パリの中心部にあるシャトレ広場には、フランスの演劇界きっての悲劇女優として知られるサラ・ベルナールの名を冠した歴史的カフェがある。サラ・べルナールはミュシャのポスターでも有名な、世界的に活躍したベルエポック期の大女優。彼女が四半世紀を過ごした市立劇場の中にカフェ、サラ・ベルナールが存在する。ここはエレガントでシックだが、あたたかみがあり、パリの人々に愛されているカフェである。
このカフェに一歩足を踏み入れると、ベル・エポックの時代にタイムスリップしたような気になれる。アール・ヌーヴォー調のインテリアは、アーチや曲線、照明、ガラスの壁や床のモザイク、当時の家具など、細部に至るまでこだわりがあり、パリの黄金時代を彷彿させる。当時の劇場の世界も感じられ、サラベルナールの写真が壁の至る所に、彼女の絵はカウンターの奥に飾られている。
このカフェのよさは何といってもあたたかみがあることである。ここにはただワインを飲みに、ちょっとしたものをつまみに来てもいいし、食事をしに来てもいい。食事時には地元民や観光客が店に次々集まってくる。演劇が上演されるときに混みあうのはもちろんだ。
街の中心地にあるものの、料理は自家製でリーズナブル。シェフはインスピレーションに事欠かない。前菜にはゆでたまごのマヨネーズソース(6€)や寒い日に重宝するオニオングラタンスープ(9€)などがある。本日のオススメランチは13.9€からで、サーロインステーキのコショウ風味や、メカジキのソテーなどが味わえる。
Le Sarah Bernhardt
住所:2, place du Châtelet – Paris 75004
営業時間:毎日午前7時から夜12時
電話番号: (33) 1 42 72 00 71