Browsing: パリのおすすめビストロ

エッフェル塔からもわりと近いカフェ・デュ・コメルスの看板を見つけるには、上を向いて歩く必要がある。入口はあまり大きくないものの、ドアを開けて廊下を進むと、光に満ちた空間があるのに驚かされる。カフェ・デュ・コメルスは中庭と2つの階の回廊からなる迫力あるブラッスリーだ。この店は100年前から存在し、内装は1920年代〜30年代のスタイルを保っている。 100年を超える歴史があるものの、この場所は今でも活気に満ちている。客席に聞こえてくるのはレストラン全体の活気である。いくつもの前菜をお盆に載せて運ぶギャルソン。装飾された店内の柱やワインレッド色のベルベッドの長椅子。パリのビストロらしいトーネットの曲木椅子。真鍮製の大きなシャンデリアに古いポスター、心地よい時を楽しむ客たちの声。 この店に足を踏み入れるとすぐに、ここはいい店だとわかるだろう。カフェ・デュ・コメルスではかつてのブラッスリーのようにギャルソンたちが重要な役割を果たしている。彼らは大きなお盆を持って忙しく動き回っているものの、お客を笑顔にする一言を忘れない。 カフェ・デュ・コメルスではパリのブラッスリーならではの伝統的な料理が楽しめる。 前菜には「ゆで卵のマヨネーズソース」「オニオン・グラタン・スープ」や名物の「ブルゴーニュ産天然エスカルゴ」。メインには、「南西地方の鴨のコンフィ、パセリポテト添え」「タルタルステーキ、自家製ポテトフライ添え」などがおすすめだ。お魚好きの人には、「フィッシュ&チップス、タルタルソース添え」「スズキのグリル…

パリにカフェのテラスは山ほどあれど、緑に囲まれてのんびり過ごせるカフェはそう多くない。パリ20区、ペール・ラシェーズやナシオンからほど近い「ヴァンティエーム・アール」は、絵画のように美しいパリを 体現したビストロだ。立ち並ぶ樹々が心地よい木陰を作っているこの店が一番愛されるのは、涼を求めたくなる夏の時期。 今年の6月からディレクターに就任したシャルルさんは、パリの名門のホテル・飲食業の学校、エコール・フェリエールを卒業し、21歳という若さで経営者になった。2015年からここで働いており、以前の経営者が店を離れることになったため、店の運営を任されることになったという。 快適なテラスが多くの人に愛されている「ヴァンティエーム・アール」だが、魅力はテラスだけではない。野菜は毎日パリの卸売市場、ランジスに仕入れに行き、食事も全て店で手作り。メインの鶏肉や魚介の串刺し(ブロシュール)はプレゼンテーションがお見事だ。会話に夢中のフランス人も、ブロシュールが運ばれてくると思わず歓声を上げてしまう程。ブロシュールは野菜を中心とした2品の付け合わせが選べるが、メインといえそうな程のボリュームがあり、味わいも繊細で食が進む。 フランス随一の美食の専門学校でガストロノミーやワインの知識を身につけたシャルルさんはワインにもこだわりがあり、ビオワインやヴァン・ナチュールも多く扱う。グラスワインは5-6€とリーズナブル。 フランスのレストランはどこもボリュームが多く、日本人の胃には辛いこともあるが、この店は前菜だけでもメインだけ頼んでもよく、融通が聞くのが嬉しい。お昼のメインの日替わりメニューは13.5€、メイン+前菜、メイン+デザートのセットは15.5€、前菜+メイン+デザートのセットで18.5€。パリのビストロがどこもかしこも高い中、相当リーズナブルで、きちんと美味しいものが食べられる。夜の一人当たり平均予算は30〜40€。…