古代ローマ時代から生産されているレンズ豆は、地中海の入り江が原産で、ピュイ・アン・ヴレイ地方で特に多く栽培されています。山の周囲にぶつかった低気 圧が湿気をもたらし、夏には乾いた風のフェーン現象が起こります。レンズ豆は水分の不足という強いストレスにさらされ、成熟を妨げられてしまいます。
ピュ イのレンズ豆は皮が薄くて煮えやすく、でんぷん質が少ないため、粉っぽくなりにくいのが特徴。いつも他の作物の補足的作物として栽培されるため、レンズ豆 の栽培は不規則です。とはいえこれは「貧者のキャビア」と言われています。というのもレンズ豆は1ヘクタールの小麦よりも利益を生んでくれるからです。あ まりに評判が良く、宣28伝する必要もないほどのピュイのレンズ豆。他よりも高く売れるため、詐称がまかり通ったのを受け、1935年にレンズ豆を守る活動が 開始され、1996年には野菜として初のAOCを獲得することができました。2000年にはAOPとしても認められています。