Browsing: パリおすすめビストロ

パリの東側にあるヴァンセンヌの森やナシオン方面で、パリの地元の常連客に愛されていて雰囲気がよく、美味しいフランス料理が食べられるビストロを探しているなら、まさにオ・メトロに行くべきだ。 この大きなブラッスリーはメトロのドーメンシル駅の目の前にある。ブルゴーニュ地方出身の店主、ジル・グルイユ氏とともに、テキパキと働く、あたたかみあるスタッフが力を発揮している。あたたかいもてなしや、沢山の忠実な常連客の存在を反映して、店内はいつも賑わっている。このブラッスリーが成功しているのは主にシェフのティエリー・コラス氏のおかげである。長いこと、プロコープ等のパリの有名店数店で働いていた彼は、フランスの伝統的な料理のレパートリーに彼自身のタッチを加えることで、より深みのある味わいを生み出している。 たとえば「チェリー風味の鴨のマグレ、肉汁のかかったジャガイモのピューレ添え」(22€)や絶妙に調理された「サーモンのトマトソース、野菜のニソワーズ添え」(23€)。忘れてはいけないのが、フランス料理のレパートリーの中でも傑作のひとつ、「パテのパイ包み」だ。 ここはビストロのクラッシックなメニューを試してみるのに理想的な店である。というのも、オ・メトロは毎週典型的なビストロのメニューを日替わりで提供しているからだ。たとえば、月曜日には「仔牛の頭 グリビッシュ・ソース」、金曜日には「鱈のブランダード」、そして三世代の家族が食卓を囲んで集う日曜日には「鶏の丸焼き」といった具合に。…

凱旋門からほど近いル・プチ・アカシアの歩道に張り出されたテラスにはワインの樽が飾られている。赤い椅子とチェックのテーブルクロス、カウンターには多くのワインボトルが並ぶこの店は、パリの正真正銘のビストロだ。 主人のフレッドとパートナーのアワが作り出すあたたかい雰囲気は一度入ったら忘れられない。いつも冗談を飛ばしているフレッドは本物のパリのビストロの主人であり、近所にも彼のファンが沢山いる。フレッドとアワはフランスの伝統的な美食の世界へと導いてくれる。生ハムや、オーベルニュのチーズ、トムとマッシュポテトを混ぜてつくるアリゴをはじめ、質の高い食材がオーベルニュ地方から直送されている。 この店では最高のオーベルニュ地方の料理が味わえる。たとえばカンタルチーズを詰めたキャベツのグラタンや、アヴェイロン地方の赤ワイン、マルチヤップで煮込んだ牛ほほ肉など(19.8€) ル・プティ・アカシアは素晴らしいフランス料理をリーズナブルに味わうには最高の場所。クリームとキノコの森の仔牛(23.5€)や鴨のコンフィなどの料理は誰よりもベストな調理法を知り尽くしたシェフのリオネルが調理する。彼のホタテも絶品だ。 ル・プティ・アカシアは骨髄の入った牛塊肉(1.2kg…

近年パリでは「ブイヨン」が再び注目されている。「ブイヨン」というのは19世紀末にパリに誕生した、庶民的で低価格なブラッスリー。オペラ座付近、グラン・ブルバールの老舗「シャルティエ」は、パリに現存する唯一のブイヨンとしてその姿を伝えてきた店だ。そして2019年2月、モンパルナス駅目の前に待望の2店目がオープンした。 こちらは「モンパルナス1900」というビストロを改装しており、新規オープンというよりは、時を経てシャルティエに戻ったという方が正しいだろう。シャルティエ兄弟は1900年代にパリにいくつもの店をもっており、この店はもともとシャルティエだったのだ。そして116年の時を経て、同じグループに戻ってきた。 このブラッスリーは驚くほど当時の趣をしっかりと残している。店に入るとすぐ、ベル・エポックやアール・ヌーヴォーの時代に舞い降りたような気になれる。アール・ヌーヴォー調の彫刻が施された鏡、小さなチューリップ型のランプ、美しい女性像の彫刻に、ファイアンス陶器で飾られた壁面、そして天井には一面のステンドグラス。この店は1984年に歴史的建造物として指定され、ビストロとして営業を続けながらも当時の趣を保ってきた。モディリアーニもこの店の椅子でアルコールを飲んでいたかと思うと感慨深い。 フォブール・モンマルトルの有名なブイヨン・シャルティエを愛する人にとってありがたいのが、モンパルナスの店でもシャルティエならではの雰囲気が堪能できるということだ。ここでも黒の制服に白いエプロン姿のギャルソン達が店の評判を上げている。注文や会計は紙製のテーブルクロスの端になぐり書きという独特のスタイルも変わらない。 新しいシャルティエのコストパフォーマンスの高さにはパリの美食通たちも驚いている。この店の値段は表記の見間違いかと思うほどで、冬には野菜のポタージュが1€。フランクフルトとポテトの盛り合わせが6.5€、絶品の鴨のコンフィは10.6€、仔牛のマレンゴ風煮込みは11.2€。シャルティエ名物、アルコールのしっかり効いたデザート、ババ・オ・ラムは4.6€。ワインもとてもリーズナブルで、ボトル1本10€〜。量はそんなにという方には、ブッシュ・デュ・ローヌIGPのカラフ入りがあり、4.9€で分け合える。…