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ヴィネクスポ ニッポン 2014 VINEXPO NIPPON

11月初旬、東京のプリンスパークタワーでVINEXPO NIPPONが開催された。VINEXPOというのはボルドーで2年に一度開催される巨大なワインサロンで、世界中のワイン・スピリッツ業界関係者が集まるイベントだ。今年初めて日本版として開催されたヴィネクスポ・ニッポンには約500のブランドが参加。フランスだけでなく、イタリア、スペイン、アメリカ、チリなど、世界中の生産者や輸入業者がブースを出していた。

シャンデリアがまばゆく光る会場内にはシャンパーニュのブースもいくつかあった。その中でもひときわ味が際立っていたのがメゾン・マイィのシャンパーニュ。数あるメゾンを試飲した中でも一杯目の香りからこれは違うと思わせる。メゾン・マイィはシャンパーニュ地方のモンターニュ・ド・ランス地区のコーペラティブの生産者。シャンパーニュには17のグランクリュ(特別質の良い畑)があり、マイィというのはグラン・クリュの名でもある。こちらのメゾンはグラン・クリュとして認定された畑でとれたブドウでシャンパーニュを生産。シャンパーニュの法定熟成期間は15ヶ月以上だが、一杯目に提供された「ブリュット・レゼルヴ」でも3年熟成させるという。香り高く、口に含むと酸がキリっとしており、泡が非常にクリーミーできめ細か。これでスタンダードなレベルというから本当に驚きだ(7020円)。「ブリュット・ロゼ」は、こんなにバランスのとれたロゼ・シャンパーニュがあるのかと驚く程すっきりしていて飲みやすい。ほんのりと甘みがあり、泡が非常にきめ細か(8748円)。90%ピノ・ノワール、10%シャルドネで、5年熟成。食前酒としても、フルーツソースをかけた豚肉などと合わせてもおすすめだ。三越や輸入業者のオエノングループのウェブサイトでも購入可能。

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このブースの裏側には、同じくオエノングループが扱う初代世界最優秀ソムリエ、ジャン・リュック・プトー氏セレクトのワインのブースがある。プトー氏はフランス各地を歩き、知名度がまだ低く、小規模な生産者のワインを探しまわっているという。お墨付きとしてサインしたワインは日本に30種類、フランスには約100種類。日本では千円台のワインは当たり外れがあり、ワインってこんなものかと思った経験は誰にでもあるだろう。だが安くても素晴らしいワインがあるのを知ってほしい、という情熱で、プトー氏は値段以上の価値を保証できるワインをセレクトし続けている。赤ワインのバルディック・カベルネ・ソービニヨンは甘みを感じ、飲みやすく、赤ワインを常備したい人のデイリーワインとしておすすめだ(1370円)。「ブルゴーニュ・ピノ・ノワール アンリ・ラリュ」は口当たりが非常に軽やかで飲みやすく、ピノ・ノワールらしさに心地よく浸っていられる(2800円)。

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ところで、フランスでロゼワインの王と呼ばれる「タヴェル」という名をご存知だろうか。タヴェルは透き通った深紅色の、世にも美しいロゼワイン。高品質なワイン産地を保護するAOC法がフランスに誕生したのは1935年のことで、翌年初のAOCロゼワインとして認定されたのが、フランス南部、コート・デュ・ローヌ地区で生産されるタヴェルのロゼ。タヴェルは他のロゼと比べ、赤ワインに近い部類に属し、前菜からメインまで、食事のお供に最適だ。サラダやラタトゥユ、ピザや鶏肉料理など、カフェのテラスでの軽い食事に相性抜群。特におすすめなのが「ドメーヌ・デ・カラビニエール」のタヴェルで、果実実がしっかり感じられる、味わいの豊かなワイン。ほんのり甘い余韻も長く楽しめる。こちらのドメーヌは97年から有機栽培、5年前からビオ・ディナミという有機栽培より厳しい生産方法をとっており、ロゼ以外の赤ワインも素晴らしい(約3千円)。
コート・デュ・ローヌの南部地区で有名なシャトー・ヌフ・デュ・パプの赤ワインのブースもいくつかあり、その中でもレ・トロワ・スリエというドメーヌでナタリーさんが造る「シャトー・ヌフ・デュ・パプ エテルネル 2011」は絶品だ。口あたりが非常にやわらかく、味わい深く、余韻をずっとかみしめられる。シャトー・ヌフ・デュ・パプのワインは基本的には多品種をブレンドするが、こちらはグルナッシュ100%。日本には1年前から輸出しておりネット上のワインショップ「AVEC VOUS」にて購入可能(9500円)。
最後に紹介したいのが、フランスの南西地方、カオールで黒ブドウ、マルベック100%で造るワイン。カオールのワインは色が濃く、タンニンも強く、かつては「黒ワイン」と呼ばれていた。「でもタンニンが強くて渋みが強すぎるのはマルベックを早く収穫した、品質のあまりよくないワインだからなんです」とジャン=マリーさん。彼の友人が造る「Château Peach de Jammes シャトー・ペッシュ・ド・ジャム 2010」は果実味が豊かで香り高く、意外にもスッと飲みやすい。タンニンはしっかりしているのに、やわらかさが感じられる。「マルベックは、ローマ時代より前から南西地方に自生していたブドウです。今はアルゼンチンでマルベックが有名ですが、かの地にマルベックをもたらしたのも南西地方出身の人たちなんですよ。」マルベックはフランスの黒ブドウの中でも一番収穫が遅く、つい先日収穫が終わったばかり。ブドウが成熟しきるまでしっかり待ったカオールのワインは驚くほどスッと口に馴染む。同じくシャトー・ペッシュ・ド・ジャムの「PURE Malbec 2011 Cuvée prestige」もとても香り高く、口当たりはやわからでバランスが良い。タンニンが豊かだが荒々しさを感じさせない。ジビエ、カスレや鴨のコンフィ、トリュフ入りの料理など、味わいのしっかりしたフランス料理に是非お伴させたい一本だ。ビストロらしい料理との相性は間違いなし。ボルドーの赤だけでなく、是非カオールの赤ワインにも挑戦してみてほしい。こちらは現在情熱ある輸入業者を探し中。

Contact 連絡先

オエノングループ オンラインショップ
http://www.oenon-shop.jp/shop/

ドメーヌ・デ・カラビニエール  Domaine des Carabiniers
http://www.carabiniers-vin-biologique.fr

ワインショップ AVEC VOUS
http://www.rakuten.co.jp/wine-avecvous/

シャトー・ペッシュ・ド・ジャム Château Pech de Jammes

http://www.pechdejammes.fr

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