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ワイン選びに迷ったら キアンティ・クラッシコ

6月19日、ペニンシュラ東京にてキアンティ・クラッシコのプレスイベントが開催された。解説を務めたのはキアンティ・クラッシコ協会 マーケティング・コミュニケーション マネージャーのシルビア・フィオレンティーニさんとキアンティ・クラッシコ アンバサダーの宮嶋勲さん。

Consorzio Chianti Classico

イタリアのワインの中でもトップクラスの知名度を誇るキアンティ・クラッシコの特徴は、どんな食事にも合うということ。心地よい酸とミネラル感があり、タンニンも柔らかいため、自己主張しずぎず料理の良さを引き出してくれる。前菜からメイン、魚料理に至るまで、これ1本で楽しめるという優れもの。

キアンティ・クラッシコはイタリアのトスカーナ地方、フィレンツェとシエナの間で造られている。他の産地との大きな違いは、動物相や生物の多様性が保たれていることだ。キアンティ・クラッシコ全体の7万haのうち、ブドウ畑は1割程度で、森林が65%を占めている。オリーブ畑も全体の1割を占め、DOPキアンティ・クラッシコのオリーブオイルも存在する。

イタリアの中でも歴史的に高品質で知られるキアンティ・クラッシコは、1970年代により一層の品質向上を目指し、生産量を減らすというという大きな決断をした。今でもヘクタールあたりの生産量はイタリアで一番低いといい、品質向上のために3億ユーロもかけ、70%のブドウ畑を改植したという。シルビアさんは最近読んだ吉本ばなな氏の小説を引用しながら、それは「夢を現実にしようとした」大いなる取り組みだったと語る。その甲斐あって、当時植えられ、今では樹齢20〜30年経ったブドウからできるワインの品質はますます向上している。キアンティ・クラッシコの「本物のワインをつくり、歴史を大事にしつつ、近代的な起業家精神を大切にする」という夢は今まさに実現しつつある。

キアンティ・クラッシコには3つのレベルがあり、一番下の層にあるのが「キアンティ・クラッシコ・アナータ」で、最低12ヶ月の熟成が必要。真ん中に位置するのが「キアンティ・クラッシコ・リゼルバ」で、最低24ヶ月の熟成のうち、3ヶ月の瓶熟成がいる。2014年に制定された「キアンティ・クラッシコ・グラン・セレツィオーネ」はトップクラスに位置するもので、自社の畑で栽培されたブドウのみを使用。最低30ヶ月の熟成のうち、3ヶ月の瓶熟成が必要だ。

また、2021年にはキアンティ・クラッシコ全体を11のサブゾーンに分け、ラベルに表示するというUGA(Unità Geografiche Aggiuntive)という取り組み始まった。こちらは初期段階では、グラン・セレツィオーネにのみ適用される。今回は11のUGAのうち6の地区からのキアンティ・クラッシコを試飲した。

キアンティ・クラッシコの南、シエナ近辺に位置するバリアーリ(Vagliagli)地区の「Casterllo di Fonterutoli, Chianti Classico Gran Selezione Vicoregio 2019」はバラのようなフローラルな香りで優雅で軽やか、食事に合わせやすいワイン。優しい味わいの「国産牛の低温調理タルタル仕立て」と、キアンティ・クラッシコの柔らかくて優雅な味わいが絶妙に合う。

キアンティ・クラッシコの南東部、ガイオーレ(Gaiole)地区の「Ricasoli, Chianti Classico Gran Selezione, Castello di Brolio 2019」は、最良のブドウを合わせたグラン・クリュのようなワインで、キアンティ・クラッシコの中ではわりとタンニンがしっかりめ。クリーミーでコクのあるキノコの料理「オマール海老とジロール茸のラビオリ パルミジャーノのフォーム」と素晴らしいマリアージュを堪能できる。

キアンティ・クラッシコは自己主張が強すぎないため、日本のイタリアンやフレンチのように繊細な味わいを生かした料理に合わせやすい。他の地方の生産者でも、家で飲んでいるのはキアンティ・クラッシコという人もいるという。それほど合わせやすく、間違いのないキアンティ・クラッシコ。イタリアワイン選びに困ったら、まずはキアンティ・クラッシコを試してみては?

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