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シャンパーニュの製造方法  Champagne

お祝事の時におなじみのシャンパンの正式名称は「シャンパーニュ」。シャンパーニュはこのスパークリングワインを製造しているフランス東部の地方名でもあり、ワイン名でもります。シャンパーニュ地方はパリから車で2時間程度。2つのシャンパーニュ・メゾンの製造 過程を見学しながら製造方法をご紹介します。

そもそもシャンパーニュというのは他のスパークリングとどう違うのでしょう?フランスには厳格な品質基準のAOC表示というものがあり、製法や地域、材 料などが明確に定められ、それを満たしている場合にだけこの表示を獲得することができます。これはカマンベール地方でつくったチーズだけをカマンベール・チーズと呼ぶことができるのと同様に、他の地方でつくった発泡のワインは、似た味がするからといって、シャンパーニュと呼ぶことはできないのです。 シャンパンは、フランスのシャンパーニュ地方でつくられた発泡性ワインのことで、ブドウの品種もピノ・ノワールピノ・ムニエシャルドネと、 AOC基準によって限定されています。

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それからどうしてシャンパーニュは高級なのでしょう?それはシャンパーニュの製造にはかなりの手間がかかるから。まず、ブドウの収穫は全部手摘み。それから2度の発酵が必要なため、瓶に一時的に栓をしたり、また抜いて再び栓をするのにも特殊な技術がいるのです。

 

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はじめに訪れたメゾンは「ニコラ・フィアット」。シャンパーニュ・メゾンの中では一番若く、設立されてから35年しか 経っていないのに、手頃な価格と親しみやすいイメージ戦略で、世界で4位にのしあがった強者です。現在は80カ国に輸出をしており、日本でも購入可能。

こちらは非常に機械化された近代的な工場で、シャンパーニュ用に作られた大型ロボットが大きな音をたてながら大活躍をしていて、まるで自動車工場の見学に来たかのよう。次に訪れた「アンリ・アベレ」は、ニコラ・フィアットに比べるとこじんまりとしているものの、250年の歴史をもち、ボトルにランスの大聖堂のシンボル、笑う天使のイメージの使用を許可されているという、誇り高きシャンーパーニュ・メゾン。

さて、どちらのメゾンも、契約しているブドウ農家が収穫したブドウを集めてシャンパーニュをつくります。9月ごろ収穫されるブドウは、ブドウの品種、そして地域ごとに分け、1次発酵のタンクで発酵をすすめます。それから2月から4月くらいになると、「アッサンブラージュ」といって、その前の年から蓄えられて いるワインと新しいワインを混ぜ合わせ、理想の味わいになるように味を調合していきます。これがシャンパーニュ・メゾン各社の腕の見せ所。アッサンブラージュでは、ブドウの品種や、地区を混ぜたり、リザーブドワインと混ぜたりするのですが、ここで前の年のワインと混ぜずに、その年のもの だけを使用してつくったシャンパーニュををミレジメと呼びます。ミレジメは全ての年につくられるわけではありません。アッサンブラージュは貯蔵タンク内で行われ、そこで発酵が進まないように、温度を1次発酵よりも低めに設定するそう。この後、瓶内での2次発酵を促すための糖分が加えられます。

アッサンブラージュが終わったワインはきれいに洗浄された新しい瓶につめられ、仮の栓をされてその中で2次発酵を行います。シャンパンを瓶詰めすることを「ティラージュ」と呼びます。

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瓶は地下の貯蔵庫に規則正しく大量にしきつめられ、15ヶ月以上寝かせます。ニコ ラ・フィアットの場合は最低2年は巨大なコンクリートの地下倉庫で寝かせるそう。ここの酒蔵は圧倒的で、25メートルも奥まで瓶がしきつまっています。また、アンリ・アベレの方は、いわゆるワインの酒蔵に近いイメージで、ひやっとしたトンネルのような地下倉庫に、時折フォークリフト がやってきては瓶をならべていました。

さて、この2次発酵で瓶の中にたまってしまった澱を取るために、一度フタをあけなくてはなりません。そのため、瓶のふたのまわりを冷凍させて、瞬間的にふたとそのにごりを一緒に取り除きます。その時少し外にでてしまったシャンパンの埋め合わせをするため に、ほんの少し甘いリキュール(門出のリキュール)を加え、今度は完全にフタをして、瓶の中の圧力でフタが飛んでいかないようにしっかりと包装されるのです。

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さて、できあがったシャンパンの味わいは?ニコラ・フィアットのシャンパンはとてもすっきりしていて飲みやすく、どんなお料理にも合う感じ。実際フランス料理にも見事にマッチし、和食とも何の違和感もなく、何杯も美味しく飲めました。 ニコラ・フィアットのシャンパンを買った人の37%はまたここのシャンパンを購入するそう。それもそのはず、変な後味は全くなく、飲みやすく、かつどんな料理にも合うのです。

アンリ・アベレで試飲させてもらったシャンパーニュはうっとりするほど上品で繊細な味わいで、心地よい後味がいつまでも残ります。こちは料理と合わせな くても、しっかりとこの味わいを心行くまで味わっていたいと思わせる、シャンパンのもつ深さを教えてくれる一杯。お祝い事でシャンパンを買おうと思ったとき、もしニコラ・フィアットかア ンリ・アベレの瓶があったらぜひ手にとって見てください。今迄とはちがったシャンパーニュの深い味わいをきっと楽しむことができるはず。

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