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アルザスと日本の素敵な関係 友好150周年

アルザス地方はフランス北東部、ドイツと国境を接する地方で現在でもドイツの影響が色濃く残る。おとぎ話に出てくるような色とりどりの可愛い街並、ヴォージュ山麓の溢れる緑、美味しい食事にワイン、それにビール産地としても有名だ。

 

魅力に事欠かないこの地方はパリに次いで2番目に多くの観光客が訪れる。これからの季節、クリスマス・マーケットといえばアルザスなので、12月に渡仏するなら是非足を伸ばしてみてほしい。アルザスには日本人も多く訪れ、今では年間4万5千人が滞在するという。

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アルザスと日本との関わりは意外と深く、1863年にまでさかのぼる。鎖国後、大阪の商人達がアルザスの都市、ミュールーズで生産される羊毛生地に和柄を染色してもらうよう依頼しに行ったのが始まりだ。今年は交流150周年を記念して、アルザスと日本で様々なイベントが開催された。11月中旬にはヒルトン東京ベイにて「ボナペティ・アルザス・グルメナイト」が開催され、アルザス出身の総料理長と、来日したシェフ達が本場のアルザス料理をふるまった。また、今年はアルザスワイン街道と飛騨地酒ツーリズム協会との友好提携宣言や、コルマール市と高山市との経済・観光協力協定書などの経済協定も調印された。11月18日には東京で「アルザスと日本 深まるパートナーシップ」という記者発表会が開催され、アルザス人国際連盟の東京支部も設立された。今後アルザスと日本の結びつきはより一層深まることだろう。

アルザスはミシュランの星を獲得したシェフがパリに次いで2番目に多い地方でもあるという。アルザス料理というとボリューム満点の肉料理というイメージだが、実際には美しく繊細な料理を提供する店が多くあり、洗練されたもてなしのホテル業も盛んだそう。名物としては有名なシュークルートだけでなく、タマネギとベーコン、フロマージュブランをのせたピザのようなタルト・フランベ、豚のリエット、シャルクトリ、それにフォアグラ、クグロフなどが挙げられる。記者発表会ではアルザス名物と共にアルザスの白ワインも用意されていた。「シュークルートはワインと共に味わってこそ。リースリングやピノ・ブランを合わせるといいわ」とアルザス地方圏議会副議長のマリー=レーヌさん。確かにピノ・ブランの爽やかな酸味がシュークルートの味わいをキリッとひきしめてくれ、どちらの味もより引き立ってくる。ピノ・ブランはアルザスでは主要な品種で、リースリングより穏やかな味わいなので和食にも合わせやすい。香ばしく、ワインのみでも楽しめるピノ・グリや、珍しい5品種混醸のワイン、ローゼンエーゲルトも香り、味ともに複雑で非常に味わい深い。寒い季節こそシュークルートの美味しい季節。凍えそうになっていても、食べたら身体がぽかぽかになるこのメニューを見かけたら、アルザスワインとのマリアージュに是非挑戦してみてほしい。パリのブラッセリーでもアルザス料理が堪能できる。

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