Browsing: 生産者

今年も千葉の幕張メッセで、アジア最大級の食の祭典、Foodex Japanが開催された。3月4日から7日までの4日間で約7万5千人の食の関係者が訪れ、フランスからは農務大臣も訪れた。70を超えるフランスブースは、数多くのワインが並んでいるが、もちろんフランスの食の魅力はワインだけでは語れない。 Sopexaのブースではフランス料理のデモンストレーション、他にもブルターニュ地方の海藻、バイヨンヌの生ハム、シャンパーニュに浸して食べるランスのビスケットなど、フランス各地の食文化を発見する優れた場となっていた。 昨年に引き続き会場に姿をみせたアルザスワイン、カーヴ・ド・リボヴィレは今年も多様なワインを用意。リースリング、ゲブストラミネールに続き、勧められたピノ・グリを試飲。甘い余韻が心地よいゲブストラミネールの後味を、スッキリ、さっぱりしたピノ・グリがさわやかに洗い流す。次に勧められた白ワイン、「ピノ・グリ 2008 ヴァンダンジュ・タルディヴ Pinot Gris…

ラングドックにあるクラップという地区は、ローマ時代には島だった。すぐ目の前には地中海があり、湿地と隣接している この場所は国定公園に指定されている。「ずっと地中海のそばに自分のブドウ畑が欲しかったんです。それにモルヴェドルを育てたいと思ってたんですよ。6ヶ 月間場所を探してたどり着いたのがここだったんです。」とシャトー・ダングレスのオーナー、エリックさん。  シャトー・ダングレスは18世紀からあるシャトー。ボルドーのシャトー・ラフィット・ロートシルドで8年間醸造長を していたというエリックさんは、2002年にこのシャトーを購入。「モルヴェドルは赤ワイン用のブドウです。香りがとてもよく、タンニンがあってしっかり…

ペサック・レオニャンのシャトー・ブラウンの醸造所の横手には、広大なブドウ畑が一面に広がっている。こちらが所有する畑はおよそ30ヘクタール。中世に始まり、900年以上続くこのシャトー。 現在は、有名なネゴシアン一家、モー家の5代目、ジャン・クリストフ・モー氏によって経営されている。取材した10月初旬はブドウ収穫の真っ最中。こちらのブドウは全て手摘みで、収穫に必要となるのは50人。ボルドーではブドウの手摘みは義務ではないが、品質にこだわるシャトー・ブラウンは人手を選ぶ。できる限り最高のブドウをつくり、醸造にも手間をかける。「農薬もなるべく使わないようにしています。ハチの巣も20個以上畑において、エコシステムを大事にしようとしてるんです。ハチがブドウ畑にいるというのは畑が元気な証拠です。」と広報のアガット・ドゥ・ラングさん。 醸造所を見せてもらうとブドウ選果の真っ最中。房の茎は機械で全て取り除き、機械による選果の後は人の手でブドウを選り分け、計3回の選果を行う。ステンレスタンクの並ぶ室内は少しひんやり。「ここでは温度を6度にしてマセラシオン(ブドウのつけこみ)をするんです。それからゆっくりと醗酵させて、オーク樽で熟成させます。」熟成庫には様々な樽屋の樽が並び、約半分は新樽を使用。樽には畑の区画や収穫日ごとにワインを分けて入れている。白ワインは8ヶ月、赤ワインは14ヶ月、個々の特徴を保ったままで熟成される。「ワインづくりで一番大切なのは収穫するタイミングとアッサンブラージュの選択なんですよ。」とアガットさん。アッサンブラージュさせた後は1~2ヶ月タンクで寝かせ、ようやくワインの完成だ。 [pro_ad_display_adzone id= »1569″]…

2013年11月末、赤坂のインターコンチネンタルホテルにて、「ユニオン・デ・グラン・クリュ・ド・ボルドー試飲会」が開催された。 ユニオン・デ・グラン・クリュ・ド・ボルドーは、1973年にボルドー地方の名門シャトーが、ともに力を合わせてフランスはじめ、世界中で自分たちのワインを広めるためにつくった団体。現在では格付けシャトーを中心とする134のシャトーが加盟している。東京会場には108のシャトーの生産者や代表者が来日し、2010年のワインを振る舞っていた。ホテルの巨大な宴会場は見渡す限りグラスを手にした人の山で、一歩歩けば誰かにぶつかりそうな程。4時間のイベントには約900人ものワイン関係者が訪れた。 選りすぐりのワインだらけの会場内でも、特にハッとさせられたワインにいくつか出会った。1つ目はボルドー地方、シャトー・マルゴーで有名なマルゴー地区の、「Château Lascombes シャトー・ラスコンブ」。こちらは1855年に2級に格付けされたシャトー。 シャトー・ラスコンブ、2010年の赤は、ボルドーの上質なワイン特有の香りがふわりとグラスからたちのぼる。口に含むとタンニンはしっかりしているのに女性的な柔からさがあり、非常にエレガントで、口一杯に香りが広がる。こちらの品種はメルロー50%、カベルネ・ソーヴィニヨン45%。シャトー・ラスコンブは118ヘクタールものブドウ畑をもつ、メドック地区で最大のシャトー。…

11月6日、美しい日本庭園のすぐ横で、ボルドーワインの試飲会が開催された。東京、八芳園を会場にした、グラーヴとペサック・レオニャンの14の生産者による来日試飲会。約200名のワイン業界関係者たちが、グラス片手に真剣にワインと向き合い、生産者と話していた。 この試飲会には私たちがフランスで出会った3つのシャトーも参加。早速シャトー・ブラウンのアガットさんに再会し、「Château Brown シャトー・ブラウン 2009」の赤を試飲。こちらはカベルネソービニヨン40%、メルロー56%、プティ・ヴェルドー4%。スモーキーな香りが特徴的で、後味がとてもふくよか。厚めのステーキによく合いそうだ。 その向こうにはシャトー・ド・セロンのブースがある。試飲した白ワイン「Château…

ポツリ、ポツリと雨音が天井に響く中、薄暗い空間に蝋燭の大きな炎が揺らめいている。その後ろには樽で熟成中のワインが静かに眠る。いくつもの蝋燭の光の下、赤黒く映るワインを静かに注いでもらう。グラスを鼻に近づけただけで、香りがスッと立ちのぼる。このワインはただものではない、それがすぐに伝わってくる。ワインというのはきっと造り手に似るのだろう、ふとそんなことに気がついた。 [pro_ad_display_adzone id= »1569″]…

2013年10月初旬、シャトー・ラトゥール・マルチヤックに到着すると、まさにブドウ収穫の真っ最中。早速オーナーのトリスタン・クレスマンさんに様子を見せてもらうと、ブドウの選果場は巨大な機械が占領している。 「この機械はすごいんですよ。中にカメラが入っていてね、ここを通るブドウの粒を全部チェックしてるんです。基準に満たないものは自動で選別してくれる。これだと手作業に比べて2倍も早くできるんです。」これはフランスでもまだ珍しい、最新式の非常に高価で巨大な機械。今年はレンタルにしたそうだが、性能には非常に満足しているという。「うちのブドウは手摘みですが、人間の目で選果をしてても見落としがあるものです。シャトー・ラトゥール・マルチヤックが目指しているのは可能な限り最高なワインをつくること。素晴らしいワインをつくるために、うちだけ努力を惜しんでいたら競争になんて勝てないですよ。」 [pro_ad_display_adzone id= »1569″] いつだって何か改良できる点はないかを探しているというトリスタンさん。このシャトーは有名なネゴシアンだった彼の祖父が1930年に購入。1953年からシャトー・ラトゥール・マルチヤックはボルドー地方、グラーブ地区のグラン・クリュとして格付けされている。彼の父親は大きすぎたグラーブ地区に、新たにペサック・レオニャンというアペラシオンを創設するのに貢献したという。代々ワインに情熱のあるクレスマン家。トリスタンさんも同様で、ワインについての話は尽きることがない。…

淹れたての珈琲というのは大抵それなりに美味しいものだ。だが少し時間がたつと味はすぐに変化する。冷めても美味しいという珈琲には滅多にお目にかかれな い。ワインだってもちろんそうで、それがスパークリングワインなら尚更だ。しっかりと冷やされた始めの一口はまあいけるかな、と思っても、グラスに残った 液体が最後まで美味しいことは滅多にない。 だがここのシャンパーニュは別物だ。グラスから溢れるレモンやグレープフルーツの香り、口一杯に広がっていくフレッシュな酸味。軽やかでさわやかな余韻 が口の中に心地よく残ってくれる。グラスの底からどこまでも立ちのぼる美しく気品のある泡。午前中私たちが試飲をしたグラスにはまだ少し液体が残り、テー…

いつの日かシャンパーニュを思う存分楽しんでみたい。シャンパーニュまで行ったら沢山堪能できるのかしら?そんな想像とは裏腹に、外国まで足を運んでみても高いものはやっぱり高い。シャンパーニュのメゾンまでわざわざ足を伸ばしても、テイスティングは一杯700円程するのです。だけどワインの国のフランス、探せばやっぱりあるんです。値段を気にせず存分にワインを味わえる場所。なんと40社以上ものシャンパーニュをたった1日で味わえる。それが「グランド・テイスティング」。 映画に映画祭があるように、ワインにはワイン祭という気持で楽しんでほしいという、グランド・テイスティングの開催は2011年で6回目。12月1週目の週末に、パリのルーブル美術館の地下、カルーゼル・ド・ルーブルで開催されました。週末のルーブルの地下は人、人、人!しかもパリでは珍しいことに外国人で込み合うのではなく、ほとんどがフランス人。プロもそうでない人も、仲間と一緒にワインを楽しみにテイスティングに来ています。選りすぐりのワインを集めることをうたったこのサロンには、フランスを中心とする340もの生産者が参加していて、高級な大手メゾンに加え、選び抜かれた若手の生産者のワインも味わえます。 グランド・テイスティングの入場料は一人あたり20ユーロ。入り口でリーデル社の美しいグラスを受け取ったら、あとは気になるスタンドへ向かって好きなだけテイスティングができるのです。ここではあえて地方ごとにブース分けせず、ボルドーのシャトーの隣にシャンパーニュといったように混ぜ合わすことで、先入観にとらわれないワインとの出会いを楽しめるように仕掛けていました。初テイスティングの私はフランスでのテイスティングの秘訣を教わりながら、千鳥足にならない程度に会場を進んで行きました。 ブルゴーニュの白、シャンパーニュ、ロゼシャンパーニュ、ボルドーの赤、ロワールの貴腐ワイン、コートダジュールの赤など、様々な種類を試させてもらいましたが、その中でも特に感動的だったのはアトリエ・グルメでのチーズとワインのマリアージュ。 グランド・テイスティングでは、アトリエ・グルメ、テロワール講座、マスター・クラスなど、様々なワークショップも用意されていて、私たちが入れてもらったアトリエ・グルメは、チーズとワインのマリアージュの会でした。ここでは、2種類のシャンパーニュと、アルザスワインを1杯、それにコンテチーズと青カビのロックフォールチーズとのマリアージュを楽しむというものでした。フランスが誇る選りすぐりのワインサロンの中で特にワインといったら!どれも目を見張るような美味しさでした。…