今年のワインは素晴らしい、そう語るのは簡単だ。11月20日はボジョレー・ヌーボー解禁日。ボジョレーと言われて誰もがつい聞きたくなるのが「今年の出来は?」ということだ。
来日したボジョレー委員会会長のジル・パリさんは「今年のボジョレーは例外的に素晴らしく恵まれた年。自然の女神が味方してくれたようだ」という。「特に収穫時期は晴天続きで、その間雨はたったの1時間しか降らなかったんです。ブドウは十分成熟できて、糖度も上がったんですよ。」
ボジョレー・ヌーボーといえば、ああこれか、とあの味わいを想像することもあるだろう。けれども今年は本当に違う。まず香りからして素晴らしい。グラスからはフルーティな香りがふわっと上がり、色も美しいルビー色のものが多くある。口に含むとえ?こんな上質なボジョレー・ヌーボーがあったの?と驚かされる。しなやかさ、豊かな果実味、それからコクがあるものも。まるで上質なボジョレーのクリュのように、今年のボジョレーは艶やかでエレガント。会場には数十種類のボジョレーが用意されていたが、どれも甲乙つけがたい。今年は当たり外れが少なく本当に上出来というのがよくわかる。「ボジョレーは日本への親善大使」と語るパリさん。今年はボジョレー・ヌーボーはいいかな、と思っていた方でもガメイという品種に対する発見があるはずだ。そしてヌーボーの次は是非ボジョレーのクリュも試してみてほしい。美しいボジョレーの丘陵地帯で生産されるガメイが素晴らしい表情を見せた時、ブルゴーニュのピノ・ノワールにひけをとらない味わいがあるものだ。和食や豚肉、サラミなどの肉製品にも合わせやすい2014年のボジョレーのワイン。これからの季節、ワイン購入に迷った際は是非一度試してみてほしい。
おすすめボジョレー・ヌーボー
Beaujolais Nouveau 2014 Jean de Laurere(輸入元:モトックス)
味わい深く、コクがあり華やかなボジョレー。まるで上質なクリュのよう。Beaujolais Villages Primeur 2014 Cuvée Hommage à Gerard Canard(輸入元:出水商事)
さわやかな酸味、フルーティな味わいが口一杯に広がる。飲みやすく、豚肉料理によく合う。