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5月29日、渋谷のエクセルホテル東急にてニース、コートダジュール地方の記者発表会が開かれた。名前を聞くだけで夢見心地になれるニースはパリに次ぐフランス第二の観光地。実はこの街は冬の保養地として発展し、2021年にリビエラの冬季保養都市ニースとして世界遺産に登録された。 「ニースを語るにはどうしてもアートについて語らざるをえない」とニース観光局長のカトリーヌさん。南仏、ニースの光に惹かれてやって来た画家といえばマティス、シャガール、ルノワールなど枚挙にいとまがない。ニースはフランスの中でも美術館が凝縮した街で、40軒以上存在する。マティスは30年近くをニース、コートダジュール地方で過ごしたため、ニースにはマティス美術館があり、先日まで東京で開かれていたマティスの展覧会「マティス 自由なフォルム」には26万人以上が来場した。 ニースに行ったことがあっても夏場のみという人も多いだろう。とはいえ地元の方によればニースの光が一番美しいのは春や秋だという。夏を過ぎると人も減るため、落ち着いて観光することができ、ニースは本来の美しさを取り戻す。数年前からはニースの伝統的な料理をきちんと提供する店を見分けるためのラベリング「キュイジーヌ・ニサラド」も開始し、ニースらしさを守ろうとつとめている。 あまりにユーロが高いために今年はフランスには行けない、という方におすすめなのは来年夏以降のエクサン・プロヴァンス。なぜなら来年はセザンヌ・イヤーだからだ。市の中心部からほど近いセザンヌのアトリエは、2階部分だけでなく1階のサロンや台所部分も公開されるようになる。また、グレネ美術館ではエクサン・プロバンスにおけるセザンヌと彼の家に関する大規模な展覧会「自宅でのセザンヌ」が2025年6月28日から8月12日まで開催される。そしてセザンヌが育った生家が数年にわたる修復を経て2025年7月に公開される。ここでは修復時に、セザンヌの初期の作品が壁紙の奥から発見されて話題になっている。…

11月30日、フランンスのプロヴァンス、アルプ、コート・ダジュール地方のミッション団が来日し、東京のフランス大使公邸でプレスイベントが開催された。この地方はプロヴァンス、南アルプス、コート・ダジュールという3つのデスティネーションを含む観光資源が豊富な地方で、フランスでもパリに次いで観光客が多く、訪問者は年間1000万人を超えている。 コート・ダジュールの中心地、ニースはツーリズムという概念を生み出した場所であり、冬でも太陽があり、過ごしやすかったこの土地には19世紀半ばからイギリス人、ロシア人やイタリア人、芸術家たちが冬に訪れるようになる。世界的に有名な海岸沿いの「プロムナード・デ・ザングレ」も、イギリス人の散歩道という名の通り、イギリス人がつくったものだという。 ニースには現代美術の聖堂のようなホテル、ネグレスコはじめ、数々の高級ホテルが立ち並ぶ。実は訪問者の7割は夏のハイシーズン以外に訪れているそうで、観光局はクリスマスや2月のカーニバルなど、冬季の観光にますます力をいれている。南仏の光に惹かれて移り住んだ芸術家は数多く、ゴッホ、ゴーギャン、シャガール、マティス、ルノワールなど枚挙にいとまがない。ニース近郊には「国立シャガール美術館」「マティス美術館」、ルノワールが晩年を過ごしたカーニュ・シュール・メールには「ルノワール美術館」がある。 南仏ならではの食材も豊かなニースには数多くの名物がある。トマト、卵、オリーブを使った著名な「サラダ・ニソワーズ」、ひよこ豆のガレット「ソカ」や、ピザのような薄い生地に玉ねぎをのせて焼いた「ピサラディエール」、トマトをはじめ地中海の野菜に詰め物をした「ファルシ・ニソワ」、パスタとともに味わう牛肉の煮込み「ドブ・ニソワ」。食に誇りのあるニースは、1998年に「キュイジーヌ・ニサラード」という認証マークをつくり、地元の産物を使って作られたニース料理を提供するレストランを探すための目印となっている。 プロヴァンス地方といえばロゼ・ワインも有名で、ロゼはプロヴァンス発祥だそう。ニースやエクサンプロヴァンス周辺にも数々のワイン生産者が存在し、特に人気があるのが「シャトー・ラ・コスト」。こちらはワイン生産者という粋を超え、アートを愛する人たちから国際的に評価されているシャトー。ワインだけでなく、アートや文化が総合的に楽しめるようになっており、敷地内には安藤忠雄氏が設計したレストランを含む5つのレストランがあり、ルイーズ・ブルジョワの作品やジャン・ヌーヴェルの建築もあり、2年に一度著名なアーティストが制作しにやって来るという。…