Browsing: イタリアワイン

6月19日、ペニンシュラ東京にてキアンティ・クラッシコのプレスイベントが開催された。解説を務めたのはキアンティ・クラッシコ協会 マーケティング・コミュニケーション マネージャーのシルビア・フィオレンティーニさんとキアンティ・クラッシコ アンバサダーの宮嶋勲さん。 イタリアのワインの中でもトップクラスの知名度を誇るキアンティ・クラッシコの特徴は、どんな食事にも合うということ。心地よい酸とミネラル感があり、タンニンも柔らかいため、自己主張しずぎず料理の良さを引き出してくれる。前菜からメイン、魚料理に至るまで、これ1本で楽しめるという優れもの。…

11月25日、東京、茗荷谷のタンタ・ローバにて、ピノ・グリージョ DOCデッレ・ヴェネツィエのペアリングセミナー&テイスティング会が開催された。ピノ・グリージョはフランスではピノ・グリと呼ばれる白ブドウ。世界のピノ・グリージョのうちイタリアの生産量は43%を占め、DOCデッレ・ヴェネツィエは世界最大のピノ・グリージョの産地。グリージョというのはイタリア語で灰色という意味で、灰色がかったピンク色の果皮に由来している。 ピノ・グリージョには2つのタイプがあり、フランスのアルザス地方では遅摘みのリッチなワインが造られる。それに対してイタリアのトリ・ベネトと呼ばれるトレンティーノ自治県、フリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州、ヴェネト州では、早摘みでフレッシなワインが造られている。ピノ・グリージョは成熟時に急速に酸が失われるという特徴があり、早く収穫することにより、すっきりした酸味のあるワインに仕上げることができる。 このイベントはイタリアのDOC デッレ・ヴェネツィエ保護協会が主催した。当協会は在日イタリア商工会議所による本格イタリアンの品質認証マークのAQI認証(Adesivo…

11月21日、東京、麻布十番のリストランテ・ディ・ジョルジョにて、ヴィーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチアーノの特別ランチ会が開催された。イタリアワイン ジャーナリストの宮嶋勲さんの解説のもと、ヴィーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチアーノ協会が用意した数多くのワインを試飲できる素晴らしい会だった。 ヴィーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチアーノは、イタリア、トスカーナ地方のフィレンツェやシエナより南の産地で造られている。同じトスカーナワインのキャンティ・クラシコは年間3600万本生産されているのに対し、こちらの生産量は年間700万本でブドウの栽培面積は約1300ヘクタール。ワイナリーは78軒と少なめだ。宮嶋さんの印象ではそんなに沢山あったかな?というくらい、こじんまりした産地だそう。 ヴィーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチアーノは16世紀頃からその高貴な品質が知られ、アメリカ大統領のトーマス・ジェファーソンも名指しで注文するなど、多くの偉人に愛されてきた。現在の品種規定は、サンジョベーゼを最低70%使用、残りはカナイオーロやコロリーノなどの土着品種、カベルネやメルローなどの国際品種の使用が可能となっており、最低2年は熟成させる。 宮嶋さんによれば、現在のヨーロッパでは「サスティナビリティ」は重要な合言葉であり、ワインからファッションに至るまで、避けて通れない用語だそう。生産者のうちの70%以上はすでにサスティナビリティ・プロジェクトに投資しており、太陽光発電にも取り組んでいる。そんなサスティナビリティの先駆者の生産者、サルケートはこだわりが強く、電線すらないという。こちらのワイン、Salcheto…

10月31日、ペニンシュラ東京にて、キャンティ・クラシコのマスター・クラスが開催された。解説はイタリアワイン界の巨匠、宮嶋勲さん。よどみなく流れる関西弁で溢れるほどの知識を伝えてくれた。キャンティはイタリア、トスカーナ地方のフィレンツェと、カンポ広場で有名なシエナの間にまたがるワイン産地。 キャンティの特徴は生物多様性の豊かさで、7万ヘクタールの土地のうち、ブドウを栽培しているのは1割程度。約7割は森林で、オリーブ栽培なども盛ん。そのため他のワイン産地と異なり、あたり一面がブドウ畑という光景ではなく、オリーブや糸杉など、さまざまなモザイクがあり、まさに絵葉書のような美しさが広がっている。トスカーナはルネッサンスの時代、美しい風景を人工的に作り上げてそこに暮らすという熱狂があり、そのおかげで今でも感動するような光景が残っているという。 キャンティ・クラシコはトスカーナ地方のキャンティで生産されるワインのことで、黒ブドウのサンジョベーゼを80%以上使用。それ以外の20%はどんな品種を使用してもよく、サンジョベーゼ100%のこともある。キャンティはバローロやバルバレスコを生産するランゲ地区同様に、イタリアで最も優れたワイン産地として知られている。とはいえその名前にあえて「クラシコ」という名称をつけるのは理由がある。キャンティのワインはかつてから良質であることが知られ、もともと京野菜が京都産の野菜であったように、キャンティもその土地で生まれたワインを指していた。ところが知名度が上がるにつれ、大阪や滋賀産の京野菜ができてしまい、本家本元の京野菜が困ったといった感じで、キャンティと名乗る地区が広がりすぎたたため、本家本元の地区は「キャンティ・クラシコ」とあえて名乗ることになったという。 キャンティ・クラシコには3段階のレベルがあり、通常のものが「キャンティ・クラシコ・アナータ」で12ヶ月熟成。その上の段階の「リゼルバ」は最低24ヶ月熟成で、3ヶ月はボトル熟成。頂点に位置するのが「グラン・セレチオーネ」で、自社畑のブドウのみを使用し、30ヶ月以上熟成させ、3ヶ月ボトル熟成させる。 ワインではテロワールという言葉が重要だが、「テロワールというのは土壌や気候に限ったことではなく、作り手の共同体としての感性やセンスも表れるもの」と宮嶋さん。フィレンツェは貴族的で気位の高い人が多く、キャンティ・クラシコの造り手もフィレンツェの人が多い。だからこそキャンティ・クラシコにはあか抜けた雰囲気や優美さが感じられるという。…

11月1日〜2日、東京、浜松町で第11回イタリア料理専門展、ACCI Gustoアッチ・グスト2022が開催された。イタリアの食に関する企業やイタリア料理のシェフが一同に会するこのイベントは、イタリア好きにとっては至福の時間で、新たな発見に満ちている。 会場にはパスタや生ハム、チーズ、ワイン、コーヒー、オリーブオイル、ジェラートなどを扱うブースが並び、本格的に調理したイタリア料理も味わえる。刺激に満ちて心もお腹も満たされるアッチ・グスト2022で出会った逸品をご紹介したい。 アッチ・グストでは例年、絶品のナポリピッツァが味わえるが、それは業務用のピッツァ用石窯や、急速冷凍庫などを開発するツジ・キカイのブースのおかげ。生地がカリッと焼き上がり、ふんわりした味わいのナポリピッツァは、上火480℃、下火530℃の石窯に入れると、たった90秒で焼き上がる。絶品のピッツァを焼き上げる秘訣は単に優秀な窯だけにあるわけではなく、もちろん生地も重要だという。 生地はモンテ物産が扱っている、ナポリのカプート社のピッツァ生地を使用。週に3回ほどピッツァを食べる人が多く、ピッツェリアが立ち並ぶナポリにおいて、7割以上の店が使用しているのがカプート社の小麦粉だそう。日本の小麦粉と違い、小麦粉が粗いため、しっかり焼くと小麦の風味が出て非常に味わい深くなる。小麦粉から生地を作るのは熟練の技術が必要だが、すでに丸められた状態のカプート社の冷凍ピッツァ生地と石窯があれば、素人でも絶品のピッツァが作れてしまいそう。冷凍生地は12時間ほど常温で自然解凍後、発酵させて使用するため、夜のうちに出しておけば、ランチ時には使用可能。巷では冷蔵庫で解凍、発酵するものが多いそうだが、ナポリピッツァは高温で短時間で焼き上げることが重要で、短時間では中心が冷たいこともあるという。カプート社の生地は常温なのでその心配はなく、生地を伸ばしてソースや具をのせて焼くだけだ。ツジ・キカイの「イーナポリ500」はピッツァ1枚分が入る電気式のナポリピッツァ用石窯で、ピッツェリア、カフェ、バールなどで活躍。奥行きは60cmと小さく、絶品のナポリピッツァが簡単に焼けるため、他店と差別化を図りたく、メニュー開発に困っているカフェにおすすめだ。(税抜定価98万円)…