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フランスワイン産地 ボジョレー  Beaujolais

Beaujolais

日本で「ボジョレー」といえば「ボジョレー・ヌーヴォー」と思いがちだが、実際にはボジョレー地区には特別な質を認められた10のAOC、「クリュ・ デュ・ボジョレー」が存在する。多くのクリュはボジョレー地区の小高い丘の谷間にある美しい村の名前がついている。ボジョレーのクリュには熱心なファンが おり、パリの誇りあるビストロでも10年以上前から愛されている。

 

日本で有名なボジョレー・ヌーヴォーは1950年代になってから登場 した、ボジョレー地区全体で生産される新酒のこと。9月~10月に手摘みで収穫されたガメイを特別な方法(マセラシオン・カルボニック)で醗酵させ、11 月の第3木曜日には世界中で飲めてしまう、超高速型ワイン。ボジョレー・ヌーヴォーの最大の輸出先は私たちの住む日本。ボジョレー・ヌーヴォーのあまりの 成功に、クリュの存在は忘れられやすくなっているが、これは残念という他ない。というのも、繊細さとエレガントさを求めるワイン好きにとって、ボジョレー の丘で花開く黒ブドウ、ガメイの表情の豊かさはまさに幸福といえるから。木いちごやさくらんぼといった赤い果実のニュアンスだけでなく、テロワールによっ てはスパイシーさやミネラルも感じられる。日本のワイン専門店なら1本くらいはボジョレーのクリュを扱っている。大抵は2千円以下なので、見つけたら是非 手にとってみてほしい。

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2010年や2011年のような偉 大なビンテージの場合、クリュ・デュ・ボジョレーのワインが熟成すると、ブルゴーニュにひけをとらない、黒い果実の香りが凝縮した、エレガントで魅力的な ワインになる。2011年は日照に恵まれ、ほとんどのクリュのワインがブルゴーニュワインとほぼ同等のコメントになり、いわゆる「ボジョレー」とはかなり 異なるワインができている。
2012年は複雑だった。いくつかのクリュを試飲するとわかることだ が、ボディに物足りなさを感じるものや味わいに欠けるものがある。もちろん困難を巧みに克服した生産者もいるのだが。最近瓶づめされた2013年ビンテー ジは希望の星のようにも映るが、シチュエーションは様々だ。10€以上の瓶はほとんどなく、フランスで最もコストパフォーマンスの高いワインを見つけるこ ともある。

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