VINEXPO TOKYO ヴィネクスポ 東京2016

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11月15日〜16日に、ザ・プリンスパークタワー東京にてVINEXPO TOKYOが開催された。2回目となる今年はより専門性を増し、世界中のワイン、スピリッツの産地から600以上の企業が参加。その中でも圧倒的なスペースを確保していたのはフランスワインで、会場の約半分を占めていた。初日はボルドーの格付けワインが一同に集まる「ユニオン・デ・グラン・クリュ・ド・ボルドー」も開催された。百貨店に飾られている偉大なボルドーワインがここでは全て試飲できるというだけあって、会場はひときわ賑いを見せていた。

img_5413赤ワインが圧倒的な比率を占めるヴィネクスポの会場内で、ハッとする美味しさの白ワインの造り手に出会った。ロワール地方で2つのドメーヌを所有しているフランソワ=グザビエさんは、白ぶどうのシュナン・ブラン100%でワインを造る。「コンプリス・ド・ロワール」の「モンルイ・シュール・ロワール Montlouis-sur Loire」は歯切れのいい酸とりんごの蜜のような味わいが特徴的で、スッキリした飲み心地。ヴィネガーの効いたサラダや、帆立や甲殻類によく合いそうだ。「ヴーヴレイ Vouvray 2015」はアカシアのような香りがあり、キリッとした酸とほんのりした甘みのバランスが絶妙。華やかさのあるワインで、シェーブルなどのチーズによく合いそうだ。フランスでの価格は7ユーロ前後だそうで、素晴らしいコストパフォーマンス。コンプリス・ド・ロワールは輸入業者を探し中。

 

img_5400赤では前回も出展していたコート・デュ・ローヌのヴィオディミの生産者、「ドメーヌ・デ・カラビニエール」のマガリさんが、こだわりのワインを教えてくれた。2015年に新登場したキュヴェは「++ーー」という不思議な名前。「プラス、プラスというのは、ビオでもあり、ビオディナミでもあるという意味。マイナス、マイナスというのは使わないという意味で、酸化防止剤も化学薬品も何も加えていないという意味よ」と生産者のマガリさん。つまりヴァン・ナチュールのこと?と聞くと「ヴァン・ナチュールっていう言い方は好きじゃないの。あれは栽培方法にこだわらなくてもヴァン・ナチュールと言えてしまうし、明確な認定も存在しないでしょ。でもうちはビオディナミな上に酸化防止剤無添加なの。他のワインにも極力酸化防止剤は入れないようにして、瓶詰めのときにほんの少し加えるだけ。でもこのキュヴェは本当にゼロなのよ」とマガリさん。口に含むとワインが元気でピチピチしているような、独特の味わいがある。「何も加えないことでもっとテロワールの味わいがするようになるの」と彼女。このワインは2015年に始まったばかりだが、すでに日本に輸出されているという。

img_5409ロゼでは一風変わった若い生産者を紹介したい。フランス南西部、ルシヨンで2年前からワインを造る「レ・フォルト RES FORTES」のモーリスさんはオランダ人で、イギリスとフランスで暮している。8歳でワインに目覚めたという彼は、畑も醸造施設も所有しないワイン生産者。「ブドウは農家から購入して、醸造設備は借りています。将来は自分の畑を持ちたいかって?特にそうは思いません。農家といい関係を結んでいけばよいのでは?醸造設備はあったほうがいいでしょうけど・・・」グルナッシュ・ノワール、グルナッシュ・ブラン、グルナッシュ・グリ、シラーを別々ではなく、混醸して発酵させるという彼のロゼ。味わいはフルーティでイチゴのような果実味があり、スッキリとした飲み心地。ワインの造り方もラベルも生き方も斬新だが、味にはゆずれないこだわりがあるのがわかる。

 

img_5396赤ワインが圧倒的多数を占める中、白ワインで有名なアルザスでビオワインを造り続ける「シュミット・キャレール」のロランさんも出展した。今年日本への輸出が始まったというシュミット・キャレールのワインは、どれもアルザスという固定観念を覆してくれる美味しさで、特に絶品なのが貴腐ワイン。「ピノ・グリ セレクション・ド・グラン・ノーブル Pinot Gris Séléction de Grains Nobles 2009」は、優雅な甘さがあるものの、決して甘すぎることはなく、非常にバランスがとれており、素晴らしいとしかいいようがない。ゲヴェルツトラミネールの貴腐「アルザス・グラン・クリュ・フルステンタム Alsace Grand Cru Furstentum 2009」は美しく黄金色に輝いており、あんずのような香り。こちらはピノ・グリよりもずっと深い甘みとこくがあり、優しい蜂蜜を思わせる。「これとすごく古いロックフォールを合わせた時と言ったらね、もう最高だったよ」とロランさん。貴腐ワインはともにフランスで35€前後。少し味わってみただけで憂鬱な気分も吹き飛びそうなシュミット・キャレールの貴腐ワインは、まだ輸入業者を探し中。

img_5407ボルドーのソーテルヌからも貴腐ワインの生産者、シャトー・ダルシュが出展していた。シャトー・ダルシュはソーテルヌで2級の格付けを持つ素晴らしいシャトー。こちらの貴腐ワインも非常に丁寧に手間暇かけてつくられており、すっきりとした酸味、甘みのバランスが絶妙な優雅な味わいだ。シャトー・ダルシュも近年は日本に輸出されていないという。日本市場で出会いがちな雑味を感じる貴腐ワインとは格の違うシャトー・ダルシュのソーテルヌ。是非早く日本で手に入る日が来て欲しい。

 

 

 

ワインやアルコールが会場に溢れかえる中、試飲に疲れた人たちをほっとさせてくれるブースがあった。ワイングラスで有名なリーデル社と、ネスレネスプレッソ社がコラボレーションし、リーデルのグラスでコーヒーが飲めるという場所だ。あのリーデルのグラスでコーヒーを?というと不思議な感じだが、ワインとコーヒーには共通点が多いという。エスプレッソ用のグラスは形状こそワイングラスのようだが、底はがっちり厚く、球状の底が抽出時の衝撃を和らげてくれ、コーヒー本来の味わいを表現する。グラスの先がすぼまっているものは、ワイン同様にアロマを閉じ込める役割を果たしてくれる。注がれたコーヒーは普段のネスプレッソよりも一層クレマがきめ細かく分厚いようで、これがコーヒー?と思う程マイルドな味わいが際立っている。リーデル社はグラスによってワインの味わいが変化することを伝えているが、コーヒーもここまで変化するとは驚きだ。こちらのグラスは3種類あり、ネスプレッソのブティックで手に入る。

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アルザスワイン シュミット・キャレール
ボルドー・ソーテルヌ シャトー・ダルシュの貴腐ワイン

紹介したワイン生産者のホームページ

Complice de Loire コンプリス・ド・ロワール
Domaine des Carabiniers ドメーヌ・デ・カラビニエール
RES FORTES レ・フォルト

SHCMITT&CARRER シュミット・キャレール
Château d’Arche シャトー・ダルシュ

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