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『星の王子さま』出版80周年記念 帝国ホテルのアフタヌーンティ

梅雨が明けるといよいよ本格的な暑さも到来。そんな時に心地よい時間を過ごせる場所といえばホテルのラウンジだ。帝国ホテル 東京では、『星の王子さま』出版80周年記念企画として、本館17階、インペリアルラウンジ アクアにてAfternoon Tea « Etoile(エトワール) »を開催する。

アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリの代表作、『星の王子さま』は1943年にニューヨークで出版されて以来、300以上の国と地域の言語に翻訳され、2億冊以上の発行部数を誇るベストセラー。子供向けの本と思われがちだが、実際は非常に深く、物事の本質を突いており、大人になってこそ身に沁みる傑作だ。

アフタヌーンティ « エトワール »は『星の王子さま』の物語と作者からインスピレーションを受けたもの。「タラのブランダート サフラン風味のコキヤージュソース」は、サン=テグジュペリの大好物をヒントに、塩タラとじゃがいもを牛乳で煮込んだ、クリーミーであっさりとしたブランダード。また、「クープグラスに仕上げたリヨン風サラダ」は、作者の出身地、リヨンの郷土料理「サラダ・リヨネーズ」を小さなクープグラスにギュッと凝縮させたもの。厚切りベーコンと半熟卵、クルトンやパルミジャーノの濃厚な味わいの混ざり合いが心地よい。

『星の王子さま』の世界を表現したデザートのなかで、特に目を引くのは「〜星に咲く一輪のバラ〜 ラ・ヴィ・アン・ローズ」だ。『星の王子さま』といえば、星に残してきてしまった一輪のバラとの物語がハイライトだが、真っ赤なバラをモチーフにしたこのデザートは食べるのがもったいないほど美しく、鮮やかな紅色が印象的。口に近づけると、ブリオッシュフィユテのバターやカルバドスの香りがほのかに香り、近距離に寄った時に初めて気づく女性の香水を思わせる。赤いバラは、薄くスライスされシャキッとした食感のりんごにカルバドスで風味をつけ、グルナディンで鮮やかな赤色をつけたもの。りんごの爽やかさと、上質なペストリーの絶妙な組み合わせが楽しめる。

また、『星の王子さま』を愛する者にとっての新鮮な驚きは「〜ヒツジの箱〜 羊のチーズとイチジクのタルト」。一見カロリーメイトのように見える四角いタルトの側面には3つの黒い点が描いてある。これは「ねぇ、羊の絵を描いて」と王子さまに言われた時に、羊が上手に描けないために、苦肉の策で羊が入っている箱を描いたというエピソードから。この絵を見て王子さまは、「こんなの羊じゃない!」といは言わず、中にいる羊が嬉しそうに過ごしているのを見て満足したというから想像力がすごい。このお菓子はタルト生地の中に、イタリア産の羊のチーズ、ペコリーノ・ロマーノと、コクのあるクリームチーズ、イチジク、クランベリー、ディルを詰め合わせた濃厚な味わいのチーズタルト。サクッとして固いタルトの中に、クリーミーで口の中でとろけるチーズが含まれているという驚きのあるデザートだ。

『星の王子さま』に登場するアフリカのバオバブの木をイメージした「〜バオバブの木〜 シュー・ア・ラ・クレーム」は、もこもこ茂るバオバブの木のように、シュー生地の上に緑色にしたクッキー生地をつけて焼いたもの。大きなシューの中にはピスタチオクリームが入り、チョコレートクランチの幹までついてて可愛らしい。「〜王子さまの星〜 ムースフロマージュ」は王子さまが住む小さな惑星をイメージしたケーキ。白いムースフロマージュが惑星を表し、メレンゲでは王子さまの星にある3つの火山を表現。中にはあっさりとしたパイナップルとマンゴー、パッションフルーツのコンポートが包まれており、ふんわりした、優しくエレガントなお菓子。

帝国ホテルのアフタヌーンティーは、セイボリーの種類が多く、ボリュームたっぷり。甘いものばかりは苦手という方にもおすすめだ。単なる子供の絵本ではなく、本当は深い愛を描いた星の王子さまの物語。読み直してからアフターヌーンティー行くと、より一層会話も弾むのでは?

ベストセラー『星の王子さま』出版80周年記念企画
Afternoon Tea « Etoile(エトワール) »

本館17階 インペリアルラウンジ アクア
2023年7月1日(土)〜8月31日(木)
提供時間:11:30〜18:00(ラストオーダー)
料金:平日9200円 土日祝日9800円(サービス料、消費税込)

ご予約・お問い合わせ:インペリアルラウンジ アクア TEL.03-3539-8186

インターネット予約サイト

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