Browsing: ポールボキューズ 死亡

今年1月20日、ポール・ボキューズ氏が91歳で亡くなった。死因はパーキンソン病だ。ボキューズ氏は長年にわたり、世界中でフレンチの巨匠としてのイメージを具現してきた人物だ。ボキューズ氏といえば、ブレス鶏、バター、クリーム、トリュフが思い浮かぶ。 リヨンから7キロのコローニュ・オ・モンドールの代々続く料理人の子として生まれたポール・ボキューズ氏は、運命の恩寵を受けていた。1944年、ド・ゴール将軍の解放軍に参加した彼は18歳で死の淵をさまよった。負傷したボキューズ氏は、アメリカ兵たちの輸血によって助かり、彼らは彼の左腕に、フランスのシンボルであるガリアの鶏のタトゥを彫った。彼は生涯そのタトゥを大切にし続けた。 彼はリヨン地方の高名なシェフたちのもとで料理を学ぶ。女性で初めてミシュランの3つ星を獲得した「メール・ブラジエ」や、特にリヨンの南30キロのヴィエンヌにある「ピラミッド」のシェフで160キロの巨漢、フェルナン・ポワン氏のもとなどだ。ポワン氏は、上質な素材の使用やシンプルな盛り付け、ボリュームある料理などで知られ、現代のフランス料理の父と言われる人物だ。彼のもとで、ボキューズ氏はザリガニのグラタンや、スズキのパイ包み、ブレス鶏の袋焼きなど、彼のクラシックなメニューを身につける。 コローニュの家族のオーベルジュに戻ってから、この熱心なシェフは料理を近代化し、1959年に初のミシュランの星を獲得する。1961年にはフランス最優秀職人、MOFとして選ばれる。4年後にはミシュランの3つ星を獲得し、今日までそれを保ち続けることになる。 料理人たちがポール・ボキューズ氏をいかに尊敬し、賞賛のまなざしで見ているかを知るには、リヨンで開催されるホテル・レストラン業界国際サロンに行けばよくわかる。そこではアラン・デュカス氏や数々のフランス人シェフたちがボキューズ氏を取り囲んでおり、ボキューズ氏と面識のない若手シェフすら、彼を師としてあおいでいる。…