Browsing: サンジェロン

日本中でアルコールが槍玉にあがる今、良質なノンアルコールを探してみても、これだというのに出会うのは簡単ではありません。ワインが飲める状況でも、繊細な料理の味を打ち消さず、その良さをきちんと引き出す優れたワインを探し出すのは至難の技。ノンアルコールが注目される今、どんな料理にも合わせやすい飲み物があればいいのにと思ったことはありませんか。実はフランスには素晴らしい味方がいるのです。 それが高級フランス料理店で重宝されるスパークリングウォーターのサンジェロン。アラン・デュカス氏やジョエル・ロブション氏をはじめ、数々の偉大なシェフに愛され、世界約20カ国の高級レストランで提供されているこの炭酸水は水の女王とも呼ばれています。スパークリングウォーターといえば、最近ではコンビニや自販機でも手に入るようになり、日本でもだいぶ身近な存在に。とはいえ手軽に飲める炭酸水は、コーラのようにむせかえる強炭酸で、それを雷にたとえるならサンジェロンは小雨のような優しい炭酸。強炭酸に慣れていると、これが炭酸?と一見弱々しそうにも見えますが、サンジェロンが高級メゾンに愛されるのは理由があるのです。 ワインの産地、フランスといえども、ガストロノミーが追求する繊細な味を邪魔せず、素晴らしい相乗効果をもたらすワインを見つけるのは至難の技。そんな時、サンジェロンは素晴らしい味方になってくれるのです。小雨のようなささやかな酸は、ひとくち飲む度に、舌に残っていた味を一旦リセットし、次の一口に対する新鮮な味わいや驚きをもたらします。よくあるスパークリングワインのように、強い主張だけが舌にピリピリ残ることはなく、完全な脇役として料理を引き立て、味覚を心地よく刺激し続けてくれるのです。パリの高級レストラン、「キャレ・デ・フィヤン」のシェフ、アラン・デュトルニエ氏は「サンジェロンは味覚をクリアにし、ワインの香りを抑えつつ、料理の風味を引き立ててくれる」と語ります。どんなに美味しい料理でも、口の中でソースや付け合わせなど様々な味わいが混じりすぎ、味覚が麻痺してくると、その良さを存分に味わえなくなってしまいます。サンジェロンは飲むたびに味覚をリセットし、食がもつ本来の味わいを最大限に引き出し、食欲まで刺激してくれる、まるで魔法のような水なのです。 サンジェロンはフランス、オーベルニュ地方の美しい田園風景が広がる一帯にあり、農耕地や工場の汚染とは無縁のピュアな源泉が保たれています。パリのグランメゾン「メゾン・ロスタン」のシェフ、ミシェル・ロスタン氏は「天然の炭酸水で、高品質なベルベットのように口当たりがソフトで柔らかな感覚を得られるのはサンジェロンだけ」と語ります。独特の優しい気泡は、雨や雪解け水が地中深層部まで時間をかけて落ち、地中の火山のマグマが放つ炭酸ガスに触れ、自然の気泡を含んだ水が地上へと湧き出てつくられたもの。独特の柔らかさ、穏やかさと心地よい後味がどこまでも続く、主張しすぎない素晴らしいパートナーだからこそ、料理に真剣にこだわる人に愛されているのでしょう。 国内では、シャトーレストラン…