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キャロリーヌ・ロスタン Caroline Rostang

 35歳のキャロリーヌ・ロスタンは、彼女の一族の中に居るべき場所を見出しました。
生まれ持った名前の持つ重み――彼女の父親はミシュランの星を獲得したシェフ、
ミッシェル・ロスタンなのですが――彼女は父を怖れていません。

 1973年にグルノーブルで生まれた彼女は、料理人としての第一歩を妹の
ソフィーとともに、家庭的なレストラン・ホテルで歩み始めました。
ローザンヌ地方のホテル従業員養成学校の資格を片手にパリに出て来た
キャロリーヌは、父の店「ビストロ・コテ・メール」で働き始めます。

 サン=ジェルマン大通りのこの店で、彼女は若いシェフ、ヤン・レネに出会います。
その時2人の情熱的な料理人の間に、プロとして、かつ友人としての一目惚れが
起こったのです。そうして2002年には、彼らはサン=トノレ市場の広場に面した
輝かしいビストロ、「アプサント」をリノベーションすることになるのです。
ヤンは厨房担当で、キャロリーヌは指揮者の役割を果たします。

 洗練されたビストロ、「アプサント」

 このビストロで使われているインテリアは、工場で使われていたガラス張りの屋根や、
時代物の大きな時計、トーネットの肘掛け椅子など時代を感じさせるものばかり。
この店には偶然そこに置かれてしまった物なんてありません。というのも、キャロリーヌは
インテリアに相当な思い入れがあるからです。若くて多文化の混じり合った彼女たちは、
ここを最高のもてなしが感じられる店にしようとしています。

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料理の質も決して妥協することはありません。この店に卸している業者はミッシェル・
ロスタンのレストランと同じなのです。とはいえ、こちらはよりシンプルで、もっと
遊び心のある料理を提案しています。ここで働いているのはごく限られた6人から8人
というスタッフです。というのもキャロリーヌは、リーズナブルな値段で上質の料理を
提供することを大切にしているからです。39ユーロのコースは前菜にメインにデザート、
それにアラカルトから1つ加えても50ユーロ程度です。「アプサント」は、星つきの
高級レストランよりももっとなごやかな雰囲気で、繊細な料理を味わわせてくれる店なのです。

 ここではキャロリーヌが好んでいて、彼女が友人たちと分かち合いたいと思える料理が
提供されています。旬の素材を使うために、3ヶ月ごとにメニューの構成も変えています。

 黒い鋳物のシチュー鍋を作ったフランシス・ストーブ氏とともに、彼女達は本日のおすすめ
メニューにしょっちゅう煮込み料理を提案しています。豚骨つき肉のレンズ豆煮込み、
子牛のほほ肉とニンジンの煮込みなどがその一例です。

24 place du marché St Honoré
パリ1区
電話 01 49 26 90 04
土曜の昼と日曜定休

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