帝国ホテル東京、レ セゾンの真野大貴氏は、フランスの伝統料理であるパテのパイ包み、「パテ・クルート」の第15回世界選手権で優勝した。パテ・クルートの世界選手権はその技術と調理方法によって最も評判の高い料理コンクールのひとつである。銀賞となったのは千葉県のフランス料理ル クールの石本省吾氏。15回の開催で日本人シェフが優勝したのはこれで4回目。
29歳という若さの真野氏は2023年のコンクールの決勝戦で最優秀期待賞を受賞した後、優勝を目指して再挑戦した。
真野氏は1年で350ものパテクルートを試作しながら、最終的なレシピとなった「黄金の葉のパテクルート」を生み出した。こちらは鴨、フォアグラ、子牛の胸線、ヘーゼルナッツとピスタチオが主な材料だ。
「この度は憧れて入社した帝国ホテルに世界一を届けることができ大変光栄に思います。昨年の世界選手権では悔しい結果に終わっただけに、必ずリベンジするという強い思いで今回の大会に臨みました。準備する中で、シェフたちに沢山アドバイスをい ただいたほか、パテ・クルートで重要なパイ生地 の食感・風味・焼き具合を追求するために、当社のベーカリー、ペストリーシェフたちにもアドバイスをいただきました。この経験と自信を糧にこれからも精進して参ります。」と真野大貴氏。
パテ・クルートの世界選手権における日本人シェフの度重なる勝利は、フランスの伝統的な料理に対する日本人シェフの強い情熱を示している。実はこれまで7回行われたコンクールにおいて、日本人シェフは5回も優勝している。
ひとつ確実に言えることは、15年前に創設されたこのコンクールはフランス料理においてパテクルートに再び名誉ある座を与えたということだ。それ以降ブラッスリーや上質なビストロでは数々のシェフがそれぞれのレシピでパテ・クルートを作るようになり、お客さんを喜ばせようと、前菜のアラカルトメニューに組み込まれるようになってきた。