トム・ド・サヴォワは、サヴォワ地方で最も古くから生産されているチーズ。これは渓谷のあるところではどこでも生産されていると言える程。この生産は純粋に家庭的で、バターの製造時に残ったクリームを分離した牛乳を利用する目的で作られました。そのため、現在に比べるとあっさりとして脂肪分の少ないチーズでした。というのも、今では味わいをよりよくするために、脂肪分を増やすようにしたからです。プレスされた生地のチーズで、熱は加ません。色は白から薄い黄色で、皮は灰色。直径20センチ弱です。冬に生産されるこのチーズは、タリヌ種やアボンダンス種、モンベリヤード種などの牛乳を使用します。熟成期間は最低1ヶ月、最大でも3ヶ月。あまりに多様な種類があるので、トム・ド・サヴォワはAOPを名乗ることはできませんでしたが、1996年に地理的保護表示のIGPを獲得できました。弟分のトム・デ・ボージュと間違えないようにして下さい。
トム・デ・ボージュ AOP La Tome des Bauges
トム・ド・サヴォワの兄弟分のトム・デ・ボージュは、同じく家庭的使用のためにつくられました。こちらはより小さく、厚みも小さいため、同じ時間を貯蔵庫で過ごしても、こちらの方が早く熟成されるのです。トム・ド・ボージュは牛乳に特徴ある酸味をもたらすボージュ山塊に広がるテロワールのおかげで、2002年からAOC品質表示を獲得しています。
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