「ブルゴーニュのクリマ、テロワールの究極の表現」ブルゴーニュワイン、プルミエ・クリュ

0

6月6日、東京の八芳園にて、「ブルゴーニュのクリマ、テロワールの究極の表現」というテイスティングイベントが開催された。提供されるのが全てプルミエ・クリュのワインという贅沢なイベントで、8種類の異なるワインのテイスティングとともに、ブルゴーニュワイン委員会の方がそれを生み出すクリマについて説明してくれた。

ブルゴーニュワインにおける「クリマ」という表現は、フランス語における「クリマ(気候)」とはまた別のニュアンスを持っている。ブルゴーニュのクリマとは、ブドウを生産する小さな区画のことであり、それぞれが異なるテロワール、つまり土壌や細かい気象条件、丘の傾斜度合や日照量の違いを持っている。ブルゴーニュワインの歴史は古く、2000年以上前からワイン造りが行われており、それぞれのクリマはその土地にまつわるストーリーに由来した名前を持っている、とブルゴーニュ・ネゴシアン連盟のジャン=フランソワ・ジョリット氏。愛に関する名前もあれば、家族の名前、シャブリのグルヌイユ(蛙)という名のように、動物を表す名前もあるという。

表の中の細かい区画がそれぞれ異なるクリマ(ニュイ・サンジョルジュ)

複雑さで知られるブルゴーニュでは、AOCの数は100にものぼるが、基本的に赤ワインはピノ・ノワール、白ワインはシャルドネ、と単一品種を使用する。ボルドーのように数品種をアッサンブラージュ(瓶詰めの前にブレンドすること)はしないから、それだけで他社との違いを出すことは簡単なことではない。同じ品種を使っていてもはっきりとした個性を持った味わいが出せるのは、微妙に異なる気象・土壌条件をもつクリマと、ワイン生産者の努力がかけ合わさってのことなのだ。

このイベントでは華道家・フラワーアーティストの木村貴史さんが、それぞれのワインの味わいにインスピレーションを受け、その味わいや雰囲気全体を華道で表現してくれた。ジャン=フランソワさんによると、ブルゴーニュワインと日本の伝統文化、華道には共通点が多いという。ブルゴーニュワインはそのクリマが育むブドウの味わいを最大限に表現できるよう、人々がそれに手を貸してワイン造りを行ってきた。日本の華道も同様に、大地が育む植物の力強さを生かして自然の姿を表現するという点で、通じるものがあるという。偉大なワインがクリマの力だけでは生まれないように、華道の芸術作品もまた、花さえあればそれだけで作品として完成するわけではないからだ。

試飲した2014年〜2016年産の素晴らしいプルミエ・クリュのうち、特に印象的だったのはジャン・クロード・ボワセの赤ワイン「シャンボール・ミュジニィ・プルミエ・クリュ、レ・シャルム2016  Chambolle-Musigny Premier Cru, Les Charmes」。2016年は考えうる悪天候全てがブルゴーニュを襲った年であり、このワインは900本しか生産されていないという貴重なワイン。とはいえ悪天候で栽培されたとは思えないほど香り高く、味わいも非常に繊細でエレガントで軽やか、これぞピノ・ノワールという感じ。柔らかさの中に少し土っぽさも感じられ、アスパラのような少し土っぽいニュアンスのある料理ともよく合っている。2016年のワインだが、余韻がすでに長く、これからもっと力強い味わいになりそうだ。

 

 

2〜3年前に生産されたブルゴーニュワインにはまだ若さが感じられるものもあり、あと数年待つとどれほど花開くのだろうと思わされる。プルミエ・クリュは生産されてから7年くらいは待つのがよいそうだが、実際には産地でのストック量に限りがあるため、2−3年で売ってしまうことが多いという。では購入者がそれから数年待って飲むのかと言われると、ブルゴーニュワインの生産者ですら「個人でストックしていると、若いのがわかっていても、誰かが来たときについ開けてしまう」と笑う。しっかり熟成させたければ自分の手元に置いておかず、信頼できる親や知人に預けるのが一番という声も。フランスでも1本60ユーロから100ユーロというブルゴーニュのプルミエ・クリュは簡単に買えるものではないが、買ったからにはしっかりと熟成させて特別なときに楽しみたい。次のフランス旅行の際にはフランス旅行の際にはまだ若くて信頼できるブルゴーニュのプルミエ・クリュを購入し、日本でしばし熟成させてみるのはどうだろう。

関連記事
ブルゴーニュ地方のワイン
日本とブルゴーニュの素敵な関係
ブルゴーニュ地方、コート・ド・ニュイのワイン産地ツアー体験

Share.

Comments are closed.