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千年以上の伝統があり、気候と地質に恵まれているおかげもあって、バスク地方はハムの入念な加工技術と質の高さでその名を知られています。 ほとんど霜が降りることもなく、温かい季節と涼しい季節が入れ替わり、冬に突然暖かくなったりする気候、また、ピレネー山脈に近いことが、塩づけのハムをつくるのに適した状況をもたらしてくれています。それに、山から降りて来る暖かくて乾いた風のフェーン現象も、ハムの質のいい熟成に一役買っているのです。  アドゥールの塩と、スパイスを混ぜたものと一緒に職人さんの手で磨かれた後、熟成の前により味わい豊で塩気が少し落ち着くように、ハムは何週間か冷たい場所で保存されます。  それからハムは自然の空気にさらさして吊るされ、ハムの重さと脂肪の濃さによって、12ヶ月、15ヶ月、または18ヶ月間保存されます。この期間に脂肪が溶けて、ハムの重さは3分の2から半分になっていきます。こうして身が柔らかくなり、まろやかになっていくのです。  バイヨンヌの生ハムは、フランス南西部に大きく広がる一帯で飼育された豚を使用しています。最低でも12ヶ月間は乾燥させて熟成させます。1999年から、バイヨンヌの生ハムは、IGPという品質表示によって質を保証されるようになりました。ペイ・ド・ラドゥールの、肉を乾燥させて作るタイプのハムは、土地の名前を使用した商品化を確立する品質表示を獲得しようと努力していきました。そうして誕生したのがバイヨンヌというアペラシオンです。…