paris-bistro japon

ラングドック地方、クラップのワイン生産者 シャトー・ダングレス Château d’Anglès

ラングドックにあるクラップという地区は、ローマ時代には島だった。すぐ目の前には地中海があり、湿地と隣接している この場所は国定公園に指定されている。「ずっと地中海のそばに自分のブドウ畑が欲しかったんです。それにモルヴェドルを育てたいと思ってたんですよ。6ヶ 月間場所を探してたどり着いたのがここだったんです。」とシャトー・ダングレスのオーナー、エリックさん。

 シャトー・ダングレスは18世紀からあるシャトー。ボルドーのシャトー・ラフィット・ロートシルドで8年間醸造長を していたというエリックさんは、2002年にこのシャトーを購入。「モルヴェドルは赤ワイン用のブドウです。香りがとてもよく、タンニンがあってしっかり したボディのワインができるんです。生育がかなり遅いから収穫は一番最後。来週収穫の予定です。」ボルドーに長く居た彼はラングドックを訪れた際、その品 種の豊かさに驚いた。「AOCクラップの白ワインにはボーブランという品種を40%以上使用しないといけません。私にとってボーブランはまさに新発見でし た。ボーブランも生育が遅く、酸は少ないけれどもフレッシュで、素晴らしい余韻を味わえます。こちらもまだ収穫はしていません。」

angles4

エ リックさんのブドウ畑はハーブのいい香りが漂っている。こちらはビオ、と打ち出しているわけではないが、環境保護区域内での栽培のため、守るべき規則が沢 山ある。そのためかなりビオに近い状態での栽培となっている。非常に乾燥した気候で、近隣のモンペリエに比べても降雨量は半分程度。そんな恵まれた環境だ からこそ、湿気由来の虫や病気も少なく、環境に配慮した栽培方法をとっていられる。畑で見つけたオレンジ色の小さな四角いものは何かと尋ねると、「ああ、 これはコンフュージョン・セクシャルですよ。チョウチョのホルモンを混乱させて、卵を産めないようにするんです。チョウチョの卵がブドウにつくと、そのブ ドウを虫が食べてしまう。それを防ぐために、このカプセルを使うんです。農薬に頼らない害虫駆除方法で、とてもうまくいってますよ」と教えてくれた。

[pro_ad_display_adzone id= »1569″]

ブドウ畑を見渡せる開放的なテラスでワインを試飲。赤ワインのグラン・ヴァン「シャトー・ダングレス・ラ・クラップ Château d’Anglès La Clape 2008」には50%以上モルヴェドルを使用。グラスを近づけるとカシスの香りが鼻の奥まで広がってくる。口に含むと香り高く、ほんのりとス パイシーで味がゆっくりと変化していく。その後は心地よく長い余韻が続く。軽やかな味なのでポトフやローストビーフにも合いそうだ。白ワインのグラン・ ヴァン「シャトー・ダングレス・ラ・クラップ 2009」はボーブランが40%使われており、樽熟成させたもの。少し黄色味がかった美しい色で、ハチミツ のような香りがする。繊細な味わいでこちらも心地よい余韻が続く。「これは色んな料理に合いますけどね、美味しいロックフォールチーズと合わせた時といっ たらね!あれは感動的だったなあ~!」と嬉しそうに語るエリックさん。シャトー・ダングレスのワインは日本にも輸出しているが、基本的には取り寄せとなる そうだ。

問い合わせ先 アルカン

Quitter la version mobile