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9月末、渋谷がフランス色に染まる2日間。今年も渋谷で4年目となるフランスの食イベント、『美味しいフランス。シブフレ、シルブプレ!渋谷フレンチフェスティバル 2024』が開催される。フランスの豊かな食文化をより多くの人に知ってもらうためにフランス農業・食料省が開催するこのイベントのメインは2種類の「ル・マルシェ」。「ル・マルシェ〜ターブル・デ・シェフ」には合計6名の人気シェフがこの日のために腕をふるう料理とデザートを、フランス産のワインやシャンパーニュとともに楽しめる。また、「ル・マルシェ〜グランテール」では、カジュアルスタイルのフードとドリンクをキャッシュオンスタイルで楽しめる。いずれも9月27日(土)28日(日)2日間限定で開催される。 「ル・マルシェ〜ターブル・デ・シェフ」に参加するのは、9月28日土曜日がセルリアンタワー東急ホテルの福田順彦シェフ、峯 MINET.の峯岸昌昭シェフ、NSK 代官山の林修史シェフ。29日日曜日はTOUMINの井口和哉シェフ、FUSOUの内田悟シェフ、nôlの丹野貴士シェフ。「ル・マルシェ〜ターブル・デ・シェフ」はフレンチの一流シェフに出会える場としても人気が高い。前売りチケットは4000円でPeatixで販売中。4800円分の料理やドリンクが楽しめる(ワイン3−4杯、食事3−4品程度)事前予約制、80分入れ替え制で回遊式にさまざまなブースを回って楽しめるようになっている。渋谷スクランブルスクエア…

日本中でアルコールが槍玉にあがる今、良質なノンアルコールを探してみても、これだというのに出会うのは簡単ではありません。ワインが飲める状況でも、繊細な料理の味を打ち消さず、その良さをきちんと引き出す優れたワインを探し出すのは至難の技。ノンアルコールが注目される今、どんな料理にも合わせやすい飲み物があればいいのにと思ったことはありませんか。実はフランスには素晴らしい味方がいるのです。 それが高級フランス料理店で重宝されるスパークリングウォーターのサンジェロン。アラン・デュカス氏やジョエル・ロブション氏をはじめ、数々の偉大なシェフに愛され、世界約20カ国の高級レストランで提供されているこの炭酸水は水の女王とも呼ばれています。スパークリングウォーターといえば、最近ではコンビニや自販機でも手に入るようになり、日本でもだいぶ身近な存在に。とはいえ手軽に飲める炭酸水は、コーラのようにむせかえる強炭酸で、それを雷にたとえるならサンジェロンは小雨のような優しい炭酸。強炭酸に慣れていると、これが炭酸?と一見弱々しそうにも見えますが、サンジェロンが高級メゾンに愛されるのは理由があるのです。 ワインの産地、フランスといえども、ガストロノミーが追求する繊細な味を邪魔せず、素晴らしい相乗効果をもたらすワインを見つけるのは至難の技。そんな時、サンジェロンは素晴らしい味方になってくれるのです。小雨のようなささやかな酸は、ひとくち飲む度に、舌に残っていた味を一旦リセットし、次の一口に対する新鮮な味わいや驚きをもたらします。よくあるスパークリングワインのように、強い主張だけが舌にピリピリ残ることはなく、完全な脇役として料理を引き立て、味覚を心地よく刺激し続けてくれるのです。パリの高級レストラン、「キャレ・デ・フィヤン」のシェフ、アラン・デュトルニエ氏は「サンジェロンは味覚をクリアにし、ワインの香りを抑えつつ、料理の風味を引き立ててくれる」と語ります。どんなに美味しい料理でも、口の中でソースや付け合わせなど様々な味わいが混じりすぎ、味覚が麻痺してくると、その良さを存分に味わえなくなってしまいます。サンジェロンは飲むたびに味覚をリセットし、食がもつ本来の味わいを最大限に引き出し、食欲まで刺激してくれる、まるで魔法のような水なのです。 サンジェロンはフランス、オーベルニュ地方の美しい田園風景が広がる一帯にあり、農耕地や工場の汚染とは無縁のピュアな源泉が保たれています。パリのグランメゾン「メゾン・ロスタン」のシェフ、ミシェル・ロスタン氏は「天然の炭酸水で、高品質なベルベットのように口当たりがソフトで柔らかな感覚を得られるのはサンジェロンだけ」と語ります。独特の優しい気泡は、雨や雪解け水が地中深層部まで時間をかけて落ち、地中の火山のマグマが放つ炭酸ガスに触れ、自然の気泡を含んだ水が地上へと湧き出てつくられたもの。独特の柔らかさ、穏やかさと心地よい後味がどこまでも続く、主張しすぎない素晴らしいパートナーだからこそ、料理に真剣にこだわる人に愛されているのでしょう。 国内では、シャトーレストラン…

表参道の住宅街に、リーズナブルでとびきり美味しいビストロがある。1品目に出されたはずのサラダや前菜は、メインと間違えたかと思うほどのボリュームだ。色鮮やかなサラダは見た目の美しさだけでなく、シャキッとカリッと歯ごたえもいい。それもそのはず、シェフの吉田佑真さんは週に3度も築地に通って新鮮な野菜と魚を仕入れ、野菜は2日で使い切るよう心がけているという。新鮮さだけでなく、素材の持ち味をしっかり引き出すよう、野菜を別々にゆでる手間も惜しまない。 ボリューム満点のサラダにステーキ、牛赤ワイン煮込みや仔牛と豚のパイ包みなど、フランス帰りの人にとっては「これぞフランス!」という気持ちになれるビストロ・ル・マンだが、実はシェフはフランスに行ったことがないというから驚きだ。「営業を頑張っていたら行く機会を逃してしまって・・・」と笑う吉田さん。とはいえ、行かずして何故、本場顔負けの味わいを作ることができるのだろう?「料理の世界に入ったのは20歳の時からです。初めて働いた飲食店がフレンチで、やっていくうちにフレンチの魅力を感じてこの道でいこうと決めました。熊本の田舎出身で、10代の頃はフランス料理もほとんど食べたことがなかったんですが、働きながら美味しいものを沢山発見し、この仕事いいなと思ったんです。」探究心旺盛な吉田さんは、休日に先輩シェフの店を訪ね歩くだけでなく、上京後は魚屋でも働いた。「魚にもそれぞれ旬やおろし方があり、脂ののり方も旬かどうかで違います。それらをしっかり学ぼうと思って1年と期間を決めて、魚屋で働くことにしたんです。」 そんな吉田さんの作る魚料理は絶品だ。ホタテ1つにしても、身がふっくらしてジューシーで、外側は香ばしく焼かれており、今まで食べてきたホタテは何だったのかと思うほどの味わい深さ。魚だけでなくお肉も焼き加減が絶妙でボリューム満点。それでも意外とペロリと食べられるのは、全て自家製だからだろう。「今年はナチュラルをテーマに、手作りにこだわっています。パイ生地、アンチョビ、ソーセージやベーコン、ソースやコンソメも全部自家製。もちろん手間はかかりますが、そこだけは味として自分も好きだし、譲れない点なんです。うちでは旬を大切にしたいので、年中これがうり、というのは特にありません。築地で仕入れた野菜や魚を使った本日のおすすめを是非味わっていただけたらと思います。」 4年前から2日に1度は欠かさず通っているという築地市場では、新鮮な魚だけでなく野菜も仕入れている。 「築地には和の食材だけでなく、ヨーロッパ野菜を扱う店や良質なアスパラを扱う店もあり、多くの料理人が通っています。築地で扱っている食材は、そもそもお店の方が選んでいるので、品質の優れたものが多いんです。ここまで買いに来るのはいいものを安く提供したいのと、実際に自分の目で見て買いたいから。素材から料理の発想が湧くこともありますし、お店の方に調理法を教えてもらうこともあります。」魚も野菜も、旬の素材を大切にしている吉田さんは、フレンチの枠にとらわれず、くわいやむかご、ユリ根など、いかにも和食といったイメージの食材もメニューに使用したという。スーパーで普段目にするのとは随分異なる食材が溢れる築地だが、「すごく珍しいものは別にして、ひと通りの野菜は使いました」と笑う。…

叩き付ける雨の中、助けを乞うようにドアを開けると、別世界が待っていた。白を貴重としたこぢんまりとした店内は外のざわめきとは対照的な落ち着きがあり、心まで穏やかになってゆく。2011年、モンパルナスの南に »Restaurant Kigawa »をオープンさせたのは紀川倫広さん。 「僕のスタイルはクラシックなフレンチです。ボリュームも味も、バターもしっかり。それをタンニンの効いたワインと合わせて、というのがフランス料理。お腹ペコペコで来てもらい、しっかり食べたという気持で帰ってもらえればと思っています。」パテ、フォワグラ、ロティ、ジビエ・・・フランスならではの食材を活かした料理は正当派フレンチを好むフランス人に支持されており、3年間ハトだけ食べに通い続ける常連客もいるという。 「フランスでお店を出せたことの良さというのは食材、フランス料理、それを愛してくれるお客さんという3点に尽きると思います。食材は毎週ランジスの卸売市場に買いに行っています。フランスならではの食材を自分の手にとって選び、それをシンプルな調理でお客さんに提供できるという喜びは日本では味わえません。この3点の他には日本に勝ることはないと思いますが・・・」…