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アボンダンス修道院  同名の渓谷と修道院を起源とするこのチーズは、中世に誕生しました。12世紀に、アルプスの渓谷内でのチーズ生産の経済的価値を認識していた修道僧たちは、山の中腹の牧場の開拓を促しました。1381年にアビニヨンで新教皇の選挙会があった時、このチーズは名を知られるようになったのです。  アボンダンスは、45分間、50度を超えない温度で加熱された半生のチーズ。これにはアボンダンス種、タリーヌ種、モンベリヤード種の牛の乳を使います。臼型のチーズは直径38~43センチ、高さは7センチで重さは7~12キロ。熟成には3~6ヶ月かかります。年間約1500トンが生産されています。1990年にAOC品質表示を獲得しました。AOCの仕様書に応えるために、アボンダンスの生産者たちは一丸となって取り組みました。 [pro_ad_display_adzone id= »1569″]

スイスのエンム渓谷が起源のサヴォワのエメンタルチーズは、グリュイエールチーズの仲間。加熱され、プレスされて、中に穴があるチーズです。この歴史は中世にさかのぼり、フランスのエメンタルの中では一番の古株。とはいえ、真に生産が始まったと言えるのは19世紀になって、スイスからの移民がやって来てからだといえるでしょう。搾乳のあとに余った牛乳は、ヴァシュランチーズ(コンテとボーフォールの共通の祖先)の生産に役立ち、チーズ製造者の間で共通して行われてきました。  サヴォワのエメンタルは、サヴォワのチーズの中でも最大。70~80キロの臼型で、直径は75センチ、厚さは25センチ。1つの臼型を生産するのに千リットルもの牛乳が必要です。これは他のエメンタルよりもフルーティな香りがします。1年あたり、3千トンのエメンタルが生産されます。1996年からは、このチーズはAOCの恩恵を受け、端のところに赤いマークでサヴォワと印されてします。

ボージュ山塊の中に、タミエの大修道院が1133年に創設されて以来、トラピスト修道士たちはチーズを作り続けてきました。タミエはポー・ド・サルーというもう1つの修道院のチーズの別バージョンでもあり、こちらは 1860年頃に作られ始めたと言われています。アベイ・ド・タミエは火を加えた生地で、全乳でできています。これは1、4キロある臼型のチーズか、小さい600グラムのものがあります。小さいタミエは流通される1ヶ月前に熟成されます。臼型のものはもっと期間が長くなります。これはルブロションと色や質感がよく似ていて間違えやすいですが、味わいはずっと洗練されています。タミエは今でも修道僧が作っていて、1日に約400グラム生産されています。これは青い下地に、マルタの十字架を付けたパッケージで今でも有名。 [pro_ad_display_adzone id= »1569″]

僧侶達の推進の下、中世に山林の伐採が行われ、アルプスに牧場が出現した ことで、チーズ生産と多様な料理が評判になりました。チーズはサヴォワの人々 にとって貴重この上ない栄養源。チーズがあればこそ、彼らは冬を越すことが できるのです。とはいえ、長い間孤立していたサヴォワがチーズ産業でやって いけるようになったのは、鉄道の発展していった20世紀に入ってからのこと。…

ピコドンはオキシタン語で「小さい」を意味する「ピショ」に由来する、山羊の 生乳でできてるチーズ。直径は5~7センチで、重さは80~100グラム。山羊たちは 冬にはほとんど乳を出さないため、農家たちは山羊の乳をチーズという形で保存 することを考え出しました。このチーズに特徴的な味わいの、舌にピリっとくる 感じは、山羊の飼料や穀物などからきています。というのも、冬の天気の下では…

ブルゴーニュ地方南部に起源をもつマコネ・チーズは、 2005年にAOC品質表示を獲得しました。マコネはヤギの生乳でつくられた小さなチーズ。 歴史的に、このチーズはワイン畑での作業時の軽食として愛されていました。 ヤギの飼育は、マコネのワイン畑を開拓するときに一緒に行われるようになっていました。 クリーム色で、生地は滑らかでひきしまっています。…

アルザス・ロレーヌ地方で有名なチーズといったらこのチーズ。マンステールといって、 牛の乳で作られた、柔らかいタイプのチーズです。マンステールチーズの起源は、 シャルルマーニュの時代にさかのぼるという人もいます。というのも、修道士たちが この土地をキリスト教に改宗しにきた時に、彼らのチーズ製造法も伝えたからです。 チーズの製造法は、マンステールにつくられたアイルランド人の修道院に伝えられて…