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世界一エレガントな街 ボルドー

ボルドーといえばもちろん有名なワインの産地。だが、ボルドーが都市としても注目されているのをご存知だろうか?欧州ベストデスティネーション2015に選ばれたボルドー市は、フランスでもパリに次ぐ人気の都市だ。18世紀、月の港と呼ばれて栄えた黄金時代の趣を残すこの街は、2007年からユネスコの世界文化遺産として登録されている。

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6月23日から東京、上野で「ボルドー展 ー美と陶酔の都へー」が開催されている。展覧会に合わせて来日したアキテーヌ地方観光局やボルドー観光局の局長達が、「アキテーヌ・ボルドー・デスティネーション・セミナー・ボルドー・ラスコー」でかの地の魅力を熱く語った。ボルドーはアキテーヌ地方の首都であり、アキテーヌ地方はボルドーとワイン産地以外にも見所に満ちている。スペイン国境に近いバスク地方には独特の文化が残り、味わい深い生ハムやシャルクトリも有名だ。ドルドーニュ川近辺には中世からの街並の残る非常に美しい村々や、有名なラスコーの洞窟がある。ラスコーの洞窟そのものには一般人は入場はできないものの、限りなく本物に近い複製の中に入れるようになっている。
2016年のアキテーヌ地方は魅力に事欠かない。まず、ラスコーに「国際洞窟壁画芸術センター」がオープンし、より本物に近い湿度や温度、光の演出なども加え、一部ではなく全体を完全に複製した空間が楽しめるようになる。次に、ボルドー市内の新名所、「ワイン文明博物館」の完成だ。こちらはボルドーのシンボル的存在となるように作られており、ボルドーだけでなく、エジプトやメソポタミアから現代の新世界に至るまで、ワイン文化に関するあらゆることが楽しみながら学べる博物館。もちろん試飲も可能で、ガロンヌ川に面した博物館からは船でワイン産地の旅に出発することもできるという。さらに、ワイン愛好家お待ちかねの「ボルドーワイン祭り」が6月23日~26日に開催される。ガロンヌ川沿いに数キロに渡って設置されたスタンドでは、心地よい風に吹かれて、心行くまでボルドーワインが堪能できる。


ワインと料理だけでなく、ワインと都市までもマリアージュさせてしまうボルドーでは、想像を遥かに超えた豊かな滞在が楽しめる。例えばワイン産地の右岸、左岸で有名なガロンヌ(ジロンド)川は昔から船交通が栄えただけあり、今でも都市中心部まで大型客船が入港できる。市内からは、メドックなど有名なワイン産地や対岸のコート・ド・ブール等にも船で行くツアーが存在する。シャトーが提案するワイン付きのピクニックもあれば、ブドウの葉などを用いたエステ、ヴィノテラピーも有名で、植物の香りに包まれて心身ともにリラックスできると評判だ。ボルドー市中心部は車の利用を制限し、貸し自転車やトラムを発達させている。市内を楽しむには公共交通機関や美術館、ガイド付きの見学などが利用可能できる「ボルドー・メトロボル・シティパス」がおすすめだ(1日25€、2日30€)。ワインをしっかり学びたい方にはボルドーワインスクールが2時間からの講座を開催している。


シャトーへのテイスティングツアーも多く企画されており、ボルドー観光局のサイトは日本語でも閲覧可能。自分好みのアッサンブラージュを体験し、そのワインを持ち帰る企画も人気がある。自分の足でワイン産地に行く場合、ペサック・レオニャンはボルドーからトラムで約15分、サンテミリオンまで(SNCF利用、無人駅)は約40分で到着できる。産地にはシャトーに併設された美しいシャンブル・ドットが多く存在し、貴族になったような気分で眠りにつける。また、コンクリートタンクや木の大樽を改造して寝室にしたホテル、森の中に宿泊できるツリーハウスも存在するという。次にボルドーに行くのなら、ワイン産地での試飲に加え、遊び心に溢れたボルドーらしい豊かな生き方にも是非触れてみてほしい。ボルドーには世界中の人たちが羨むような、自然の傍ら、洗練されたスタイルで人生を楽しむ »Art de vivre »が存在する。ワイン片手にそんな人生について思いを巡らせるのもボルドーならではかもしれない。

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『ボルドー展 ー美と陶酔の都へー』 2015年6月23日~9月23日(祝)
東京、上野 国立西洋美術館  一般1600円、大学生1200円、高校生800円

先史時代のアキテーヌ地方の遺跡から18世紀の黄金時代、現代に至るまで、ワイン生産と貿易による富によって洗練された都市文化を育んできたボルドーの魅力を伝える展覧会。1855年のパリ万博にむけて制作されたドラクロワの「ライオン狩り」や、ウジェーヌ・ブーダン、モネ等によって描かれたボルドーやワイン関連の絵も展示されている。

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