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フレンチチーズタウン 2021 in 二子玉川ライズ

2021年11月12日(金)から23日(祝)まで、東京、二子玉川ライズで「フレンチチーズタウン 2021 in 二子玉川ライズ」が開催されている。テーマは「いつでもチーズ」「チーズはやっぱりフランスでしょ」。自宅やレストラン、朝食やおやつなど、様々なシーンでフランスのチーズに親しんでという想いで、EUとフランス全国酪農経済センターが主催するイベントだ。

イベントは4つの柱で成り立っている。ひとつめが「レストランウィーク」で、二子玉川ライズにある8軒の飲食店で、フランス産チーズを使ったメニューが提案されている。たとえばカフェの »channo-ma »ではブリア・サヴァランの酸味と苺を散りばめたテリーヌがあり、ニューヨーク発祥のアメリカ料理店、バビーズでは、「コンテチーズ香るマカロニチーズ」を提供中。あっさりとして食べやすく、コンテの旨味とコクを楽しみながら、身体もあたたまる一品だ。

コンテ香るマカロニチーズ テラスマーケットのバビーズで提供中

ふたつめはテイスティングセミナーで、合計10回開催するが、こちらは予約開始とともに満席に。3つめがトークショーで、ロードレーサーとしてフランス各地を回った木下智裕さんによるトークショー「自転車ロードレースで体験「フランス魅惑のテロワールと郷土のチーズ」が11月20日(土)13時から開催される。21日(日)13時からは、チーズプロフェッショナルで料理研究家の小野孝予さんによる「『チーズアシェット』なら、いつでも誰でも、チーズを簡単でおいしく楽しめる!」。チーズは調味料を使ったり、一手間加えるだけでより一層美味しく楽しめる。食べかけで冷蔵庫に眠っているチーズの活用法も教えてもらえるという。トークショーは無料で要予約だが、どちらもインスタライブで自宅からも視聴可能。

チーズに関するパネル展示 裏にはクイズも

最後に嬉しいお知らせなのが、「フレンチチーズキッチン号」だ。こちらは20日(土)21日(日)の2日間のみ、3種類のフランス産チーズを無料で試食可能。10時〜18時までだが、品切れ次第終了となる。その他会場にはチーズに関するクイズのパネル展も開催されている。

谷田浩巳さん(左)と佐野嘉彦さん(右)

19日には「1日ずっとフランス産チーズに夢中」というイベントが開催され、チーズプロフェッショナルの佐野嘉彦さんと、二子玉川のチーズ料理専門ビストロ「バール ア フロマージュ スーヴォワル」オーナー兼ソムリエの谷田浩巳さんがフランス産チーズの魅力を解説してくれた。チーズの国として知られるフランスには1200種を超えるチーズがあり、原産地呼称(AOP)を取得しているチーズは46もあるという。

チーズとワイン等の飲み物を合わせるにあたって大事なポイントは3点あると谷田さん。ひとつめが「同調」で、風味や色合いの似ているものを合わせること。ふたつめが「補完」で、甘み、塩み、酸味、苦味、辛みで構成される五味のうち、足りないものを補い、バランスを整えること。最後に「中和」で、塩味が強いものに甘みを足して和らげるなど、甘塩っぱいみたらし団子のような絶妙なバランスであり、これが一番難しいという。この3点を縦軸とすると、横軸として大切なのが産地、熟成、成分であり、これらを考慮した上でマリアージュを考えることが大切だ。

朝から簡単で元気の出る朝食「玉露の佃煮とボーフォールのおにぎり」

谷田さん提案のマリアージュは4点あり、まず簡単で元気の出る朝食「玉露の佃煮とボーフォールのおにぎり」。玉露を佃煮にすると海苔のような香りとなり、おにぎりに非常によく合う。白米とチーズはもともと相性がよく、ボーフォールはあっさり、スッキリした、とても軽やかな味わい。これなら大根などの浅漬けにもよく合いそうで、朝から元気になれそうだ。

ワイン片手に、ブランチやアペロ「蟹とコンテ、ココナッツ風味のケークサレ」

2つ目は「蟹とコンテ、ココナッツ風味のケークサレ」。こちらはコンテの上品なコクがカニとよく合い、あとひく美味しさ。コクがあってクリーミーなので、ブルゴーニュのシャルドネや、ボジョレーの白など、まろやかな白ワインに合いそうだ。

冬のおやつは、ほっこりタイム「ブルー・ドーヴェルニュと干し芋」

おやつタイムには「ブルー・ドーヴェルニュと干し芋」をラムの香るほうじ茶とともに。ほんのり甘い干し芋で、青カビチーズのブルー・ドーヴェルニュとバターをサンドイッチ状にしており、甘さと塩みが心地よく中和する。ほうじ茶にラム酒を垂らしたものとともに味わうと、ほうじ茶と干し芋の香ばしさが快くマッチする。ブルー・ドーベルニュはオーベルニュ地方で生産される牛の青カビチーズで、日本の輸入食品店でもわりと手頃な価格で手に入る。

クリスマスの夜は、スペシャルな一品を「鴨とエポワスのタルティーヌ」

最後の一品はクリスマスの夜など、特別な日におすすめの「鴨とエポワスのタルティーヌ」チーズの王様といわれるエポワスはブルゴーニュのウォッシュチーズで、香りは強いが、味わいはまろやかで、とてもクリーミーでコクがある。わりと味わいのしっかりしたピノ・ノワールやクリュ・デュ・ボジョレー、味わい深い2021年のルイ・ジャドのボジョレー・ヌーヴォーにも合うだろう。

解禁になったばかりのボジョレー・ヌーヴォー

この週末、フランスチーズの色に染まる二子玉川ライズで、まだ知らなかったチーズの味わいに触れてみてはどうだろう。ていねいに作られた食材や、シェフが味わいを追求し、丹念につくった食には感動がある。谷田さんのお店も二子玉川にあり、彼自身がワインの瓶のキャップシールを利用してつくったアートも店内に飾られているそうなので、チーズ好きな方は天才的なマリアージュを味わいにぜひ足を運んでみてほしい。

作品を手にする谷田さん

フレンチチーズタウン 2021 in 二子玉川ライズ

2021年11月12日(金)〜11月23日(火・祝)

イベント公式ホームページ

インスタグラム@homeofcheese_jp

谷田さんのお店:バー ア フロマージュ スーヴォワル 世田谷区玉川4−5−6 尾嶋ビル1階 03 6805 6399

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