paris-bistro japon

ボルドー地方、オー・メドックのシャトー・ベルグラーヴ Chateau Belgrave

メドックは平らな土地にブドウ畑がどこまでも広がっている。時折目にする大きなシャトーと延々と続くブドウ畑の景色は圧巻という他なく、これこそが文化 なのだと思わされる。ボルドーの中でも特に優れた気候と土壌に恵まれたオー・メドックにシャトー・ベルグラーヴは存在する。シャトー・ベルグラーヴは 1855年にグラン・クリュの5級として格付けされたシャトー。現在こちらは有名なネゴシアン、ドゥルト社による経営だが、名高いドゥルト社にしてみても オー・メドックのグラン・クリュを所有するのは並大抵のことではない。その名にふさわしいものを造り出さなければというプレッシャー。そのプレッシャーと 期待に答えるように、シャトー・ベルグラーヴは毎年質の高いワインを生産し続けている。

 美しく剪定され、整然とした畑に足を踏み入れると土壌の柔らかさに驚かされる。ここは踏み出すごとに足が少し沈むほど、土がふかふか柔らかい。ジロンド川からたった2kmのこのブドウ畑の表面は何千年も前に運ばれたという丸い小石で覆われている。belgrave_tri

「シャトー・ベルグラーヴではできうる限り最高の状態のワインを造ろうとしています。そのためブドウの選果も4回行います。まず畑ではいい状態のブドウを 手で収穫し、次にベルトコンベアにのせて、葉や植物を取り除きます。その後ぶどうを機械で揺さぶり、ブドウと房をしっかりと分離させます。最後に再びベル トコンベアにのせ、人の目と手で本当に余計なものがないかしっかりとチェックするのです。」と広報のナタリーさん。シャトー・ベルグラーヴは最後の最後ま でブドウの状態に気を使い、タンクにブドウを入れる際にもブドウが痛むのを避けるため、ポンプは使用しないという。

[pro_ad_display_adzone id= »1569″]

モダンでセンスのいい食卓で「Clos des Jacobins クロ・デ・ジャコバン 2007」をいただいた。非常にスッキリしており、まろやかでやわらかさを感じるワイン。彼らの所有するもう1つのサン・テミリオ ンのシャトー、「Château La Commanderie シャトー・ラ・コマンドリー 2005」も試飲。こちらもやわらかく非常に飲みやすい。エレガントで洗練されており、チーズにもよく合う。彼らがワイン造 りに着手してから10年も経っていないのに、深く豊かに包み込むような味わいのワインを造りだしてしまうことに驚きが隠せない。ティエボーさんにとって 「ワイン造りは世界で一番美しい仕事。」美しい景色の中で、自分もまた1つ、世界にむけて美しいものを生み出していく。そんな仕事にサン・テミリオンとい う環境はぴったりだ。クロ・デ・ジャコバンのワインは東京、恵比寿のワインマーケットPARTYさんにて取り寄せ可能。

存在感のあるステンレスタンクがずらりと並ぶ醸造所にはひんやりとした空気が流れている。醗酵は収穫した区画ごとに異なるタンクで行っている。「うちの畑 は区画ごとに名前がついているんですよ。一番上級の畑がソレイユっていう風に、全てを名前で呼んでるんです。」目の前で醗酵中のタンクにはキュヴェ・ソレ イユと書いてあり、シャトー内には畑の区画ごとの名前が表示された色付きの地図が貼られている。「風味や繊細さを大切にするために醗酵も22℃から28℃ 程度と、なるべく低温で行います。これは水出しのティーバックと同じ原理で、高温だとすぐに色や味が出せますが、風味や繊細さが損なわれてしまうのです。 だから醗酵の際の温度管理が大切なんです。」醗酵から樽熟成に至るまで、畑の区画別に行われ、最後にアッサンブラージュをする。収穫から瓶詰めまでには 20ヶ月を要するという。

開放的な試飲室で赤ワインのシャトー・ベルグラーヴ Château Belgrave 2010を試飲。深いルビー色で、口当たりが優しく、柔らかい印象だが、タンニンはしっかりしている。こちらはカベルネ・ソービニヨン65%、メルロー 30%、プティ・ベルド5%。同じくドゥルト社でオー・メドックのシャトーのワイン、「シャトー・ルイソン Château Reysson 2010」も試飲。非常に香り高く、一口飲んだだけで身体がポッと暖まる。まろやかで、余韻も心地よく鴨や肉料理に非常によく合いそう だ。こちらはメルロー90%、カベルネ・ソービニヨン10%。シャトー・ベルグラーヴのワインは高島屋などで購入可能。ドゥルト社のワインはメルシャンが 多く輸入しており、日本でも手に入りやすい。

 

 

 

Quitter la version mobile