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シャトー・ド・ルイヤックはペサック・レオニャンの平地に広がる現代的な外観のシャトー。だが一歩中に入ると、奥には19世紀の美しい邸宅が佇んでいる。「このシャトーは有名なオスマン男爵のものだったんです。彼はセーヌ県知事になる前はボルドーにいて、ブドウ畑も持ってたんですよ。 奥のシャトーにはオスマンの紋章が刻まれてます。その横手に並木道があるでしょう?彼はあそこを馬で駆けていたんです」とオーナーのローランさん。情熱的なローランさんの話は止まることがない。彼は若い頃はプロのサッカー選手、その後は会社を興して事業もうまくいっていた。ボルドー出身とはいえ、自分がワインづくりに関わるなんて考えたこともなかったけれど、ある時そんな考えが急に頭に浮かんでしまったのだという。「ボルドーのシャトーを探してる時、市街地から近くて、しかも馬小屋のあるシャトーがあるって聞いたんです。僕は乗馬もしてるから、素晴らしいと思いました。見に行ったらかなりひどい状態だったけど、ここだ、と思って決めたんです。」売りには出されていたものの、なかなか最終的な所有者が決まらなかったこのシャトー。けれどもローランさんの場合は物事がすんなり進み、2009年にシャトーを購入。「きっとこのシャトーが僕を選んだんだと思います。」 シャトーを購入してからの3年はかなり大変だった。全てをきれいに整え、これだと思うスタッフや著名なコンサルタントを雇い、醸造所も新設。7ヘクタールのブドウを植え、ラベルもデザインしなおした。「僕はワイン畑の人間じゃなかったけれど、会社を経営して学んだことはチームワークの大切さ。みんなテロワール、テロワールって言うけれど、それを扱う人間だって同じくらい重要なんですよ。人が手入れをしなかったらテロワールなんて成り立たちません。」 シャトー・ド・ルイヤックの農法はできる限り農薬を使用しない、アグリクルチュール・レゾネ。耕作には馬も使用。現在こちらの馬舎には沢山の馬がおり、ブドウ畑の4分の1は農耕馬が耕しているという。「馬とワインにはすごく共通点があるんです。馬はテロワールに似ています。理解しようと努めることが大切なんです。馬は人間より大きいし力もある。その気になれば人間を蹴飛ばせる馬に、言うことを聞いてもらうのは簡単ではありません。ちゃんと馬を大切にして、理解しようと努め、信頼関係が築けてはじめて彼らは言うことを聞いてくれるのです。それに馬が一人前になるにのは10年かかります。4歳じゃ何もできないんですよ。それってすごくブドウに似てると思いませんか。カベルネ・ソーヴィニヨンは生育がすごく遅いけど、最終的には何よりも素晴らしい味わいになり、卓越したものをみせてくれる。それが馬であり、ブドウ畑だと思うんです。」 馬とワインという組み合わせが人の目を引くシャトー・ド・ルイヤックは、観光にも力をいれており、この11月にはサンフランシスコのナパバレーにて開催された、 »Best…