Browsing: ロワール

ミュスカデという名を耳にしたことがあるだろうか。ミュスカデはロワール地方のミュスカデという地区で、メロン・ド・ブルゴーニュ(別名ミュスカデ)という白ブドウで造られた白ワイン。 ボネ・ユトーのミュスカデはエレガントで質の高さに驚かされる。40ヘクタールある畑は2005年からアグリクルチュール・ビオロジック(有機)への移行を始め、2010年には全ての畑がビオとして認定された。うち32ヘクタールがミュスカデ用にあてられている。 「ビオにしようと思ったのは、ビオのワインを試飲したとき、今まで求めていたけれど辿り着けずにいた質に出会ったからなんです。ワインのピュアさと繊細さをハッキリと感じました。醸造方法には自信があったのですが、どうしてそこに行き着かないのか疑問に思っていたんです」とジャン・ジャック・ボネ氏。これだ、と確信し、2005年には8ヘクタールをビオへと移行。「それがうまくいったので2006年には20ヘクタールに増やしました。質も良くなり、どうしてもっと前からやらなかったんだろうと思いましたよ。ミュスカデには背中を押してくれる人たちがいて、当時ビオ農家は6軒くらいだったのが、今では15軒に増えました。ミュスカデのビオは不可能ではないともっと伝えていきたいですね。」 現在のボネ・ユトーではビオより厳しいビオディナミという方法を実践。畑にはチョウチョが舞い、鳥の鳴き声が聞こえてくる。固い黄土色の土を手のひらにのせ、「ここはグラニットという土壌で、ミネラルが多いワインに向くテロワール。メロン・ド・ブルゴーニュはミネラル感を表現するのに向いたワインなんです」と教えてくれる。「土にできる限り空気が入り、呼吸できるように心がけています。でも40ヘクタールもビオディナミをするのは大変ですごく時間がかかります。できればあと10ヘクタールくらい減らしたいんです。」ミュスカデではボネ氏のように、大きな畑を所有していても、栽培面積をあえて減らそうとする人たちがいる。AOCミュスカデを名乗るには、この地区での瓶詰めまで義務づけれているため、できたワインのみを輸送し、他地域で瓶詰めすることができない。それ故収穫量が多すぎると、瓶詰されたワインのストック過剰で困ってしまうという。ミュスカデはフレッシュさをウリにした早飲みタイプのワインという印象を持たれているため、ボルドーのように熟成で価値が上がると認識されていないのが現状だ。それに対し、ボネ氏は、「メロン・ド・ブルゴーニュは単一で多様な味わいを表現できる品種であり、うちのワインは10年寝かすことができる」と語る。 [pro_ad_display_adzone…