paris-bistro japon

ビストロとラグビーの意外な関係

フランスでは、ラグビーよりもサッカーの方がメジャーとはいえ、南西部でのラグビー人気は根強いものがある。フランスではラグビーの方がサッカーよりも食との結びつきが深い。ラグビーはもはやスポーツという枠を超えて、パリの文化の一部となっている。というのも、パリのビストロの主人の多くは南西地方出身だからである。

 中央山岳地帯のクレルモン=フェランより南に位置するフランスの村々には、小さな頃からラグビーの練習をしている、若くてがっしりした農民たちのクラブが数多く存在する。ラグビー自体は激しいスポーツだが、サポーターたちの態度はサッカーに比べるとずっと穏やかで、フェアプレイの精神が尊重されている。

パリでのラグビーの流行は、そこで出会った人と食を囲んで賑やかに楽しむ文化をもたらした。大規模な試合の時にはビストロでラグビーを応援し、試合の後はお祭り騒ぎが続くことになる。これは第3のハーフタイムとも呼ばれている。試合の後は、勝った側も負けた側も、皆一緒になって飲み食いし、時には夜中まで歌うのだ。

そんな時にはもちろんビールが人気とはいえ、マディランやカオール、ベルジュラックのワインのように、親しみやすくてボディのしっかりした南西地方のワインも好まれる。ラグビーにまつわる美食といえば、これまた南西地方の名物の鴨。フォワグラ、鴨の胸肉の燻製や、鴨のコンフィなどを、鴨脂で炒めたジャガイモとともにたっぷり味わうのだ。もちろん南西地方の名物、カスレや、バスク地方やピレネー起源の、白隠元と肉を煮込んだスープのガルビュールなども味わえる。

Quitter la version mobile