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サレール Salers

カンタル村が起源で名前の元になっているサレールは、夏期に生産されるチーズ。このチーズは4月15日から11月 15日までの期間、牛がしっかりと牧草を食べる期間にしか作りません。標高と気候に応じて、生産期間は前後にずれることもあります。サレールは、山にある 石造の牛飼い小屋「ブロン」で生産されてきました。1961年にはサレールに対し、「オート・モンターニュ」というアペラシオンが与えられます。1979 年にはアペラシオンのエリアが広がり、特定の高知に限定されない地理的ゾーンが指定されるようになりました。

 今日では夏期を牛飼い小屋で過ごすことは厳しく、そこでの孤独はますます堪え難くなっています。今ではわず かな「ブロン」だけが機能しており、残りのチーズは農場産。2006年からアペラシオンの仕様書が改訂され、生産地のエリアを縮小し、義務的基準を導入し ています。それにより、「ジェルル」という、栗やアカシアの木でできた昔ながらの容器で、搾った牛乳を受ける容器が義務として使用されることになったので す。これは2004年に衛生管理局から使用を問題視されたにも関わらず、使用を続けることになっています。「ジェルル」は凝乳になる前の牛乳の菌の自然な 培養を促してくれるのです。

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大方の人の期待に反し、サレールはサレール牛の乳だけで作られているチーズではありません。というのもサレール牛は他の牛に比べてほとんど搾乳できない からです。もう1つの特徴として、サレール牛は自分の子牛が目の前にいるときだけ搾乳できるというのがあります。だからサレール牛の乳だけで作った「サ レール・トラディッション」というアペラシオンの恩恵を受けられるのは15程の生産者だけなのです。「サレール・サレール」の84の生産者の放牧場ではサ レール牛と同じくらい、ノルマンド種やホルスタイン種も見かけます。「ジェルル」の使用や様々な牛乳の使用により、サレールチーズはどれも異なる味わいで す。

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