今年も千葉の幕張メッセで、アジア最大級の食の祭典、Foodex Japanが開催された。3月4日から7日までの4日間で約7万5千人の食の関係者が訪れ、フランスからは農務大臣も訪れた。70を超えるフランスブースは、数多くのワインが並んでいるが、もちろんフランスの食の魅力はワインだけでは語れない。
Sopexaのブースではフランス料理のデモンストレーション、他にもブルターニュ地方の海藻、バイヨンヌの生ハム、シャンパーニュに浸して食べるランスのビスケットなど、フランス各地の食文化を発見する優れた場となっていた。
昨年に引き続き会場に姿をみせたアルザスワイン、カーヴ・ド・リボヴィレは今年も多様なワインを用意。リースリング、ゲブストラミネールに続き、勧められたピノ・グリを試飲。甘い余韻が心地よいゲブストラミネールの後味を、スッキリ、さっぱりしたピノ・グリがさわやかに洗い流す。次に勧められた白ワイン、「ピノ・グリ 2008 ヴァンダンジュ・タルディヴ Pinot Gris Vendanges Tardives」は、先程のピノ・グリとは同じ品種なのに全く違う。こちらは通常より約1ヶ月遅い10月末にブドウを収穫し、ブドウにはほんのりと貴腐菌がつくという。ほどよいハチミツのような甘さが口いっぱいに広がり、エレガントな味わいだ。カーヴ・ド・リボヴィレのワインはワインショップソムリエという、通販または同名の六本木の店舗で手に入る。
心地よい甘さといえばすぐ引き合いに出されるのがハチミツだが、会場には本物のハチミツも。ファミーユ・マリーは1921年から続く家族経営のハチミツ会社。蜂の自然な状態を尊重する同社は1200程の蜂の巣を所有。会場で紹介していたハチミツには純粋ハチミツと風味をつけたものがある。シャンパーニュ地方の純粋ハチミツは一口だけでも甘美な喜びに包まれる。こくがあり、きめ細やかな食感で、よく目にするとろりとした液体のハチミツというより、クリーム色でワックスのような状態だ。日本で販売すると1瓶1400円くらいだそうだが、少量をクラッカーにつけるだけでも至福の時間が訪れそう。他にもトリュフやバラ、バニラなどを加えて風味づけした黄金に輝くハチミツがあり、こちらはどれも非常に優雅な味わいだ。ファミーユ・マリーのハチミツはパリのバスチーユなどにある直営店や自社サイトで購入可能。
お肉を食べたら欲しくなるのはもちろんワイン。フランスブースの中でもとりわけ明るさを放っていたのが、今年初出展となるボルドー地方、コート・ド・ブール。こちらはフランスの出展者の中では最大規模のブースで、コート・ド・ブールから生産者11人が来日した。以前ご紹介したシャトー・マルティナのステファンさんも絶品の「シャトー・マルティナ 2010」を抱えて来場。ズラリと並ぶ同地区のワインの中で、特に素晴らしかったのは、シャトー・レ・ロックとシャトー・ド・コットの赤ワイン。