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ロックフォールチーズと日本のお酒のマリアージュ Roquefort et le saké

9月16日、パリのフロマージュリー・ヒサダにて、ロックフォールチーズとコンフィ、日本のお酒とのマリアージュを楽しむ会が開催された。150年以上の歴史を誇る「ソシエテ」社の3種のロックフォールにそれぞれ合った果物のコンフィ、日本産のお酒やワインを合わせるというものだ。
ロックフォールというと高級で特別なイメージを持たれがちだが、実際には同社のチーズはスーパーで2€台から手に入り、エスプレッソ1杯の値段とさほど変らない。だからこそ、既成概念を打ち破り、より親しみやすく、日常的に味わってほしいとの想いで同社はコーヒーやウィスキーなどとの様々なマリアージュを企画。この秋からはフランスで、エピキュリアン社が作る「フランボワーズとカイエンペッパー風味のパプリカのコンフィ」と、同社の強めのロックフォール「タンプリエール」とのマリアージュを楽しむセットを販売開始。エピキュリアン社はロックフォールの産地付近に位置し、新鮮なフルーツを使い、様々なジャム(コンフィチュール)や、チーズと合わせる甘さ控えめのコンフィを生産する家族経営の会社。会場となったフロマージュリー・ヒサダはパレ・ロワイヤルの隣に位置する日本人オーナーのチーズの専門店で、両社の商品を取り扱う。この日はHISADA FRANCE社長の久田恵理さん自ら日本酒や山梨産ワインとロックフォールとのマリアージュを提案した。

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「アベイ」というロックフォールを口に含むと柔らかく、味わいは力強いがバランスがとれている。こちらにアプリコットのコンフィを合わせると、ジャムの甘さとチーズの塩辛さが交じり合い、塩辛さが引き立ってくる。それに秋田産の「X3」という辛口の純米酒を合わせると、今度はロックフォールの柔らかさが引き立つ。力強くクセの強い味わいの「タンプリエール」に合わせたパプリカのコンフィは、パプリカのほんのりとした甘みとカイエンペッパーのぴり辛さがチーズと合わさり何とも言えない心地よい後味をもたらしてくれる。塩辛いロックフォールと辛口の日本酒、クリーミーにとろけるロックフォールとほわっとした山梨ワイン、マンゴーのコンフィ等、お互いの味の特徴を活かしたマリアージュにより、1つのチーズを様々な観点から楽しめた。この会は「ロックフォールといえばフランスワイン」と思っていたフランス人ジャーナリスト達にも新たな視点をもたらした。ならば日本に住む私たちも既成概念から解放されて、自分の好きな日本のお酒とチーズを合わせてみたらどうだろう。自分なりに共通すると思う味わいを探り、お互いの味をより引き立てる組み合わせ。ロックフォールに赤ワイン、という組み合わせだけでなく、日本酒が合うのなら、焼酎にだって合わせられるかもしれない。「チーズに合えばお酒はフランス産にはこだわらない」という久田さん。ロックフォールのコードを破り、もっと身近なものにしたいというソシエテ社。チーズの専門家たちがこう言うのだから、美味しいチーズ片手にお酒売り場を眺めてみるのも新たな発見がありそうだ。

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