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ピマン・デスペレット Le Piment d’Espelette

 ピマン・デスペレット(エスペレットの唐辛子)は風変わりな品種です。南アメリカが原産で、メキシコの先住民によって栽培されていたこの唐辛子は、征服者たちによってヨーロッパにもたらされ、17世紀にはバスク地方での栽培が始まりました。19世紀からの地方の大きな変化にも関わらず栽培は続けられ、この地方の美食文化にしっかりと結びつき、地方のアイデンティティを確立する農産物となりました。

 唐辛子の栽培は異なる作物を同時栽培できる開拓方法を維持してくれました。フランス南西部で栽培されているエスペレットは、南部の海洋性気候の中で育ちます。夏は暑く、冬の気候は穏やかで、凍り付くようなことはほとんどありません。海に近い場所だけれども、海風の被害を受けることもありません。ピレネー山脈からやってくる暖かい風は昼も夜も同じ強さで吹き、実の成熟と乾燥に貢献してくれるのです。これらの気候がまさにエスペレット栽培にうってつけだったというわけです。

 毎年の収穫ごとに、唐辛子は生産者と保管業者、レストラン業界者とで構成された協会で、色合い、アロマ、味の評価づけをするのです。まるでワインのような厳しさです。

 10月最週末には、大規模なエスペレットの唐辛子祭りが開催されます。これは地域全域のダイナミックなお祭りで、この日には2万人が、エスペレットの唐辛子を愛でに、仕入れに、村までやってくるのです。この日はエスペレット愛好協会に新しいメンバーを迎え入れる日でもあるのです。

 この唐辛子は2000年にAOC品質表示を獲得。これはフランスで唯一、調味料に与えられたアペラシオンです。

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エスペレットの赤唐辛子

束ねられたもの
唐辛子は一本の紐でたばねられています。均一の大きさの唐辛子が20、30、40、60、80又は100という単位でたばねられているのです。

粉末のもの
オレンジ味がかった赤か、茶色みがかった赤色をしています。粉末は十分に細かく、粒子は5ミリを超えないようになっています。唐辛子の粉はフルーティな香りや干し草を焦がした様な香りがしっかりと鼻に残ります。口に入れると、長いこと辛さが残ります。

 エスペレットの唐辛子はバスク地方の料理によく使用されています。
フランス料理の有名シェフ達も愛用しています。レストランでは、
盛りつけの仕上げにエスペレットの赤い唐辛子粉を線状に引いた料理を
よく見かけます。

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