海と山に挟まれたラングドック・ルシヨンは、特産品の豊富さを誇る広大な地方。プロヴァンス地方の料理と同じく、この地方で愛用されているのはオリーブオイル、トマト、にんにく、タマネギ、ハーブ。郷土料理は、塩抜きをした塩タラのすり身の「ブランダード」に、オリーブ、ベーコン、アンチョビなどの入った塩気のある「フガス」というパンや、白インゲン豆と羊や豚肉などを煮込んだメインの「カスレ」、デザートではカタロニア風のクリームが有名です。
ワイン用の葡萄畑はこの地方で欠かせない存在。ワイン造りはローマ時代からの伝統で、18世紀以降、フロンティニャンのマスカットワイン、バニュルスといった自然な甘みのワインがこの地方で評判になっていきました。
セット Sète
セットの海から近いケ・ド・ラ・マリンという大通りには、「ティエル・セトワーズ」というタマネギやタコの入ったパイをはじめ、ヴァラエティ豊かな郷土料理が味わえるレストランが並んでいます。アンチョビをニンニクとオリーブオイルで味付けした「アンチョワード」、コウイカやカワメンタイなどを入れた地中海風ブイヤベース、「ブリッド」も有名です。この海峡は日々の漁を終えて帰ってくるトロール船が魚を陸にあげて
競りに出す光景を毎日見せてくれるのです。