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ボルドーのアントル・ドゥー・メールに位置するヴィニョーブル・デュクールは1858年から続く歴史あるワイン生産者。家族経営で代々続き、ジョナタンさんは6代目にあたる生産者。ヴィニョーブル・デュクールと日本とのつながりは深く、日本には40年ほど前から輸出をし、ジョナタンさんはコロナ前は年に2回も来日していたという。 6世代続くとはいえ、規模が大きくなったのは祖父、アンリ・デュクール氏の代からだ。近くの畑やシャトーを購入し、叔父も叔母もワイン生産に参加した。そのおかげで今ではボルドーに450haに及ぶブドウ畑と14のシャトーを所有。ヴィニョーブル・デュクールはボルドーで最大規模の家族経営企業のひとつである。 ソービニヨン・ブランの畑を見せながら、ジョナタンさんは気候変動の影響について教えてくれた。今年のボルドーは約2ヶ月にわたって雨が降らない日が続き、土の表面はカラカラに乾いているため、土を触るととても硬い。今年のフランスは日照りが問題になっており、ボルドー付近では山火事が起こり、パリでも街路樹の葉が7月にすでに散り始めている。日照りが続いても、しっかりと根を張ったブドウの樹は、表面ではなく地下の水分を吸い取ることができるが、問題は樹齢5-6年くらいの若いブドウの樹だ。若いとまだ根が表面にあり、表面には水が少ないため上手に育つことができないという。 また、温暖化により冬の気温があまり下がらないため、ブドウの樹がしっかり休めなくなってしまった。しっかり冬眠できないため、普段よりも早く芽がでてしまい、そこに霜の被害が来ると危険性がかなり高い。 ヴィニョーブル・ドゥクーには大規模な瓶詰め工場もあり、瓶同士がぶつかり合う激しい音のなか、1時間に5400本ものワインが瓶詰めされている。広大な敷地を持つため、瓶詰めしたワインを数年寝かせておく余裕があり、赤ワインは3−4年寝かせてから出荷するという。…

こんなにも美味しいボジョレーがあったのか、と口に含んだ瞬間に驚きで顔がゆるんでしまう。フローラルな香りの後、口に含むとボジョレー特有のフルーティさにさわやかさ、その後は繊細で優しい余韻がずっと残る。なんとなく慣れ親しんだ「ボジョレー」のイメージを見事に覆してくれる、マノワール・デュ・カラの素晴らしいボジョレーのクリュ。こじんまりした試飲ルームには多くのメダルやトロフィーがところ狭しと並びます。それもそのはず、こちらのボジョレー、どれをとっても味わいが格段に違うのです。 マノワール・デュ・カラは1850年から続くドメイン。日本に輸出しているボジョレー・ヌーヴォー以外にも、ボジョレーの4つのクリュのワインを生産しています。このドメインの5代目となる生産者、ジャン=フレデリック・サンバルディエさんのこだわりは、クリュ用のブドウの房部分の約3割を取り除くこと。ボジョレーではボジョレー・ヌーヴォーでもクリュでも基本的にはガメイ種を用い、他の地方とは違って房ごと使用します。「ボジョレー・ヌーヴォーの場合はブドウを房ごと浸けておく期間が短いから、草っぽい味が出ることはありません。でもクリュの場合は草っぽい香りがする可能性があるから取り除くようにしてるんです。」 来年の4月まで寝かせるクリュとは違い、ボジョレー・ヌーヴォーは10月末には全て瓶詰めされて日本やアメリカに運ばれます。こちらのヌーヴォー、「ダム・ナチュール」は特別感のあるヌーヴォーで、瓶の開口部に赤いロウのようなものが塗られ、一本ずつ番号がふられています。ほとんど酸化防止剤も入れずにつくったという醗酵中のボジョレーを一口試飲。さわやかでボジョレーらしいフレッシュな味わい、後味はすこしハチミツのような甘みがあります。このボジョレー・ヌーヴォーは成城石井などで買えるそう。特別感のあるヌーヴォーを試したあとは、驚きのクリュを是非お試しあれ。 マノワール・デュ・カラの取り扱い店 Où acheter…

大きな倉庫のように天井の高い醸造所にはコンクリートタンクがいくつも並び、一歩足を踏み入れると醗酵の香りに包まれます。今年の収穫はもう終えたというラフォンのボジョレーは、タンクの中でマセラシオンの真っ最中。 「僕の仕事は人に喜びを与えることなんです」とワインを愛しそうに見つめながら語るティリー・ラフォンさん。彼のワインはパリのビストロでかなり有名な存在ですが、それは並々ならぬ努力があってこそ。「僕はボジョレーに住んでいるけど、パリには2週間に1回行っています。週末に車にワインを積んでレストランをまわるんですよ。帰ってくるといつもへとへとになってます。ワイン生産の仕事とは全然違いますからね。でもちゃんとパリのことを理解して、時間をかける必要があるんです。」ボジョレーからパリまでは車で片道約3時間。こんな努力を地道に続ける生産者は非常に珍しいものです。その努力の甲斐あってこそ、自分のワインを多くの人に飲んでもらえる。遠くを見つめるような彼の眼差しの向こうには、いつだってレストランでワインを楽しむ人々の姿が映っているのでしょう。 [pro_ad_display_adzone id= »1569″]…