Browsing: シャンパーニュ

10月5日、東京の西麻布にて、シャンパーニュ・マスタークラスが開催された。シャンパンという愛称で親しまれているシャンパーニュは、フランス北部のシャンパーニュ地方で伝統的な製法で造られた発泡性ワインのみを指す。使用可能な品種はピノ・ノワール、ピノ・ムニエ、シャルドネの3種類のみで、主にモンターニュ・ド・ランス、ヴァレ・ド・ラ・マルヌ、コート・デ・ブランの3つの地区で生産されている。 今回のマスタークラスは、その中でもヴァレ・ド・ラ・マルヌの多様性を知るというもの。マルヌ川沿いに広がるヴァレ・ド・ラ・マルヌは、黒ブドウのピノ・ムニエの栽培が盛んな地域。生産者も数多く来日し、解説と細やかで的確なテイスティングを行ったのは銀座レカン、シェフソムリエの近藤佑哉さん。シャンパーニュの3つの品種のなかで「シャルドネは凛とした酸、ピノ・ムニエはまろやかさ、ピノ・ノワールはストラクチャーが特徴的」と近藤さん。各メゾンのブレンド比率を見ると、生産者の方向性がわかるという。 ここでは12種類のシャンパーニュを試飲した中で、特に印象的だった3種類をご紹介したい。シャンパーニュ・フィリップ・デシェル Champagne Philippe…

お祝事の時におなじみのシャンパンの正式名称は「シャンパーニュ」。シャンパーニュはこのスパークリングワインを製造しているフランス東部の地方名でもあり、ワイン名でもります。シャンパーニュ地方はパリから車で2時間程度。2つのシャンパーニュ・メゾンの製造 過程を見学しながら製造方法をご紹介します。 そもそもシャンパーニュというのは他のスパークリングとどう違うのでしょう?フランスには厳格な品質基準のAOC表示というものがあり、製法や地域、材 料などが明確に定められ、それを満たしている場合にだけこの表示を獲得することができます。これはカマンベール地方でつくったチーズだけをカマンベール・チーズと呼ぶことができるのと同様に、他の地方でつくった発泡のワインは、似た味がするからといって、シャンパーニュと呼ぶことはできないのです。 シャンパンは、フランスのシャンパーニュ地方でつくられた発泡性ワインのことで、ブドウの品種もピノ・ノワール、ピノ・ムニエ、シャルドネと、…

ラ・メゾン・シャスネー・ダルスはシャンパーニュ地方南部、コート・デ・バールに位置するシャンパーニュメゾン。1956年に創られたコーペラティブのメゾンで、130以上のブドウ農家が協力しあって、高品質のシャンパーニュを生み出している。コート・デ・バール地区は黒ブドウのピノ・ノワールが約90%を占めており、繊細さとフルーティさが特徴的なシャンパーニュが生み出される。 より多くの人にシャスネー・ダルスの製品を知ってもらおうと、今年の10月初旬、パリのシャンゼリゼの68 Guy Martinというレストランで、シャンパーニュと料理とのマリアージュの会が開催された。メインからデザートまで合わせるものは全てシャスネー・ダルスのシャンパーニュ。前菜のメカジキのグリルには「ヴィンテージ ブリュット ミレジメ Vintage…

ルイ・ヴィトンやシャネルのように、シャンパーニュはグラン・メゾンやブランドにしっかりと保護されている高級品だ。シャンパーニュは特に輸出向けに高価格で販売されている。偉大な年のミレジメ(ヴィンテージ)のシャンパーニュを除き、グラン・メゾンは醸造家とともに、毎年異なる収穫年や異なる畑のワインをアッサンブラージュさせて同じ味わいをつくるよう心がけている。各社はそれぞれシャンパーニュに糖分を加える「門出のリキュール」の調合等、企業秘密を持っている。フランスでの競争にさらされたグラン・メゾンは一層の利潤を追求し、アジアへ輸出する傾向がある。輸出量の90%はグラン・メゾンのシャンパーニュが占めている。 シャンパーニュにある300のメゾンのうち、LVMHグループに属しているモエ・ヘネシーのような巨大企業が有名だ。 他には シャルル・エドシック クリュッグ…

サン・テミリオンがフランスのワイン産地として初めて世界遺産として登録されたのは1999年のこと。今年1月、フランス政府はブルゴーニュのブドウ畑と丘陵地帯、シャンパーニュのメゾンやカーヴをユネスコの世界文化遺産リストの候補地として挙げた。フランス文化省はこの2地域はユネスコの世界遺産委員会によって2015年に審査予定だと述べている。「ディジョンの街とボーヌ(コート・ドール)の街と縁の深いブルゴーニュのブドウ畑のクリマは、特徴的なクロや建造物とともに文化遺産の候補地となるだろう」と文化省。 ブルゴーニュのブドウ畑は沢山のリューディや多様性に富んだ日照条件や土壌の異なる区画が特徴的で、それらがブドウ品種の個性を引き出し、ブルゴーニュワインの国際的評価を高めている。低い壁で区切られたリューディや畑の小区画はクリマと呼ばれる。 シャンパーニュの丘陵地帯やメゾン、シャンパーニュを生産している村々、醸造所や地下カーヴの数々は文化遺産の中の文化的景観というカテゴリーの候補地となるだろう。

フランス、シャンパーニュ地方のワイン生産の歴史は古く、2千年前にローマ人達がブドウの木を植えたのが始まりだ。では発泡性のシャンパーニュを生み出し たのは?ブルゴーニュで偉大なワインを造り出していった修道僧同様に、シャンパーニュでもドン・ペリニョンという修道僧(1639−1715)が活躍。彼 は醗酵の仕組みを習得し、糖分を含んだ門出のリキュールを加えることで発泡を促した。特にドン・ペリニョンの功績としては、最良の白ワインを生み出すため に黒ブドウ(ピノ)と白ブドウ(シャルドネ)を圧搾機でアッサンブラージュしたことが挙げられる。アッサンブラージュというのは醸造家の崇高な行為だとい える。…

淹れたての珈琲というのは大抵それなりに美味しいものだ。だが少し時間がたつと味はすぐに変化する。冷めても美味しいという珈琲には滅多にお目にかかれな い。ワインだってもちろんそうで、それがスパークリングワインなら尚更だ。しっかりと冷やされた始めの一口はまあいけるかな、と思っても、グラスに残った 液体が最後まで美味しいことは滅多にない。 だがここのシャンパーニュは別物だ。グラスから溢れるレモンやグレープフルーツの香り、口一杯に広がっていくフレッシュな酸味。軽やかでさわやかな余韻 が口の中に心地よく残ってくれる。グラスの底からどこまでも立ちのぼる美しく気品のある泡。午前中私たちが試飲をしたグラスにはまだ少し液体が残り、テー…

一口にシャンパーニュ、と言っても飲み比べると、どれも味わいが違って奥深い。日本には約300種類のシャンパーニュがあり、そのうち25種類をゆっくりと味わってみようというのがシャンパーニュ・アカデミー。プロではなく、消費者がもっとシャンパーニュのある暮らしを楽しめるようにという目的の講座の様子を伺った。 雨の降りしきる東京の午後、ホテル・ニューオータニの庭園に面したフランス料理店に集まった女性たちが、じっくりとシャンパーニュのグラスを眺めている。10月5日はシャンパーニュ委員会日本事務局主催の「シャンパーニュアカデミー基礎クラス」の1日目。高級フランス料理店、トゥール・ダルジャンが会場という優雅な会では、参加者たちが、沢山のグラスを前に真剣な表情で色合いを眺め、口に含んで味わいを表現し、味わいをメモしている。 このアカデミーは今年で13回目を迎えている。「日本にはソムリエやワインエキスパートの試験に合格するためのコースはいくつかあっても、プロでなく消費者が賢くシャンパーニュを楽しむためのクラスというのがなかったんです。このアカデミーはあくまでも消費者のためにつくられていて、次の3つのポイントを大事にしています。1つ目は銘柄から自由になり、それぞれの味わいを楽しむこと。2つ目はシャンパーニュが温度の変化や料理との組み合わせでいかに味わいが異なるかを知ってもらうこと。3つ目はプロのようにではなく、自分の感覚を大切にして味を表現すること」とシャンパーニュ委員会代表の川村玲子さん。各回につき5銘柄、全5回で25銘柄を楽しめるこのアカデミーは、シャンパーニュ好きに愛されており、もう6回目だという方も。いくら好きでも高くてなかなか買えないシャンパーニュをこうして沢山試すことができるのも、アカデミーの人気の秘訣。それでもシャンパーニュには5千社があり、1社2銘柄だとしても1万くらいは種類があるので全て試飲しようと思うと途方に暮れそうだ。 コースはトゥール・ダルジャンのソムリエ、森覚さんによるシャンパーニュの説明で始まった。シャンパーニュというワインは次の3つの条件を満たしていないとシャンパーニュいう厳しい品質表示を許可されないという。1つ目に、フランスのシャンパーニュ地方で造られている発泡性のワインであること。2つ目に限定されたブドウの品種を使用すること。3つ目にシャンパーニュ方式の醸造法で造られていること。 シャンパーニュになるぶどうは全て手摘みで収穫され、いい部分だけが出て来るように贅沢に圧搾される。搾られたブドウは、イースト菌や酵母を入れて畑や品質ごとにタンクで一次発酵される。次に、アッサンブラージュといって、異なる畑、品種、や収穫年のワインをブレンドする。シャンパーニュは他のワインと違い、基本的には2−3年分のワインを調合してそのメゾンにあった味を調合するのが特徴的だ。ここでどんな味わいが出せるかが各メゾンの腕の見せ所。アッサンブラージュのあとは、酵母と糖分を加えて瓶詰めする。…