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You are at:Home»パリのカフェ文化»今日のパリのカフェ»ドゥ・マゴのギャルソン レーモン・コスト氏 garçon de café au café Deux Magots

ドゥ・マゴのギャルソン レーモン・コスト氏 garçon de café au café Deux Magots

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By Miki Iida on 30 mars 2016 今日のパリのカフェ, 芸術家が集ったカフェ

 レーモン・コスト氏はパリのカフェのギャルソンの、今日に残るシンボルともいえる人物。かつてカフェでは、全てのギャルソンは同じ制服を着用していました。彼らにとっての黄金律、それはお客さんにサービスし、気配りをすることだったのです。

 人を茶化したなヒゲ、オーベルニュ地方の方言と彼の優しさが、給仕長としての人物を形作っています。年が経っても、彼のこの仕事に対する誠実さは変わりません。彼の名刺には両面に「ギャルソン」と書かれているのです。表面はパリのドゥ・マゴ用に、そして裏面は東京の仲間達用につくられた名刺です。

 カフェのギャルソンになるまで

 アヴェイロン地方の9人兄弟の長男だったレーモン・コストをドゥ・マゴの象徴、そして特に日本への大使として宿命づけていたものは何一つありません。彼は家族の農場にとどまるよりは、とパリへ来ることを選んだのです。アヴェイロンのコスト家の近くに土地を持つ、現在のウェプレールの主人であるミシェル・ベシエール氏が、レーモンがパリに到着した時に迎えに来てくれた人物でした。レーモン・コストはウェプレールでカフェの仕事における全ての役割を学んでいったのです。その後彼はドゥ・マゴの現在の主人、ルネ・マティヴァに呼び寄せられるまで、カフェ・ド・ラ・ペで働きました。「私はマティヴァ氏に雇われた最後の人物なんです。ここでは今でも30人ものギャルソンが働いています。」

ドゥ・マゴ東京の大使として

 彼の顔つきと交際のセンスによって、レーモンは機会があるごとに、ドゥ・マゴを外の世界に伝える人物となりました。これは特に文学の祭典の時に言えることです。彼は日本人が東京に同様の事業をおこすためにドゥ・マゴの名称を買い取った時にも力を発揮しました。レーモンは東京で日本人のギャルソンにフランス流のサービスの手ほどきをするために2ヶ月を過ごしたのです。

 デリケートで形式を重んじる日本人が、研修のためにレーモン達を呼び寄せたのは、まさにドゥ・マゴがサービスというものや伝統の尊重という確かな価値をもった最後の存在だからと言えるでしょう。

costes1

 ドゥ・マゴ流のサービスの一例を挙げてみましょう。ウィスキーやボルドーワインをグラスで注文すると、ギャルソンは あなたにサーブするトレーの上に瓶ものせてくることでしょう。この種のサービスは、彼らが頼んだものをちゃんとお客さんに出しているという保証でもあるの です。そして、目の前でグラスにそのワインを注いでくれるのです。こういったサービスをしてくれる店はパリにはもうあまり残っていません。とはいえ、この サービスは価格にも反映されています。エスプレッソが4ユーロで、キールが7ユーロというのは、誰にでもすぐ手が出るような値段とはいえません。「この価格だから、お客はとっても要求が多いんだ。」

 会計の時になって一目散に逃げ出す人だっています。そういう時、レーモンはサン=ジェルマン・デ・プレ広場を走らなければなりません。ここでは親密さはもう通用しません。「ここではお客さんと握手することも滅多にないんだ。」レーモンは目配せすべき人が誰なのかも知っています。

 それから、尊重すべき無言の規則もあるわけです。「もしあなたが午前にある女性と一緒にいるお客さんを見て、彼が夕方違う女性とまたカフェに入って来たら、彼にこういいたい気持ちをぐっとこらえるべきでしょう。『あら、また来てくださったんですか。それで、今朝の女性とはどうなったんですか?』ってね。」

 もちろん心を揺さぶられる瞬間も。ロシア人のカップルが彼らの結婚20周年を祝いに来た時、レーモンを一目見て飛んできたのです。というのも彼を見た時、彼はかれこれ20年もここで働いているのだとわかったからです。また、大晦日の夜に、女性と19時に待ち合わせをしていた男性客がいました。女性は彼をずっと待たせ、お客は真夜中まで注文をし続け 、何かを食べていました。ついに、彼はレーモンにフィアンセのために持って来た毛皮のコートを渡して立ち去ったのです。

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