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料理と合わせて楽しむピノ・グリージョ

11月25日、東京、茗荷谷のタンタ・ローバにて、ピノ・グリージョ DOCデッレ・ヴェネツィエのペアリングセミナー&テイスティング会が開催された。ピノ・グリージョはフランスではピノ・グリと呼ばれる白ブドウ。世界のピノ・グリージョのうちイタリアの生産量は43%を占め、DOCデッレ・ヴェネツィエは世界最大のピノ・グリージョの産地。グリージョというのはイタリア語で灰色という意味で、灰色がかったピンク色の果皮に由来している。

ピノ・グリージョには2つのタイプがあり、フランスのアルザス地方では遅摘みのリッチなワインが造られる。それに対してイタリアのトリ・ベネトと呼ばれるトレンティーノ自治県、フリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州、ヴェネト州では、早摘みでフレッシなワインが造られている。ピノ・グリージョは成熟時に急速に酸が失われるという特徴があり、早く収穫することにより、すっきりした酸味のあるワインに仕上げることができる。

このイベントはイタリアのDOC デッレ・ヴェネツィエ保護協会が主催した。当協会は在日イタリア商工会議所による本格イタリアンの品質認証マークのAQI認証(Adesivo di Qualità Italiana)をサポートしており、2022年10月から12月まで、ピノ・グリージョに関するイベントを開催する。今回はAQI認証を受けた店のシェフが協力してピノ・グリージョ似合う料理を考案し、実際に試飲しながらそれを味わうという試みだった。考案されたレシピはAQI認証のサイトにアップされる予定。

タンタ・ローバの林祐司シェフが考案したメニューは鶏レバーのサンドと、アジアゴのチーズとラディッキオのブルスケッタ。鶏レバーはとても軽やか、クリーミーでエレガントで、白のピノ・グリージョに合わせやすい。他には、イワシのサオーラ(南蛮漬け)、白ポレンタに干し鱈のペースト、イカ墨のライスコロッケなどが提案された。

洋梨、白桃などの果実味を特徴とし、ミネラル感のあるピノ・グリージョはポレンタやバター、仔牛や鶏肉など、あっさりしつつもコクのある味わいの料理に非常によく合う。白のMonte Tondoはしっかりと深みのある味わいでコクがあり、飲みやすい。また、ピノ・グリージョにはスプマンテや、ラマートと呼ばれるロゼもある。果皮を浸して造るロゼワインは、サラッとした味わいの多い白のピノ・グリージョに比べ、よりコクがあって味わい深くなるのでぜひ試してみてほしい。ロゼのBosco del Merloは、皮を浸すことで他のワインに比べて味わいが濃く、少し甘みも感じられてコクがある。さらりとして飲みやすいピノ・グリージョの中でも特にハッとする美味しさだった。

個性が強すぎず、さまざまな料理に合わせやすいピノ・グリージョ。シェフたちのメニューを参考にしつつ、ぜひご自宅で料理に合わせて気軽に味わってみてほしい。

By Miki IIDA

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