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東京のおすすめビストロ ビストロ・ル・マン 表参道

表参道の住宅街に、リーズナブルでとびきり美味しいビストロがある。1品目に出されたはずのサラダや前菜は、メインと間違えたかと思うほどのボリュームだ。色鮮やかなサラダは見た目の美しさだけでなく、シャキッとカリッと歯ごたえもいい。それもそのはず、シェフの吉田佑真さんは週に3度も築地に通って新鮮な野菜と魚を仕入れ、野菜は2日で使い切るよう心がけているという。新鮮さだけでなく、素材の持ち味をしっかり引き出すよう、野菜を別々にゆでる手間も惜しまない。

ホタテとヤリイカのソテー ふきのとうのソース 季節の野菜を添えて

ボリューム満点のサラダにステーキ、牛赤ワイン煮込みや仔牛と豚のパイ包みなど、フランス帰りの人にとっては「これぞフランス!」という気持ちになれるビストロ・ル・マンだが、実はシェフはフランスに行ったことがないというから驚きだ。「営業を頑張っていたら行く機会を逃してしまって・・・」と笑う吉田さん。とはいえ、行かずして何故、本場顔負けの味わいを作ることができるのだろう?「料理の世界に入ったのは20歳の時からです。初めて働いた飲食店がフレンチで、やっていくうちにフレンチの魅力を感じてこの道でいこうと決めました。熊本の田舎出身で、10代の頃はフランス料理もほとんど食べたことがなかったんですが、働きながら美味しいものを沢山発見し、この仕事いいなと思ったんです。」探究心旺盛な吉田さんは、休日に先輩シェフの店を訪ね歩くだけでなく、上京後は魚屋でも働いた。「魚にもそれぞれ旬やおろし方があり、脂ののり方も旬かどうかで違います。それらをしっかり学ぼうと思って1年と期間を決めて、魚屋で働くことにしたんです。

そんな吉田さんの作る魚料理は絶品だ。ホタテ1つにしても、身がふっくらしてジューシーで、外側は香ばしく焼かれており、今まで食べてきたホタテは何だったのかと思うほどの味わい深さ。魚だけでなくお肉も焼き加減が絶妙でボリューム満点。それでも意外とペロリと食べられるのは、全て自家製だからだろう。「今年はナチュラルをテーマに、手作りにこだわっています。パイ生地、アンチョビ、ソーセージやベーコン、ソースやコンソメも全部自家製。もちろん手間はかかりますが、そこだけは味として自分も好きだし、譲れない点なんです。うちでは旬を大切にしたいので、年中これがうり、というのは特にありません。築地で仕入れた野菜や魚を使った本日のおすすめを是非味わっていただけたらと思います。

築地の仲卸市場

4年前から2日に1度は欠かさず通っているという築地市場では、新鮮な魚だけでなく野菜も仕入れている。 「築地には和の食材だけでなく、ヨーロッパ野菜を扱う店や良質なアスパラを扱う店もあり、多くの料理人が通っています。築地で扱っている食材は、そもそもお店の方が選んでいるので、品質の優れたものが多いんです。ここまで買いに来るのはいいものを安く提供したいのと、実際に自分の目で見て買いたいから。素材から料理の発想が湧くこともありますし、お店の方に調理法を教えてもらうこともあります。」魚も野菜も、旬の素材を大切にしている吉田さんは、フレンチの枠にとらわれず、くわいやむかご、ユリ根など、いかにも和食といったイメージの食材もメニューに使用したという。スーパーで普段目にするのとは随分異なる食材が溢れる築地だが、「すごく珍しいものは別にして、ひと通りの野菜は使いました」と笑う。

仔牛、豚、フォワグラのパイ包み焼き 〜トリュフのソースをかけて〜

前菜の素晴らしい店はデザートにも期待がかかるものだが、ル・マンはその期待を裏切らない。おすすめの「なんてこった、パンナコッタ!!」は豆腐のように柔らかでツルッとした食感でほんのり甘いパンナコッタに、キャラメルソースのほろ苦さが絶妙にマッチする。こちらは夜のデザート付きのコースを注文するとおかわりもでき、お腹の許すかぎり甘い誘惑に浸ってられる。ヌガー・グラッセもこんなに?というボリュームだが、口の中でほろっととける喜びに浸るうち、気づけばお皿は空になる。

ビストロ・ル・マンではワインはシェフがスタッフとともに試飲し、料理に合うものを選んでいる。グラスワインは700円から、ボトルワインは3〜4千円台で気の利いたワインが楽しめる。表参道という立地にありながら、ランチは1100円程度、ディナーコースは2品2900円、3品3500円〜という抜群のコストパフォーマンス。しかもどれも絶品ときたら、他の店に行くのが難しい。フランス好きなら、こんな店を探してた、と思うこと間違いなしのアドレスだ。

Bistro Le MAN ビストロ・ル・マン
住所:東京都渋谷区神宮前 5-12-7 CULTURE 表参道1F
電話:03 6427 7143
営業時間:12時〜15時、18時〜23時 第2、第4月曜定休

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