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美味しいビストロの見つけ方 Attention à la cuisine industrielle dans les bistros

何年か前からフランス人は、多くのレストランやビストロにおいて、工場で調理された料理が提供されることがあると気付いています。数々のテレビ番組や記事がこの問題について論じていました。これはパリでも実際に行われており、いくつかの大きなブラッセリーでは、観光客は電子レンジで温められただけの調理済みの料理を食べているにも関わらず、本当のビストロ料理を食べたと思っているのです。

 

これは見せかけにすぎません。シュークルートや牛赤ワイン煮込み、アシ・パルメンティエやブランケット・ド・ヴォー、それに美味しくない粉末状のオニオンスープに至るまで、ビストロ名物のほとんどがプラスティックの袋に入れられ、一人前を2ユーロで仕入れることができ、それをビストロでは15ユーロで提供しているのです。例えばパリの郊外との境目に出店している飲食店向け卸の巨大量販店、ドイツのメトロなどでこういった商品が販売されています。

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もちろんそれが工場で調理済みだなんてあえて言うビストロはありません。より本物らしく見せるため、料理の上にパセリをひとふりし、あなたには自家製だと伝えることでしょう。こうした調理済み食品を使えば、レストランはより多く稼ぐことができるのです。というのも、料理を準備するためにシェフや厨房スタッフにお金を払う必要がないからです。




とはいえ、よく考えなければといけません。というのも、長期的に見れば、お金を稼いで長続きさせたい真のビストロは、美味しいご飯を求めて忠実に通ってくれる顧客をつくらないといけないからです。そうでなければお客は1回だけそこで食べても再び来店することはないでしょう。従って、食品加工業による調理済み食品を提供することにしたブラッスリーというのは、往々にして通行量が多く、観光客で賑わう場所にあるわけです。この客が次回来なくても仕方ない、次の客が来るだろう、というわけです。一般的にこうした店には、ビストロの主人はおらず、グループ会社の雇われ店長がいるものです。

自分で市場に買い出しに行き、新鮮な旬の素材で仕事をしているシェフは全く納得がいきません。彼らは自家製というのがレストランのメニューにしっかりと表示されるようにと要求しています。しかし法律はまだ通過していません。というのもネスレやユニリーバのような食品加工業の重圧が非常に強いからです。彼らのロビイング活動は、武器産業と同じくらい強力なのです。フランスでは実業家たちがついに料理学校でのルールを変えられるようになりました。例えばガストロノミーの生徒は、かつてフランス料理の基礎の1つであった、ベアルネーズソース、青胡椒のソース、ホワイトバターソース、フォン・ド・ヴォーなどのソース作りを学ぶ必要がなくなったのです。結果として味わいある本物のソースを顧客に提供したいと思っている小さなビストロのシェフたちは、隠れるようにしてソースを作る状況となっています。他の人たちは既製品のソースを使用しています。こうしたソースの背後にはネスレやユニリーバのような巨大企業が存在しています。彼らは、肉製品のプロ用雑誌にも広告を出しています。アラン・デュカスのような偉大なシェフでさえ、ガストロノミーに関する活動を企画したいときは食品産業からの支援が必要なのだと我々に話してくれました。デュカスは、今は最悪の時期だがじきに良くなるだろうと説明していました。ネスレはエリック・オルセナをはじめとする有名なフランスの作家達にも、食料に関するシンポジウムで話をしてくれるようにと高額を支払いました。とはいえ、ネスレは彼らの目的は調理済の彼らの製品によってビストロを侵略していくことだと言うのを忘れていました。マクドナルドはソルボンヌ大学教授の記事を得ることに成功しました。

パリでシェフを見つけることの難しさ

パリのビストロでシェフを見つけるのは非常に複雑さを増しています。パリのビストロで料理をして働きたいと思う若いフランス人はとても珍しいのです。ビストロで料理をする人たちは往々にしてパキスタン系、アフリカ系、セイロン系の人々ですが、彼らはビストロの料理の仕方をきちんと身につけています。それにパリで家を借りるのは非常に高くつくため、若者がパリに上京して来てレストランで働くのはとても難しいのです。そうしたことがフランス人の意欲を失わせるというわけです。

本物の美味しいビストロを見つける方法

キッチンで何が行われているかをチェック

美味しいビストロはキッチンを隠しません。ビストロの店内からキッチンを覗くことができればいいサイン。というのも、シェフは缶詰を開けたり真空パックの料理をお客さんの前で開けるわけにはいかないからです。

長過ぎるメニューに要注意

沢山の料理が提案されているより、ほんの少ししか書かれていない方が実はいいのです。メニューの中身が多すぎてはいけません。というのもそうした料理は調理済のものを解凍した可能性が高いから。真のビストロは家庭的な料理を提供しているのだということを忘れないで下さい。ビストロは、安く手に入る旬の素材を求めています。ジャガイモのスープに冬はネギ、夏のイチゴやフランボワーズ、秋のリンゴなどがその例です。

フライドポテトが自家製かどうか尋ねましょう。

自家製であればいいサイン。というのもそれは、ジャガイモの皮をお店でむいているという証だから。

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