FOODEX JAPAN 2015

1

今年も3月3日~6日に、アジア最大級の食の祭典、FOODEX JAPAN2015が幕張メッセで開催され、7万7千人以上が来場した。FOODEXの期間中は全国各地の食材を扱う企業だけでなく、世界中から生産者や輸入業者達が集まってくる。巨大な会場内で味わえるのはおせち料理にチーズ、ワイン、生ハム、パン、お菓子、日本酒、焼酎、お茶に至るまで、ありとあらゆる種類の飲食物だ。フランスのブースではコート・ド・ブールの生産者たちが昨年に続いて来日し、賑やかなブースを出していた。
ワインを勉強していても、コート・ド・ブールと言われてどこ?と思う人もいるだろう。コート・ド・ブールはボルドー地方のAOCの1つで、有名なメドックの対岸となる、ジロンド川右岸に広がる地区だ。”The Spicy side of Bordeaux”を標語にしているコート・ド・ブールは、この地に固有のマルベックという品種をブレンドするのが特徴的で、マルベックがスパイシーな表情を与えてくれる。だが「スパイシー・サイド」というのは味わいだけにとどまらないの、とシャトー・メルシエのイザベルさん。「コート・ド・ブールは20代~40代という若い世代が戻ってきて、お互いに機械を貸し借りしあったりして助け合いながら、自分たちならではのスタイルを追求しているの。それもまたボルドーの中でひと味違ったスパイシーな側面なのよ。」シャトー・メルシエのワインはどれも口当たりがよくフルーティで、チキンなど、ちょっとスパイスの効いた洋食のお供に最適だ。

[pro_ad_display_adzone id=”1569″]

foodex2015_2  foodex2015_4

今年初来日したというシャトー・グロ・ムーランのレミさん。地区全体で30haしか白ブドウの畑がない中、あえて白ワインも生産するという彼はこだわりの生産者。特に思い入れのある赤ワイン”Per Vitem Ad Vitam ペール・ヴィテム・アド・ヴィタム 2012″はコート・ド・ブールでは珍しいカベルネ・フランを60%使用。カベルネ・フランもその味わいが好きで栽培しているという。「ペール・ヴィテム・アド・ヴィタム」を口に含むと一言では言い表せない豊かな味わいが広がっていく。やわらかく、まろやかで複雑に味わいが変化していき、余韻もやわらか。ワインのみで充分味わい深く、他と合わせなくてもよいので、アペリティフや、一人で飲みたい時にもおすすめだ。今年も来日したコート・ド・ブールの代表格、シャトー・マルティナのステファンさんが造る赤ワイン、”Château Martinat シャトー・マルティナ 2012″はさすがマルティナ、と頷かせる味わいだ。ボディがしっかりして深みがあるが、フェミニンな側面もあり柔らかさも感じさせる。「2013年は雨が多くて大変な年だったから、結局マルティナ自体を造らないことに決めたんですよ。1つだけ質がガクンと下がったものを出すなんて嫌だから」とこだわりを見せるステファンさん。シャトー・マルティナのワインは日本でも手に入り、フレンチビストロのオーバカナルでも味わえる。

foodex2015_5  foodex2015_6
南仏、ラングドック地方のワイン生産者、ファミーユ・ファーブルのクレマンスさんは半年前に家業を継ぐことにしたばかり。「これまではね、ベトナムとか、アジア各地のフランス食品振興機構で働いていたんです。でも自分の家のワインも広めなきゃって戻ってきたんですよ」と笑う。ファミーユ・ファーブルのロゼ、”Château de Luc シャトー・ド・リュック” は、肌色に近い薄い色のロゼワイン。「タンニンをできるだけ少なくしたかったから、ワインに色がつくのを最小限におさえたんです。」このロゼはピーチや熟した洋梨の香りが豊かで、非常にフレッシュ。心地よいアロマでさっぱりしており、サラダや鶏肉などに合わせやすそうだ。品種はグルナッシュとサンソーが約半々。おすすめの赤ワイン”Fabre Gasparets ファーブル・ガスパレット 2011″は、厳選された区画のブドウのみを使用。ファミーユ・ファーブルは1991年から全ての畑を有機栽培にし、ラングドック地方でもビオの先駆なのだという。このワインは口に含むとブドウが非常に凝縮された感じで、こくがあり、リッチな味わいがある。タンニンもわりとしっかりしているが重くはなく、余韻も長く愉しめる。ラングドック名物のカスレや、ジューシーなステーキ、ブルーチーズによく合いそうだ。

foodex2015_7

今年のFOODEXの中で特に力を入れていたイタリアブースは、来場者が楽しめる料理のデモンストレーションやセミナーも充実。その一画、国際カフェティスティング協会(IIAC)のブースではイタリアンコーヒーセミナーも。存在感あるエスプレッソマシーンの前で、協会認定講師の横山さんがエスプレッソとは何かを解説。エスプレッソの本場イタリアでは、5種類以上のコーヒー豆をブレンドし、機械で圧力をかけて20~30秒の早さで抽出したものを指すそうだ。良いエスプレッソの上にはクレマと呼ばれるきめの細かい泡のような部分があり、この部分が簡単に壊れず、砂糖が上にのるくらいしっかりしたクレマがつくれると上出来なのだそう。素晴らしいエスプレッソの色はヘーゼルナッツカラーと呼ばれ、ドングリの色を明るくした、オレンジに近いような色になる。エスプレッソはたっぷりと砂糖を入れることを前提にした飲み物で、ビターチョコレートのような甘苦さを愉しんでこそ。甘苦さを愉しむコツはスプーンで30回かきまぜることだそう。バリスタが淹れたエスプレッソを口に含むと驚く程コクがあって味わい深く、こんな味わいに日本でも出会えるのかと目を丸くしてしまう。

foodex2015_8 foodex2015_9
FOODEXには世界中の食品や飲料が集まり、ブースも各自趣向を凝らしているため、各国の食文化も垣間みれる。中国からは著名な茶人が来日し、舞踏のような動きでダイナミックにお茶を入れる太極茶道や、美しい歌を口ずさみながら艶やかにお茶を淹れる禅茶を披露。美味しいもののまわりには豊かな時間が流れ、一人でも多くの人にそんな時を提供しようと、世界中の生産者が日々情熱を傾けている。世界の文化を知るために、食文化やお茶文化から入っていくのはどうだろう。毎年3月に開催されるアジア最大の食の祭典、FOODEXは国際理解を深めるため場としてもおすすめだ。

※シャトー・メルシエ Château Mercier、シャトー・グロ・ムーラン Château Gros Moulin、ファミーユ・ファーブル Famille Fabreは日本への輸出先を探し中

Share.

Un commentaire

Leave A Reply

*