。 ブルゴーニュワインにおける「クリマ」という表現は、フランス語における「クリマ(気候)」とはまた別のニュアンスを持っている。ブルゴーニュのクリマとは、ブドウを生産する小さな区画のことであり、それぞれが異なるテロワール、つまり土壌や細かい気象条件、丘の傾斜度合や日照量の違いを持っている。ブルゴーニュワインの歴史は古く、2000年以上前からワイン造りが行われており、それぞれのクリマはその土地にまつわるストーリーに由来した名前を持っている、とブルゴーニュ・ネゴシアン連盟のジャン=フランソワ・ジョリット氏。愛に関する名前もあれば、家族の名前、シャブリのグルヌイユ(蛙)という名のように、動物を表す名前もあるという。 複雑さで知られるブルゴーニュでは、AOCの数は100にものぼるが、基本的に赤ワインはピノ・ノワール、白ワインはシャルドネ、と単一品種を使用する。ボルドーのように数品種をアッサンブラージュ(瓶詰めの前にブレンドすること)はしないから、それだけで他社との違いを出すことは簡単なことではない。同じ品種を使っていてもはっきりとした個性を持った味わいが出せるのは、微妙に異なる気象・土壌条件をもつクリマと、ワイン生産者の努力がかけ合わさってのことなのだ。 このイベントでは華道家・フラワーアーティストの木村貴史さんが、それぞれのワインの味わいにインスピレーションを受け、その味わいや雰囲気全体を華道で表現してくれた。ジャン=フランソワさんによると、ブルゴーニュワインと日本の伝統文化、華道には共通点が多いという。ブルゴーニュワインはそのクリマが育むブドウの味わいを最大限に表現できるよう、人々がそれに手を貸してワイン造りを行ってきた。日本の華道も同様に、大地が育む植物の力強さを生かして自然の姿を表現するという点で、通じるものがあるという。偉大なワインがクリマの力だけでは生まれないように、華道の芸術作品もまた、花さえあればそれだけで作品として完成するわけではないからだ。 試飲した2014年〜2016年産の素晴らしいプルミエ・クリュのうち、特に印象的だったのはジャン・クロード・ボワセの赤ワイン「シャンボール・ミュジニィ・プルミエ・クリュ、レ・シャルム2016…

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ボルドー右岸のサン・テミリオンと聞くとどんなイメージを抱くだろう。美しい産地で造られる高級ワイン?美味しいけれどもスノッブで近寄りがたい、いわゆる高級ボルドー?実はサン・テミリオンには家族経営の小規模のシャトーが多く、潤沢な資金と最新の技術を生かして理想の味わいを追求し、日々努力を惜しまない情熱的な生産者が存在する。サン・テミリオンと書かれたワインははずれる確率が少ないとはいえ、サン・テミリオン衛生地区からグランクリュまで、実際には様々なレベルのワインがある。その中でも特別クラスのサン・テミリオン・グラン・クリュ・クラッセの試飲会が5月23日、東京、渋谷で開催された。16のシャトーと生産者が参加した中でも、特に印象に残ったワインを紹介したい。 シャトー・フォンロックは1931年創業、栽培面積17.6ヘクタールという、家族経営の小規模シャトー。こちらのワイン「シャトー・フォンロック Château FONROQUE 2014」はグラン・クリュ・クラッセの中でもひときわ優雅でなめらかだ。黒ブドウ品種のメルローが主体で造られるサンテミリオンのワインは女性を思わせるなめらかさやエレガントさが特徴とはいえ、このワインのしなやかさは会場内でもトップクラスで、口いっぱいに優雅で柔らかい味わいが広がっていく。その秘訣は何かと尋ねると、実はこちらはサン・テミリオンでも初期に有機栽培に移行し、2006年にはブドウ畑全てが有機栽培(アグリクルチュール・ビオロジック)認証に、2008年にはビオディナミの認証まで取得したというこだわり派。「ボルドーは湿気が多く、虫もつきやすいからビオディナミにするのは手間もかかるし簡単ではありません。ビオディナミはホメオパシーのように、植物自身が病気を予防し、自分で戦う力をつけるもの。ビオディナミにしてからフレッシュ感やミネラル感がより感じられるようになり、味わいも良くなったんです」とシャトー・フォンロックのカロリーヌさん。こちらはフランスでの価格は約35ユーロで、日本にも輸出しているという。 また、家族経営で栽培面積18ヘクタールというシャトー・ジャン・フォール(Château…

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風や緑が心地よくてつい外に出たくなるこの季節、フランス流のアペリティフの時間を楽しむ「アペリティフ in Tokyo 2018」が代官山で開催される。5月18日(金)〜20日(日)の週末に、シャンパーニュ、ワインやビール等フランス産のアペリティフと、日本を代表するフレンチシェフによる粋をこらした一品が驚くほど手頃な価格で味わえる。 日々の暮らしを楽しむことを大切にしているフランス人にとって、アペリティフの時間は欠かせない。アペリティフというのは夕食前に、ワインやパスティスなどの食前酒と、サラミやチップスなどのおつまみとともに、友人たちや来客とゆっくり話をする時間のことだ。窓を開けたりテラスに出したテーブルで、外との一体感を感じながら、大切な出会いを慈しむゆったりした時間。フランスって豊かだなあと実感するのはまさにそんな時なのだ。かしこまった高級フレンチや高級ワインだけが本当のフランスじゃない、もっとカジュアルで気楽なフランスの姿を伝えていこうというこの取り組みは今年で15年目を迎え、ヒルサイドテラスでも年中行事のようになってきた。…

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表参道で4月20日(金)〜22日(日)の3日間、高品質なボルドーワインを一杯300円で楽しめる「MY BORDEAUX PARTY」が開催される。ボルドーワイン委員会主催のイベントで、会場には先日発表された「バリューボルドー2018」が勢揃い。心地よい青空の下、気軽にボルドーワインを堪能できるまたとない空間だ。 それに先立ち、4月19日に表参道でオープニングイベントが開催された。オープニングに駆けつけたのはワイン、料理好きで知られ、1700以上のレシピを考案している俳優の速水もこみちさん。 「ワインは大好きで、番組でもワインを使った料理がほとんど。ワインは料理の風味付けや、味わいを上品にしてくれるだけでなく、その料理を食べる時にまた一杯と、とてもいい気分にさせてもらっています。」ボルドー在住の女性生産者とともにテイステイングを行う際には、「僕が注ぎますから」と自らワインを注ぐという紳士な一面も。「フランスに行った際、フランスでは男性がワインを注ぐものだと教わったんです。女性に注がせちゃだめなんだと。」テイステイングが始まるとプロのような見事なコメント。「この白ワインはまろやかでコクがあり、後味がキリッとして和食ともぴったりでは?」「MY…

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ボルドーというと相変わらず高級ワインのイメージが強いようだが、ボルドーワイン委員会はそのステレオタイプのイメージを払拭しようと根強い努力を続けている。というのも、格付けシャトーの近寄りがたいイメージとは裏腹に、実際にはボルドーの生産者の大半は家族経営で、白ワインやロゼワインなど、バラエティ豊かなワインを生産しており、価格も10ユーロ前後と手ごろなものが多いからだ。ボルドーワインをもっと身近に感じてもらおうという取り組みのひとつが、今年で13回目を迎える「バリューボルドー」。日本国内で流通するボルドーワインのうち、1000円〜4000円までの価格帯のおすすめ100本を認定するもので、コストパフォーマンスの高いお値打ちワインの指標となっている。 今年は464本エントリーされたワインの中から、日本を代表する5名のソムリエがブラインド・テイスティングで100本のワインを選出。今年で3回目のテイスターとなる松木リエさんは、「ボルドーワインは初心者にも安心で、名前負けしない品質の確かさがある」と語る。「エントリーしたワインのレベルがまた一段と上がって選ぶのが大変でした。バリュー・ボルドーはどれも心からおすすめできるワインばかりです。」アカデミー・デュ・ヴァンで長年講師をつとめる紫貴あきさんは今年テイスターに初挑戦。「ボルドーというと赤のイメージが強かったですが、初日は白とロゼばかりで驚きました。白ワインは酸がしまった良いものがたくさんあり、ロゼワインも優しい味わいで春野菜にとても合うと思います。玄人はボルドーといえば格付けの赤というイメージがあると思いますが、赤でも様々なアプローチがあるので、予算に応じて使い分けしてみては」と紫貴さん。 実際に試飲をすると確かに白やロゼのレベルが上がっているのがよくわかる。白は酸がさわやかで和食にも合うものが多く、ロゼは甘すぎず、かといって苦味が強いこともなく、野菜や豚肉メインの料理によく合いそうだ。もちろん赤も、特に2000円〜3000円台で素晴らしいものが多くある。会場にはボルドー、グラーブ地区のペサック・レオニャンから来日したシャトー・ド・ルイヤックのメラニーさんの姿もあった。情熱的な父、ローランさんの造る赤ワイン、「シャトー・ド・ルイヤック2012」は深みがあって滑らかで、余韻がとても柔らかい。カベルネ・ソービニヨンとメルローを約半々で造るこのワインは、2つの品種が素晴らしく溶け合っている。それもそのはず、「このワインは2つの品種を混ぜてから醸造するという、グラーブでも一級シャトーのオー・ブイヨンと私たちしかやっていないんです」とメラニーさん。バリューボルドーに全くひけをとらないこちらのワインは現在輸入業者を探し中(約22ユーロ)。 バリューボルドーの発表に合わせて来日したボルドーワイン委員会からは2017年のブドウの出来についての紹介も。フランスでは近年各地で異常気象の影響を受けており、ボルドーも例外ではなかったようだ。今年は温暖化により平均より10〜15日も収穫が早まった。また、4月に発生した深刻な霜の被害により、収穫量は大きく減り、ワインの生産量は前年比なんとマイナス40%になったという。ブドウの収穫はまさに天候に左右され、生産者たちの心配事はなによりも気象条件なのだが、一人ではその力にはあがなえない。だからこそ、新しい世代の多くは環境問題に関心を持ち、できるだけ環境に配慮し、かつブドウ自体が悪天候に耐えうる力をもつ栽培方法を模索している。一人ではどうにもできないことに力を合わせて対応していくのもボルドーワイン委員会の役割だ。「91年の大規模な霜害の際、その年のワインの値段が非常に上がったが故に、結果として市場を失いました。ですからそれを避けるために、何かあった時用にリザーブ用のワインをとっておく、きちんとしたストック管理を行うようになったのです。今年は収穫は下がりましたが、2015年と2016年のワインを市場に出し、均衡を保つことが可能です。ですから値段は多少は上がるかもしれませんが、極力抑えるようにするつもりです。」とボルドーワイン委員会広報ディレクターのクリスチャンさん。収穫されたブドウの質はとても素晴らしいという。…

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