パリの街並みからビストロとカフェのテラスを取ったら何が残るというのだろう?ビストロやカフェはパリに彩りを与え、パリの生活の楽しみを生み出す重要な存在である。とはいえ、ビストロやカフェのテラスはグローバリゼーションによる世界の均質化の波にさらされている。今日では世界のどこへいっても大都市の中心部は似たり寄ったりで、同じ看板、同じファーストフード店やチェーン店で溢れかえっている。パリは大都市にしてはこうした潮流から免れている方ではある。とはいえ、唯一無二で、正真正銘の昔ながらのパリのビストロやカフェのテラスは、放っておいたら消えてしまう運命なのだ。ビストロやカフェはパリの美しい街並みに欠かせないだけでなく、パリのエスプリの一部をなす存在である。というのも、両者は自由な場、議論の場、また文化的な場としての役割を担ってきたからである。ビストロやカフェは庶民的な味を守り続けるだけでなく、社会の中で人のつながりを育む場所なのだ。
こうした消滅の危機に対して、ワイン生産者と結びつきの強いカフェ店主や、ビストロの擁護者たちがパリのビストロとカフェのテラスを、ユネスコの無形文化遺産、地域に根付いたライフスタイル(Art de vivre)として登録するための団体を創設した。ブルゴーニュのクリュや、シャンパーニュのワイン産地を守る動きと同じようなものである。「ビストロとパリのテラス」という団体の代表者、アラン・フォンテーヌ氏は、「ビストロは様々な階層の人々がカウンターを通して気軽に出会い、語り合えるパリのサードプレイスなのだ。こうした文化は地域に根付いたライフスタイル、フランス流の生活の楽しみ方という観点からも、次世代に伝えてゆくべきだ」と語る。
これを読んでいる貴方もビストロというパリの暮らしに欠かせないライフスタイルを守りたいと願う一人であれば、ペイパルを通じて3ユーロ募金することでこの運動にどうか協力してほしい。ビストロとパリのテラスを今後も守り続けるためには、それを愛する人たちの支援が必要なのだ。
募金のご協力はこちらから Bistrots et Cafés de France : https://www.bistrotsetcafesdefrance.org